毎日仕事に追われている社会人の皆さん、お疲れ様です。突然ですが、ビールは好きですか?
僕は大好きです…!毎日ビールを飲むために仕事をしているようなもんです。
ビールって、最高じゃないですか!太るとわかっていても「とりあえずビール」しちゃうんですよね…。
ライター紹介
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岡田隆太郎
- カメラマン→雑誌の編集→PRを経てRettyグルメニュース編集部へ転身。 好きな食べ物はナスの揚げ浸し。基本毎日飲んでます。
とは言え、僕はビールだけでなくお酒全般が好きです。深掘りこそあまりしませんが、嫌いなお酒も特にありません。
飲みやすいという理由から、レモンサワーもよく飲みます。思い返してみると居酒屋に行ったら必ずレモンサワーは頼んでいる気がしますね。
でも「レモンサワーってこんな感じだよね」ってイメージありきで頼んでいたし、こだわりがあってレモンサワーを飲んでいる訳でもなく、単なる選択肢の1つでしかありませんでした。
そう、彼と出会うまでは。
彼はレモンザムライこと鈴木慶洋さん。みんなからは「よしくん」とか呼ばれてるらしいッス。(なんとなくあだ名が可愛いから愛されキャラなのかなと妄想が膨らみますね)
純粋な興味が半分、「胡散臭そうだな」が半分。正直そう思っていました。
ただ、彼に会ったことをきっかけに僕は、レモンサワーに対する価値観が180度変わったんです。
まずは彼との馴れ初めから話し始めることにしましょう。
やってきたのは自由が丘。都内有数のベッドタウンとして人気のこの街に、憧れを持つ人も多いはず。
平日の昼間でさえ駅前はこの人だかり。休日ともなると人でゴッタ返すんですよね。
個人的にはわざわざ渋谷まで行き、そこから地下深くにある東横線を乗り継いでまで訪れる価値を見い出せていないんですが、「上品」さを求める麗しいレディなんかは好きなんでしょうね〜。
おっと、脱線しました。でも、なんで自由が丘に呼ばれたんだろう…。
待ち合わせ場所に指定されたのは『ナンリ亭』というお店。駅から5分ほど歩いたところにある隠れ家的な居酒屋さんです。
ーーーこんにちは〜。
あ〜はいはい。彼ね、確かにサムライっぽいわ。和服着てるし、なんとなくこう、時代劇とか似合いそうだし。
ーーーあの、レモンザムライさんですか?
「あ、こんにちは。僕がレモンザムライです!」
ーーー(そっちか〜!)今日はよろしくお願いします。
「よろしくお願いします。まぁまず何か飲みましょう。レモンサワーでいいですか?」
ーーーはい。是非オススメを。
「自由が丘=昼の街」をレモンサワーで変えたい
「今日は、遠いところをありがとうございます。自由が丘ってよく来られますか?」
ーーーいえ、ほとんど来ないですね。
「ですよね。岡田さんもお酒が好きって聞きましたけど、やっぱりこの辺りで飲むってなると、どうしても中目黒や学大(学芸大学)に行きがち。自由が丘って"昼に活気がある"というイメージというか」
ーーー確かに!自由が丘で飲む、ってイメージがあまりないです。
「1軒目は予約して行くけど2軒目を探すのが難しい、なんてこともよく言われます。自由が丘のお店って路面店が少ない。ちょっと入り組んだところにあったり、穴場っぽいお店が多いんです」
ーーーこのナンリ亭さんも知ってないと分からないような場所にありますもんね。そう言えば、鈴木さんはいつからレモンザムライと名乗ってるんですか?
