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あのB級グルメは今…ブームに惑わされない「本物の富士宮やきそば」を食べてわかったこと

B級グルメの祭典・B-1グランプリで、二度もグランプリを獲得したB級グルメの王様「富士宮やきそば」。

元々は、古くから富士宮市民に愛され続けてきた、この地域におけるオリジナルやきそばなのだが、今や日本全国にその名が知れ渡っている。

一時はたくさんのお店が乱立したものの、今は落ち着きを取り戻し、残ったのは地元の人が通い続ける名店だった。

ソースやトッピングは店によって違う

数年前、友人から家庭で作れる富士宮やきそばセットをもらって食べた際、そのうまさに衝撃を受けた。それ以来わたしは富士宮やきそばが大好きだ。

しかし、富士宮やきそばの定義とはなんなのか?一般的なやきそばとなにが違うのか?ハッキリとは答えられない。

「蒸し麺を肉かすで炒めたやきそば」くらいの認識しかないので、これを機に調べてみたのだが、富士宮やきそば学会が提唱する「富士宮やきそばの特徴 12箇条」によると、

1.市内にある4つの製麺業者の富士宮やきそば蒸し麺を使用している。

2.炒めるための油としては、ラードを用いる。(天然素材の植物油を使う店もある)

3.やきそばに加えるのが、ラードを絞った後の「肉かす」

…など、複数の条件があるようだ。

一方で、ソースの味や量、トッピングなどは各店に任せている。これまで何度か富士宮やきそばを食べたことはあるが、店によって味やトッピングが違うのはこのせいだったのか。

では、一時的なブームに惑わされない“本物の富士宮やきそば”とはなんなのだろう。富士宮市に足を運び、名店と呼ばれる3つの店を訪れた。

1店目:常に満席の大人気店「むめさん」

というわけで車を走らせやってきた。いい天気で富士山もきれい!

1店目に選んだのは、世界文化遺産にも登録されている白糸の滝からほど近い「むめさん」。

今回訪れる店は、すべて富士市出身の知人から勧めてもらった店だが、その中でも「むめさん」は特におすすめの店として最初に名前が挙がった。これは楽しみだ。

「むめさん」に到着!店内へ入ると、目の前にいきなり大きな鉄板が。

脇にはテーブル席もあるが、ほとんどのお客さんがカウンター形式?(と呼んでいいのかわからないが)でこの鉄板を囲んで料理を待っていた。

店員さんが目の前で焼いてくれるので、自然と気持ちも盛り上がる!

写真は富士宮やきそばではなく、お好み焼きを焼いている様子。

同時進行でいくつものお好み焼きを調理しているので、間違えないよう具材名を唱えながら手を動かしている店員さんがかわいかった。

次々とできあがっていくダイナミックなお好み焼きに見とれていると、ほどなくわたしの注文した富士宮やきそば(並)が運ばれてきた。

富士宮やきそばのメニューにはイカ・肉・桜エビなどさまざまな種類があるが、わたしが頼んだ(並)はキャベツと麺のみというシンプルなもの。

これが本当に(並)ですか?と疑いたくなるくらい大盛りの一品!ソースは酸味も少なく、子どもでも食べやすそうな王道の味。

正直、「具がキャベツだけだと物足りないかな…」と思いながら注文したが、むしろ食べきれず残りはテイクアウトすることになった。(蒸し麺がモチモチしているので、それもお腹にたまる要因か?)

食べきれなかった分をタッパーに詰めようと思いそう伝えると、やきそばが乗ったお皿を回収し、店員さん自身で詰めてくれた。

仕上げにかける粉まで再度振りかけてくれたのでお礼を言うと、「テイクアウトでもきれいに盛り付けておいしく食べてもらいたい」と、その想いを語ってくれた。

なんというプロ意識…!

そうして詰めてもらった富士宮やきそばは、帰宅後に晩ごはんとしておいしくいただいた。

「むめさん」では、富士宮やきそばがたっぷり詰まったやきそばパンも買える。

2店目:地元の人がひっきりなしに訪れる「おじまや」

2店目は住宅街の一角に立ち並ぶ「おじまや」。

訪れた時間が少し早かったせいか、外から見た感じはとても静かそう。

しかし店内に足を踏み入れると、店員さんが忙しそうに富士宮やきそばを焼いていた。

「お客さんもいないのになぜ…?」と思っていたが、すぐにその理由がわかった。

富士宮やきそば(並)を注文し、できあがりを待っていると、地元の人だと思われるお客さんが財布を片手に次々と来店。

みんな名前を告げては袋を受け取り、名前を告げては袋を受け取りを繰り返していた。どうやら事前に予約した商品を受け取りに来ている模様。

なるほど、地元の人たちはお弁当感覚で富士宮やきそばを注文し、家に持ち帰って食べているのか。

しかもすごいのが、受け渡される袋の大きさを見ていると、どれもかなりの注文数だということ。家で子どもからお年寄りまで、みんなで富士宮やきそばをほおばる姿が想像できた。

