• Top
  • 厳選まとめ
  • 民族の数だけ味がある!500を超える民族がいる「インドネシア料理」の面白さを教えます!

民族の数だけ味がある!500を超える民族がいる「インドネシア料理」の面白さを教えます!

民族の数は約500!多様すぎるインドネシアの食文化

突然ですが、「インドネシア料理」って食べたことありますか?

あまり知らない人が多いのではないでしょうか?

インドネシア料理についてよく知っている人でも、

こんなところでしょうか?

インドネシア料理は言葉の響きから「インド料理」と近そうですが、スパイスこそ使うものの、料理は全く別物です。

インドネシアは17,000を超える島国から成る共和国。この島々のうち、約9,000の島々に人が暮らし、その民族の数は約500!とも言われています。

インドネシアでは憲法で「信仰の自由」が認められており、87%がイスラム教、11%がキリスト教、そして仏教、ヒンドゥー教と宗教も実に様々。

それだけに生活文化も多種多様。島が変われば、気候風土はもちろん、文化や生活習慣も異なります。言語だって公式HPによれば583種以上にもなるとか。

それだけに、食文化も非常に面白く、興味深いのです!

インドやタイ、韓国あたりに比べると、まだまだ日本人には認知されていないインドネシア料理ですが、そんなインドネシアの「食」に魅せられた私、ライターの坂口が奥深いインドネシア料理の世界についてご紹介していきます。

ちなみに、私がインドネシア料理と出会ったのは、駆け出しライターだった頃のこと。

いくつかのエスニック料理店を取材をしていた中の1軒が、インドネシア料理店でした。初めてインドネシア料理を食べた感想は、「衝撃的に口に合わない」でした。

二度と食べることはないと思っていた料理が、なぜ私の舌をロック・オンしたのか。

それは口に合う島の料理と、合わない島の料理があるからだと、後になって気づいたからです。

なぜ、そんなにも島によって料理の味が違うのか。まずは、インドネシアの地域性から見ていきましょう。

エリアによって、これだけ違う!主要4エリアを解説

冒頭で、インドネシアは約500を超える民族から成る国だとお伝えしましたが、それはそのまま料理の世界にも反映されています。

今回ご紹介するのは、数あるインドネシア料理の中でも割と知られており、特徴が出ている、バリ・ジャワ・スマトラ・スラウェシの4島の食文化。

その中でも、エリアによって料理の味付けや使う食材などに違いがあるので、それぞれの島で有名な料理と味の特徴(辛さの度合い)をざっとあげてみます。

バリ島

世界的に有名なリゾート地として知られるバリ島。ジャワ島の東側に位置し、インドネシアの中でもいちばん聞き馴染みのある場所です。「バリ」が1つの国であると誤解している日本人旅行者もいました。

バリ料理の特徴は、辛さと豚肉を食べるところ。

インドネシアで人口の87%をイスラム教が占めるなか、バリ島は「バリ・ヒンドゥー」という独特の宗教観を持つ島として知られています。(現在は他島からの移民も増え、クリスチャンやイスラムの人も多く暮らしています)そのため、バリの人は豚肉を食べる文化があります。

お祝いごとがあった日に作る料理で、子豚を8時間かけて焼き上げる「バビ・グリン」(子豚の丸焼き)や、豚のひき肉と野菜、ココナッツフレークに香辛料を加えて和えた「ラワール」などは伝統料理として有名。

インドネシア料理では多く使われているベーススパイスとなるニンニク、ショウガ、唐辛子の他に、バリ料理ではバワンメラ(赤小玉ねぎ)、ターメリック、種類の異なるショウガ(クンチュール・ラオスなど)が使われているのが特徴です。

