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ビール党なら、マジでここだけは行ってほしい!1種のビールを"注ぎ"で激変させる「麦酒大学」

反省しています。

ビールの味って、「一番搾り」とか「スーパードライ」とか、銘柄が同じならどの店で飲んでも同じだと思っていました。

この「麦酒大学」(中野)に来るまでは。
 

まさかビールの味が、注ぎ方ひとつでここまで変わるとは!!
 

この驚きをできるだけ記事でシェアしますけれど、とにかく飲みに行って体験してみてください!というのが、今の正直な気持ち。

ビール好きなら、マジで行ったほうがいいと思います。

ビールが売りなのに、置いてるビールは1種だけ?

事前に「麦酒大学」は、ビールの飲み比べができるお店って聞いてたんですよ。

だから、思うじゃないですか、店内にはいろんなビールの銘柄がズラーッと並んでるんだろうなって。

それがいきなり期待を裏切られるわけです。良い意味で。

麦酒大学で提供している銘柄は、キリンラガーのみ!

え?「麦酒」大学ですよね?

ビールが売りの店ですよね?

置いてるビールが1種類って、寿司屋が1種類の魚で勝負するようなもんでしょうよ。

なんでもこの店、キリンラガーを2種類のビールサーバーで注ぎ分けることで、様々な味わいを作り出すそうなのです。

ビールサーバーは、「平成のサーバー」と「昭和のサーバー」を使い分け、後者は昭和8年頃に流通していたサーバーの復刻版だそうです。

「そうは言っても、ビールは1種。結局、味なんて大して変わらないでしょ」

そんな疑いは、6通りに注ぎ分けられたビールを飲んで、綺麗さっぱりどこかに吹き飛んでしまうのでした。

麦酒大学、開講!

さて、1限目(1種類目)からいってみましょう。ビールを提供してくださるのは、店主の山本祥三さんです。

①麦酒大学注ぎ

麦酒大学注ぎは、平成のサーバーでゆっくりと、

ゆっくりと注いでいき・・・完成。

美しい!!

足跡ひとつない新雪のような穢れなき泡の白!!

口をつけると、ほわん。クリーミーな泡が口先につく瞬間が実に幸せ。

その後で、ビールの苦みや炭酸がしっかりと口中へ流れ込んできます。

ゆっくりと注ぐことで、液体部分に苦みと炭酸を閉じ込められるそうです。

ああ、これはうまい。

クリーミーな泡と苦味あるビールのコントラストが感じられて、シャープで飲みやすいのにビール飲んでやったぜという心地よさがあります。

②1度注ぎ

1度注ぎは、昭和のサーバーで一気に注ぎます。

昭和のサーバーは、ビールの出てくる勢いが強く、水道の蛇口から出てくる水をグラスに入れるかのような注ぎ方。

泡がシュワシュワっとしてます。

写真の上が「麦酒大学注ぎ」の泡、下が「1度注ぎ」の泡。けっこう違うの、分かりますかね?

飲む時に泡が上唇に当たるじゃないですか。あれが、麦酒大学注ぎとは違って炭酸のパチパチした感じがするんです。

多くの人が思う「ビール」って、この注ぎ方、この味なんじゃないかな。

すでに見た目以上に、味が全然違う。

③2度注ぎ

2度注ぎは、1度注ぎの「液体部分と泡部分の境界」付近にサーバーの先端をセットし、

クリーミーな泡を上に持ち上げながら注いでいきます。これで、1度注ぎの泡を逃がしているんだとか。

おお!シュワシュワの泡から、きめ細かい泡に変わりました!

2度注ぎのビールを飲んでみると、1度注ぎのシュワシュワな泡を、柔らかい泡に置き換えた感じ。

泡とビールの境目を感じることなく、スルスルっと飲めちゃいます。

泡の質感を変えただけで、全く別のビールに感じてしまうのが面白いです。

④3度注ぎ

注ぐ位置が高い。

ビールを落下させるように注いでいくことで、グラスのなかは泡だらけに。

この泡が収まったら、同様に注ぎ入れていきます。

3度注ぐまでに5分ほど使い、目一杯の泡が立ったビールが完成します。

3度注ぎは、泡を立てることでビールの苦みが泡に移ることに加え、注ぐ時間がかかるうちにビールの温度が上がり、麦本来の持つマイルドな甘みや旨みを感じられるようになるそうです。

3度注ぎをゴクゴク。

液体が甘みと旨み、泡が苦みをもっていて、これまでと対照的なのが面白い!

顔をまっすぐにして(正面を向き)、グラスだけを傾けるように液体を飲むと、思わず「甘っ」と声を出しそうになったほど。そして、泡は本当に苦い!

注ぐのに5分ほどかかりますので、お店を訪れた際の1杯目に注文するには向いていないかも。

⑤ミルコ

ほぼ泡・・・!

グラスのほとんどを泡で埋め尽くすミルコは、チェコでのビールの飲み方のひとつだそうです。

昭和のサーバーを使うミルコは、サーバーから直接泡を注ぐんですね。

見た目も真っ白で驚きますが、味わいも面白いんです。

牛乳を飲むようにゴクゴクと飲んでみると、ミルクを思わせるようなコクを本当に感じるんですよ!

これがキリンラガーだって、一瞬忘れかけました。それほどまでに飲み慣れたキリンラガーの味とは違います。

ミルコは時間が経つにつれ、泡の部分が液体に戻ります。これは3度注ぎと同じ原理で作る甘めなビールのため、飲みやすく、味・見た目ともに女性に人気があるようです。

⑥大澤注ぎ

なぜこれだけ人名?と気になったのが「大澤注ぎ」。

「オープン時、毎日のように飲みに来てくれる大澤さんという方がいたんです。大澤さんはビールの苦みが好きじゃなかったので、彼に美味しく飲んでもらえるように作りました」(山本さん)

途中までは3度注ぎと同じように作り、3度注ぎでできあがった苦味の強い泡だけ、①の麦酒大学注ぎの泡に置き換える。そうすると、苦みが限界までなくなったビールが完成するんだとか。

いやあ、これは甘くて泡もソフトで、自分の知る限りもっとも柔らかいビールです。苦みが全然ありません。

6種類全部がキリンラガーなんて、まったくもって信じられません!

麦酒大学はビール好きの楽園!

誇張でも比喩でもなく、ビールの常識が覆されました。

1つの銘柄のビールとは思えない味わいの変化を楽しみ、大学の名物教授のような店主さんの講義を肴にビールを飲む。

麦酒大学はビール好きの楽園。最高のひとときをお約束します!
 

ライター紹介

奥野大児
奥野大児
ブロガー・フリーライター。250人ほどが集まる日本最大級のブロガーイベント「ブロガーズフェスティバル」の実行委員長。ライティングはIoTやクラウドサービスの関連記事から食レポ・階段まで様々。趣味は愛好歴35年にもなる将棋でアマ三段。特技は初めていった居酒屋さんで常連のような扱いを受けること。
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