「キッカケは大したことないんです。単純にレモンサワーが好きだったからよく飲んでたんですけど、先輩に『どうせ好きならレモンザムライって名乗って極めてみたら?』って言われたのが始まりです」
ーーー笑。めっちゃ軽いノリだったんですね。
「なんかピタっとハマった感じがして、すぐ名乗り始めました。一般的にレモンって"何かの付け合わせ"的なイメージがあるじゃないですか?レモンがメインの商材ってなんだろう?って考えたらレモンサワーだ!ってなったんです」
ーーー焼き鳥とかの端っこにチョンって乗ってるやつ!確かに付け合わせ感あるかも。
「それからというもの、レモンサワーの情報を求めて色々調べたりしたんですが、意外とニッチな情報が出てこなかったんです。だからSNS発信で"東京レモンサワー部"というコミュニティを作り、情報交換するところから始めました!」
ーーーなるほど!好きな人同士がSNSを通して集まるのって、今っぽいですね。
「いろんなお店のレモンサワーを飲んで回っていると、自由が丘のお店にはこだわったレモンサワーがたくさんあることに気づいたんです。それもたくさん!
現在は、自由が丘のレモンサワーマップを製作しています!僕は、レモンサワーを通して、自由が丘という街のイメージを変えたいと思っているんですよね」
ーーーでも、レモンサワーザムライではなく、レモンザムライですよね?
「そうです。レモンザムライと名乗るからには、レモンそのものを普及させていることを証明しないといけない。だから、僕は自分がコレだ!と思った"瀬戸田レモン"というブランドの認知度をアップさせるべく、飲食店に卸しているんです」
ーーーレモンを卸す?具体的にお伺いしてもいいですか?
「このナンリ亭さんにも、実は瀬戸田レモンを扱っていただいていて。僕が実際に飲んだレモンサワーの中で、特においしかったお店にはその場で扱ってもらえないか交渉しているんです」
ーーーレモンサワー部ではすごく今っぽい活動をしているのに、直談判とは古風な手法ですね。
「はい。やはり自分の言葉でアピールしないと、良さは伝わらないと考えています。SNSやネット販売が主流だからこそ、人同士が面と向かってやりとりするのは重要だと思うんですよね」
ーーーあくまでレモンサワー部やレモンサワーマップなどの活動は、一部に過ぎない?
「そうですね。レモンを主役だと感じられるのは何かと考えたときに、出した答えが僕の場合はレモンサワーだった。あと、"乾杯のビール"ってのもあまり好きじゃなくて。
『とりあえずレモンサワー!レモンサワーじゃない人は個別で』とかの方が平和じゃないですか?ビールとレモンサワーならビールを苦手な人の方が確実に多いし」
ーーーまぁ、僕は最初の一杯はビール飲んじゃうんで、ちょっとなんとも言えないですけど(汗)
「あと、瓶ビールのくだりもめんどくさいじゃないですか!なんとなく最初に瓶ビールを頼んじゃうとそのあとも瓶ビールをおかわりする、みたいな流れになるし!好きなやつ頼めた方がハッピーだと思うんですよね!」
ーーーあ、圧が…。でも、言いたいことはよくわかります!
「ナンリ亭さんには常時8種類の創作レモンサワーがあるんです!しかも結構な頻度でメニューが変わるんです。オーナーがアイデアおばけなんですよね。本人曰く『エキセントリックと呼べ』、らしいですけど(笑)
レモンサワーって飲み比べてみると違いがよくわかるんです!中でもナンリ亭の特製レモンサワーはかなりオススメです。レモンサワーってこんなにおいしいんだ!ってなること間違いなしなんですよね」
ーーー確かに、いわゆるレモンサワーよりもお酒っぽくて、お酒が好きな人は特にハマるおいしさですね!これなら一杯目もアリかも!
「レモンサワーって定義が緩いので、お店の色が出しやすいんです。一時期ブームになったレモンサワーが今も飽きられていないのは、それぞれの色を出せているからだと考えています」
一ーー単なるブームで終わらず定着するかは、幅広い層にリーチできるかがポイントなのかもしれませんね。
「もう一軒、紹介したいお店があるんで今から行きませんか?」
ーーーぜひ行きましょ!