その昔、バリ島に行ったときのこと。草むらでおばちゃんがやっていた屋台で食べたお粥でさえ、一口食べて口から火を吹く辛さでした。

ガドガド

ガドガド

辛さの緩和を求めて食べたガドガド(ゆで野菜のピーナッツソースかけサラダ)もすごく辛くて、しばらくは唇が腫れてるような感覚になったことを思い出します。

ジャワ島

首都がジャカルタから別の島に移るという噂も新しいジャワ島。「ジャカルタ」や、野菜が豊富に採れる高原地帯の「スンダ」があるのが西ジャワ。

インドネシアの古都、日本でいう京都のような場所「ジョグジャカルタ」や、有名大学が集まる街 「スマラン」があるのが中部ジャワ。

そして、貿易の街として栄えた「スラバヤ」があるのが東ジャワ。

などなど、ジャワ島には、特徴的な都市が点在しています。

ジャワ島はそのほとんどがイスラム教なので、ほとんどがハラルフード。肉は宗教上の理由もあり鶏肉やヤギの肉、そして野菜を使った料理が多めです。

ジョグジャカルタの名物、ココナッツミルクで炊き上げたご飯に数種のおかずをのせた「ナシ・ウドゥッ」や、

ナシ・ウドゥッ

ナシ・ウドゥッ

ピーナッツソース、サンバル、ケチャップマニス(甘い醤油のような調味料)のソースで味わう「サテ」(インドネシアの焼鳥)が代表的な料理です。

地域によって味の趣向が異なりますが、ベースのスパイスの他、パームシュガーやココナッツミルク、パンダンリーフ、レモングラスが多く使われています。

こちらのサテは、中国のウイグルから伝わったのではないかという説もあります。

スマトラ島

島を赤道がまたいでおり、スマトラタイガーやコーヒーなどでも知られる、メダンを代表都市とするスマトラ島。

スマトラ島もまた、イスラム教の人がほとんどで、その次にプロテスタント、カトリック、ヒンドゥーと続きます。

牛肉をココナッツミルクで3〜4時間コトコト煮込んで作る「ルンダン」が名物料理です。

テーブルに運ばれてくる多様なおかずの中から食べたいものだけを食べ、その分のお金を支払う「パダン料理」も有名。

スマトラでは、野菜よりも肉や魚を使ったカレーやサンバルを使った料理が多め。

インドネシアのカレーは、インドや中東のそれとは異なり、ココナッツミルクを使ったサラっとしたスープタイプなのが特徴です。

ルンダンやカレーなど、煮込み料理が多いと、使うスパイスも多種に。ちなみに、ルンダンにはベーススパイスの他に、ココナツミルク、ターメリック、スターアニス、カルダモン、シナモン、サラムリーフなどが多く使われています。

スラウェシ島

スマトラと同様に島を赤道がまたいでおり、トラジャコーヒーで知られるスラウェシ島。代表都市はマカッサルです。

昔からスパイスなどの交易によって発展したと言われています。特に、北スラウェシの「マナド」は、その拠点とされる港町。

その昔、日本人が持ち込んだ漁業を基礎に発展したバックグラウンドもあってか、カツオやマグロ、サバなどを使ったシーフード料理や、野菜たっぷりの「ティヌ・トゥアン」というブブール(お粥)が人気です。

一方、南スラウェシの「マカッサル」でもカニやエビなどのシーフードを食べるのですが、マカッサルで最も有名な料理といえば「チョト・マカッサル」と言われる内臓入りの牛肉スープ。

スパイスは、バワンメラ(赤小玉ねぎ)、クローブ、ココナツミルク、レモングラス、ラオス(ショウガ)、ライムリーフ、チャイニーズセロリなどが多く使われています。

ピーナッツがベースの濃厚なスープで癖になる味わいです。

スラウェシ島の料理は、全般的にとても辛いので、辛い料理が苦手な方は避けたほうが良いかもしれません。(日本で食べる場合は調整されているのでご安心を)

こうして主要4エリアを見ると、島の風土・気候によって食材や使うスパイスの種類、辛さがずいぶんと異なることがわかってきます。煮込みなど手の込んだ料理には5種以上のスパイスが使われていることもザラ。このスパイスの多種使いが、奥深い味わいとおいしさの秘訣なのです。

インドネシアはインドと言葉の響きが近いせいか、「辛い料理」というイメージを持たれがちですが、もともとの料理のベースが中国料理ということもあり、辛くない料理もたくさんあります。

スパイスの使い方が特徴的なインドネシア料理。「スパイス=辛い」ではないということをみなさんには知っていただきたいです。

さぁ、味めぐりの旅に出よう!東京で味わえるインドネシア料理

さて。インドネシア料理のことが何となくおわかりいただけたでしょうか? 