素敵な光景を想像していると、わたしの注文した富士宮やきそば(並)が運ばれてきた。

おじまやの富士宮やきそばも1店目のむめさん同様、キャベツと麺のみのメニュー。

少し酸味を感じる味付けだが、地元の人たちに愛される昔ながらの富士宮やきそばを楽しみたいという方にはピッタリだ。

(並)の値段は450円とかなり庶民的。

おでんも全て1つ60円という魅力的な値段だったので、普段なら値段を見てチョイスするところを、今回は躊躇なく牛スジを取った。

味が染みていて、とてもおいしい。優しい味に包まれて、幸せな気分になった。

3店目:最大限のおもてなしに感謝!!「うたちゃん」

3店目は細い路地に佇む「うたちゃん」。

立地や外観からして、一見さんはなんとなく入りにくい雰囲気を感じたが、それはとりこし苦労だったみたい。

入るとすぐ、明るく優しい表情のおばあちゃんが出てきて案内してくれた。店主のうたこさんだ。

この時はほかにお客さんもいなかったので、大きな鉄板を独り占め!

今回のテーマは富士宮やきそばだったので、ほかのメニューを食べる予定は元々なかったが、「富士宮やきそばのミックスと、お好み焼きのミックスで両方とも1つずつ注文した方がいい」という提案を受け、お好み焼きもいただくことにした。

「うたちゃん」の水は富士山の湧き水を使用。

近所に水汲み場があるので、そこで大きなペットボトルに水を詰めて持ち帰り、お客さんに提供しているとのこと。

うたこさんが苦労して運んでくれている分、おいしさも2倍…いや10倍以上に感じる!

大きな鉄板でお好み焼きと富士宮やきそばを作っているあいだにも、うたこさんは色んな話を聞かせてくれた。

手際よく調理しながら話を聞かせてくれるうたこさん

手際よく調理しながら話を聞かせてくれるうたこさん

昔は市内の製紙工場に勤めていた人たちが夜勤明けに「うたちゃん」へ立ち寄り、富士宮やきそばで一杯やって帰っていたこと。

富士宮やきそばがブームになる前のこと、ブーム真っ只中の時のこと、ブームが去った後のこと。

自分の兄弟や家族のこと。

あいだに2人ほどお友だちかご近所の方と思われる人が入ってきて、交通安全教室の話や病院の話をして数分しないうちに帰っていったが、その光景がまたのどかでとてもよかった。

話を聞いているうちにお好み焼き(ミックス)ができあがった。

通常のお好み焼き(ミックス)にはイカ、肉、桜エビなどが入っていて、これだけでも食べ応え満点なのだが、今回はさらにサービスで卵を付けてくれた。

人情を感じるサービスにグッとくる。

箸で割ると中から具がゴロンゴロン!

箸で割ると中から具がゴロンゴロン!

むめさん、おじまやは皿に盛りつけてもらって食べたが、うたちゃんは大きな鉄板から直接食べるスタイル。

一杯やりながら、ちみちみ食べても冷めないところがいい!

お好み焼きをペロリとたいらげると、次は富士宮やきそば(ミックス)が登場。こちらもお好み焼き同様イカ、肉、桜エビと、もちろんキャベツもたっぷり入っている。

仕上げに「だし粉」と呼ばれる、いわしの粉末と青のりを混ぜ合わせた粉をたーっぷりかけたら完成!

普段はどうしても青のりが気になってしまうが、この日は気にせず思いっきり楽しむことにした。

「うたちゃん」の富士宮やきそばは、甘みを感じる優しい味。桜エビの香ばしさが相まって、おやつでも楽しめそうだ。

「店によって味もだいぶ変わるんだな~」と思いながら食べていると、うたこさんがおこげのようなものを集めてくれた。

食べてみるとまたこれがうまいのなんの!

富士宮やきそばの旨みがギュッと凝縮されたスナック…とでも言おうか。

もんじゃ焼きとも違う、初めて食べた味で表現が難しい。おこげを提供してくれる店に行ったら、ぜひ味わってもらいたい。

大きなゆで落花生もおすすめ!あつあつ、ホックホクで最高だった。

まとめ

今回むめさん、おじまや、うたちゃんと合計3つの店を回ったが、富士宮やきそばの味、提供方法、店の雰囲気などどこも違って、色々な楽しみ方があるのだと実感した。

3店に共通して言えるのは、どこも一時的なブームに惑わされず、その店独自の味を守り続けていて、観光客のみならず地元・富士宮市民にも愛され続ける店だということだった。

ライター紹介

鈴木さくら
鈴木さくら
1988年静岡県生まれ・静岡県在住。平日制作会社に勤務しながら、土日にうまいものを探して食べ歩く生活を送っている。主な活動エリアは浜松市~静岡市のあいだ。好物は焼肉と浜名湖うなぎの白焼きだが、懐を顧みず食べに走るので給料日前はおのずと静かになる。
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