- ナンリ亭
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東京都 目黒区 自由が丘
居酒屋
ーーーにしても、夜は本当に人通りが少ないですね。
「平日だけでなく、土日もこれくらいの過疎具合です(笑)」
ーーー人気の街なのに、やっぱりお店が分かりやすい場所にあるかどうかって重要なんですね。レモンサワーの街として盛り上げてくださいね、ホント!
「もちろん、任せてください!さぁ、着きましたよ」
ーーーえ、もう?5分も歩いてないけど?
「ここはカフェなので、昼もよく利用します。ウスバネで是非飲んでほしいのは"コーヒーレモンサワー"かな!」
ーーーコーヒーレモンサワー…?
「ふふふ」(不敵な笑み)
ーーーコーヒーとレモンサワーってそれぞれなんとなく味のイメージはつきますけど、その2つを合わせたらどうなるか、って考えると意外と分からないです。
そんな僕の気持ちはお構いなしに、どんどん作業は進み。
マシーンから抽出したエスプレッソと瀬戸田レモン(ここでもでてきた!)のジュレで作っていきます。
「どれどれ」
「あ〜おいしい」
「相変わらずおいしいですね」
ーーーコラコラ!置いてきぼりになってる岡田が1名ここにいますけど?
「すみません、つい。さっき岡田さんもご自身でおっしゃってましたけど、コーヒーとレモンサワーってなんとなく両者に味のイメージがありますよね。人って知っているもの同士なら、それを掛けあわせた味をなんとなく想像できるんですって」
ーーーすいません。味を想像できなかった岡田が1名ここにいます。
「その想像を超える味が体験できたとき、人は感動する。そして感動は口コミに繋がるんです!」
ーーーなんかカッコイイ…。
「しかも、これだとレモンサワーだけじゃなくてコーヒー好きの層にも認知してもらいやすいので、ジャンルの垣根を超えて盛り上がっていけると思うんですよ」
ーーー会った時から思ってましたけど、鈴木さんって博愛な感じがしますよね。いい意味で人たらしというか。
「バレちゃいましたか。そもそも僕、レモン評論家になりたいわけじゃないんです。あくまでレモンの素晴らしさを伝えたいだけというか。
僕はよく国産レモンの良さをSNSで発信しているんですが、別に外国産レモンを否定したくてやっているわけじゃない。一部を否定していたら全体の母数を増やしていくことはできないですしね。
国産のレモンはコクや甘みが特徴ですが、外国産は酸味が特徴的なものが多く、どちらにも良さがあるし、きっちり下処理を行えば外国産のレモンでもおいしいレモンサワーが作れたりする。その事実を知ってほしいのが一番ですね」
ーーーレモンサワーに対する知見が増えれば、消費者側と生産者側で相乗効果が生まれそうですね。
「そのためにレモンサワースタンドというイベントを月に1回やってるんです!今度来てくださいよ」
ーーーおす!行くっす!
- usubane
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東京都 目黒区 自由が丘
カフェ
月1で開催!レモンザムライによるレモンサワースタンド
ってことで再びやって来ましたよ、自由が丘!
いや〜やっぱり遠いですね。しかもこの日は雨が降ってくるという…最悪のコンディション。本当に人は集まるのかな?