料理のことが分かったら、今度は実際にテイスティングに行ってみましょう!

が、免疫もなく、いきなり本格的なのは…というのが不安な方のために、初心者が抑えておくべき都内のインドネシア料理店でおすすめの4店舗をご紹介します。

まずは、このあたりから体感すると楽しいですよ。

1.Bli Made(外苑前)〜バリ編〜

お店の特徴

バリをメインにしたインドネシア料理が楽しめる「Bli Made(ブリ・マデ)」。

現地で買い付けた調度品たちに囲まれた空間に、思わずバリ島にいるような気分に。料理は本場の味に忠実に作られており、料理に辛さや旨味を加えてくれる調味料「サンバル」や「ソース」などもすべて自家製です。

サンバル・マタ

サンバル・マタ

特に、生の食材を使い、さっぱりしながら辛さの強い調味料「サンバル・マタ」なども備えてあるので、辛いものが大丈夫なら、ぜひ試してみてください。(※サンバル・マタは有料)

味わっておきたいオススメの逸品

ナシゴレンやミーゴレン、サテといった基本の料理もありますが、バリはバリ・ヒンドゥーの島なので、豚肉料理がやはりおすすめです。

辛さのパンチが効いた料理もありますが、「ラワール」(豚肉とインゲンのココナッツ和え)や、バビケチャップ(バリ風豚の角煮)など、豚肉を使用した料理はバリならではの一品なので、ぜひともチャレンジを。

2.Cabe目黒店〜ジャワ編〜

お店の特徴

店名の「Cabe(チャベ)」とは“唐辛子”のこと。

調度品が店内のあちこちにあり、インドネシアの文化を感じさせる店内が魅力的。お祝い事のあったときのご馳走料理から素朴な家庭料理、現地を思い出させる屋台の味まで、幅広い料理が味わえます。

チャベの味を守り続けてきたのは、ジャワ人のイブ・スタミさん。目黒は、インドネシア大使館やインドネシア学校からも近く、現地の有名人も訪れるなど、インドネシア人に愛されています。

お客が全員インドネシア人という異国情緒にあふれた、ホームレストラン。ハラルやベジタリアン対応で、イスラム圏の方も安心して食事ができるのも貴重です。

味わっておきたいオススメの逸品

初めて訪れるなら、色々な味を楽しめる「ナシチャンプル」(ランチ)がおすすめ。

単品注文であれば、インドネシア大使館の方々にも人気がある「テンペムンドゥアン」(テンペの天ぷら)、「トンセンカンビン」(ヤギと野菜のピリ辛カレー)、「アヤムペニェッ」(チキンを叩き潰して激辛ソースで仕上げた料理)の3品がイチオシ。

テンペムンドゥアン

テンペムンドゥアン

トンセンカンビン

トンセンカンビン

アヤムペニェッ

アヤムペニェッ

友達とシェアをしながら、現地気分でこうした料理を食べてみると楽しいでしょう。

3.Merah Putih(メラプティ)〜スマトラ編〜

お店の特徴

エスニック天国の新大久保にある、知る人ぞ知る名店「Merah Putih(メラプティ)」。

雑居ビルの3階にあり、「スナックを改装したのだろうか?」と思しき店内の雰囲気が、実にインドネシア感満載。

見ための怪しさはあるものの、料理を作ってくれるイブの腕前は確か。スマトラを代表する肉料理で、5時間もかけて牛肉を煮込む「ルンダン」や、「パダン料理」を味わうことができます。

近くにはインドネシアの食材が買えるお店もあるので、食後に立ち寄り、ソースやインスタントクッキングの素などを仕入れて試してみては?

味わってきたいオススメの逸品

辛いのが特徴のパダン料理では、スパイスが効いたカレーがおすすめ。カレーをかけたご飯のまわりに、名物の「ルンダン」(牛肉のココナッツミルク煮)や「グライトゥルール」(卵のカレー パダンスタイル)をのせた「ナシチャンプルパダン」なら、いろいろな味を一度に楽しむことができます。

ナシチャンプルパダン

ナシチャンプルパダン

ランチで登場する「ヤギのカレー」も人気です。

ヤギのカレー

ヤギのカレー

4. Surabaya お台場店〜スラウェシ編〜

お店の特徴

そして最後にご紹介するのは「Surabaya(スラバヤ) お台場店」。スタッフのコスチュームや家具・備品などはすべて現地調達によるもの。

こちらもチャベと同様に、インドネシア全土の様々な料理が味わえる大型レストランとして知られています。

商業施設のレストランフロアに入っているので、行きやすいのも魅力。辛い料理が多いスラウェシですが、こちらはファミリーも多いため、食べやすいように味のカスタマイズをしてくれています。

味わっておきたいオススメの逸品

唐辛子にトマトなどを混ぜた「ダブダブソース」をかけた魚料理「イカンダブダブ」(魚のから揚げダブダブソース)はぜひ味わっていただきたい逸品。

他にも茹でたエビをスパイシーなブラードソースに絡めた「ウダンブラード」、同じくエビたっぷりのココナッツミルクで煮込んだ「ウダンゴレン」などもオススメです。

ただし、辛いものがあまり得意でない方は、辛さの調節交渉をすることを忘れずに。

まずは、エリアごとの特徴に思いを馳せながらの味巡りを推奨します!

ぜひグループで行ってシェアをしながら、いろいろな味を楽しんでいただければと思います。

インドネシア料理を丸ごと味わい尽くそう!

今回、こちらでご紹介したのは、インドネシア料理の「ほんの一部」にすぎません。

まだまだご紹介できていない、未知なる味わいの料理もいっぱいあるのですが、まずはインドネシア料理の入口に立っていただき、その楽しさ・味わいの特徴を知っていただく「基本のキ」をご紹介しました。

私がインドネシア料理に魅せられた理由は「スパイスの使い方」

インドネシアでは、スパイスを料理にも、健康を守る薬にも、あるいは美を磨くためのエッセンスにも使います。

初めてインドネシアに行ったとき、その「スパイス使い」を知り、感動したところからどっぷりとハマったのです。そして興味を持ち始めたのがインドネシア料理でした。

インドネシアは17,000もの島からなる共和国なので、地域によって文化や宗教観も大きく異なりますが、特にそれが顕著に出ているのが料理。

使用する食材や味の傾向にまでハッキリと違いが出るため、料理と地域性を紐づけて味わうようにすると、その料理が生まれた背景にある風土・気候・歴史などが垣間見えます。

実際に現地を巡って料理を堪能しようとすると壮大な旅になりますが、日本ではそうしたいくつもの島で食べられている料理の数々を、数カ所のレストラン巡りで現地さながらに体験できますよ。

気になる料理、もしくはお店があったら、ぜひ足を運んでいただき、多岐にわたるインドネシアの食文化を五感で体感していただければと思います。

それでは、また。

ライター紹介

坂口あや
坂口あや
株式会社grooo編集長。大手百貨店のハウスエージェント、制作会社を経て「書く」を軸に仕事をするライター・編集者。得意ジャンルの食では国内外をまたにかけてコンテンツを制作。中でもイドネシアのスパイス使いに魅せられ、その食文化と奥深い味わいの世界を探求。日本の食材で作るスパイス料理を研究している。インドネシアとシンガポールの食紀行著書2冊/スパイス&ハーブ検定2級。
最新の人気グルメ情報が届く!

イイねするだけ!
最新の人気グルメ情報が届く!