とりあえず外観を撮影し、一旦この場を後に。
少し時間を潰して向かったのが19時40分(19時スタートって聞いていたけど、果たしてどうなんだろう)。
全体はこんな感じ。歩くスペースがない!ってほどではないにせよ、開始40分でほぼ満席でした。
スコスコレモンサワー@『レモンザムライ』
ウォッカ+ソーダ+瀬戸田レモンで作るシンプルなレモンサワー!瀬戸田レモンのおいしさをダイレクトに感じられ、他のレモンサワーとの比較にピッタリなので1杯目にオススメ。
粋酔(スイスイ)レモンサワー@『サクラバル 』
ジャパニーズスピリッツ『TUMUGI』と、瀬戸田レモンの相性が抜群。名前の通り、スイスイ飲めてしまう完成された味わい。ソニックで割っているのもこだわりの1つ。
スパイスレモンサワー@『大衆串酒場 歩』
シナモン、スターアニスなどを漬け込んだ、スパイシーなレモンサワー。仕上げのコショウがピリッと大人な味でハマる人が続出しています。
コーヒーレモンサワー@『USUBANE(ウスバネ)』
瀬戸田レモンジュレとエスプレッソで作る個性的なレモンサワー。ジュレの甘みと酸味、エスプレッソのコクと酸味が絶妙にマッチしており、レモンサワーの概念が変わります。
ナンリ亭特製レモンサワー@『ナンリ亭』
吊るし技法による製造方法で香り、コク、バランス全てがパーフェクト。オリジナルシロップがアクセントになっており、飲みやすいのに気づけば酔っている魅惑のレモンサワー。
「あ、岡田さん!こんばんは〜」
ーーー雨なのに大盛況じゃないですか!
「ありがとうございます。とりあえず飲みますか?」
ーーー是非!スパイスレモンサワーが気になります!メニューは全部鈴木さんが考案している訳ではないんですね。
「そうなんですよ。元々は自分で5,6種類くらい作って出していたんですが、それで喜んでもらっても意味ないな、と。自分がおいしいと思ったお店のレモンサワーを買い付けて、それを出しています。
このレモンサワースタンドをキッカケに、そのお店に行ってもらうところがゴールですからね。そうすることでレモンサワーの街として、自由が丘の認知度が上がっていくと考えています」
ーーー出た!博愛主義(笑)
「このイベントはあくまで入り口。やっぱりお店で、そのお店の空気とかも含めて楽しんでもらいたいし、自分でもどんどん深掘りしていってもらいたいんです。みんなでレモンサワーの情報をシェアし合って盛り上げていこう!的な。
僕一人の力で何かを成し遂げるのって無理なんです。今もいろんなお店のレモンサワーをこうやって買い付けさせてもらってるからこそ、イベントを開催できているわけでもありますし」
ーーー相変わらず人たらしですね〜。
「今はこのサクラバルで月1開催ですけど、3月2日に六本木でもイベントをやるんです!三茶でやることも決まっていて」
ーーーついに出張とは、やりましたね!
「レモンサワースタンドは今回で7回目なんですが、少しずつ認知度が上がってきているのかな?って。まだまだ自分の周りの人しか巻き込めていないので、どんどん色んな人を巻き込んでいきたいですね」
ーーーなんにせよ、これからですね。僕も応援してます。
「ありがとうございます。今日は奢るんでじゃんじゃん飲みましょう!次はナンリ亭のレモンサワーでいいですか?」
ーーーあ、ちょっとだけ写真を…。
「もう仕事はいいじゃないですか。みんなにも紹介しますよ」
ーーーあ、僕人見知りなんで…。
- サクラバル
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東京都 目黒区 自由が丘
バー
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帰路についたのは23時ちょっと前。雨はすっかり上がっていました。
さっきまで周りにはあんなに人がいたのに、それがウソのよう。
ふと、花金のこの時間帯に渋谷なら…って想像をしてみたり。改めて人が集まる街ってすごいなぁ、と考えたり。
もちろん渋谷を目指しているわけではないけれど、「自由が丘といえばレモンサワーの街」になるのはまだまだ先で、険しい道のりなのかもしれないなぁ、なんてボンヤリ。
だけどレモンザムライは信じた道を進み、誰も通ったことのない道を自分で切り開いていく。
「とりあえずビール」から「とりあえずレモンサワー」に!
いつか、そんな彼の背中を追って、同じ道を歩む者がきっと現れることでしょう。
彼の戦いは、まだ始まったばかりです。
とりあえず今日から「よしくん」って呼んでみようかな。