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100周年を迎えたキユーピーに話を聞きに行ったら、親を大切にしている超いい会社だった

病めるときも、健やかなるときも、それは、いつだって私のそばにいた。

たまには、よそに心移りしてしまうこともあったけれど、やっぱり戻ってくる。
 
 
……キユーピー マヨネーズの話である。
 
 
あの、赤い格子模様に愛くるしいキユーピーちゃんの、馴染み深いデザイン。常に我が家の冷蔵庫のドアポケットから覗くのがキユーピー マヨネーズだ。

そんな、日々お世話になっているマヨネーズを製造・販売しているキユーピー株式会社が、創業100周年を迎えたらしい。

1925年に日本で初めてマヨネーズの製造販売を開始して以来、業界トップシェアを誇るキユーピー。こんなに長い間、頂点に君臨し続けているの、すごくない!?

というわけで、日々のお礼も兼ねて広報さんを直撃。お話を聞いてみたら、「親を大切に」している、超いい会社だった。

▲お話を伺った、キユーピー株式会社広報・CSR本部の池田律子さん(左)、村居綾子さん(右)。

▲お話を伺った、キユーピー株式会社広報・CSR本部の池田律子さん(左)、村居綾子さん(右)。

キユーピーちゃんは赤ちゃんではない

──はじめまして。キユーピー マヨネーズをこよなく愛している、ライターの栗本です。キユーピーが創業100周年を迎えたと聞いて、お祝いにきました!

池田さん:ありがとうございます。ではこれを……スッ

──キユーピー100年の歩み! わかりやすいです。

1919年 食品工業株式会社(現・キユーピー株式会社)を創業
1925年 日本で初めてマヨネーズを製造・販売
1932年 「アヲハタ ママレード」発売、株式会社旗道園(現・アヲハタ株式会社)設立
1943年 「キユーピー マヨネーズ」の製造休止
1948年 「キユーピー マヨネーズ」の製造再開
1957年 キユーピー株式会社へ社名変更
1958年 ポリボトル容器入りマヨネーズ発売、日本で初めてドレッシングを製造・販売
1962年 「キユーピー3分クッキング」放送開始
〜年表から一部抜粋〜

──創始者の中島董一郎さんが、アメリカでマヨネーズに出会ったことが「キユーピー マヨネーズ」のはじまりなんですね。

村居さん:はい。その頃、日本人は小柄だったので、卵黄タイプで栄養価の高いマヨネーズを広めて、体格や健康を向上させたいという思いがあったようです。瓶詰めだったマヨネーズを見て、整髪料のポマードと間違われることもあったとか……。

──そうか、マヨネーズという存在自体知られていない時代だから……。

池田さん:おいしく、栄養のあるマヨネーズを生活必需品になるまで浸透させたいという思いがあって、これまでに24回値下げしているんですよ。

──今やすっかり家庭でお馴染みに。でも製造が休止されていた時期もあるんですね。

池田さん:1941年に太平洋戦争がはじまり、原料が手に入りにくくなったため、43年に製造を休止しました。戦後、安定した品質の原料が流通してから再開しますが、その後も良質な原料が入手できないときは製造を休止することもあったそうです。

──原料への強い信念を感じます。

池田さん:中島には「いい商品は、いい原料からしか生まれない」という強い信念がありました。戦後、闇市で原料を調達してでもマヨネーズを作ろうと言う人もいましたが、中島はそれを拒否したため、辞めていく従業員もいたそうです。

村居さん:このときの経験から、中島は「志を同じくする人と業を楽しんで悦びをともにする、そこに仕事のやりがいがある」という思いを強くしました。それが現在の「楽業偕悦(らくぎょうかいえつ)」というキユーピーグループの社是につながっています。

──ちなみに、キユーピーちゃんは、どうやって生まれたんですか?

村居さん:もともとアメリカで生まれたキャラクターです。うさぎちゃん、わんちゃんと同列で扱われているイメージですね。発売当初はマヨネーズが日本でほとんど知られていなかったので、当時人気だったキユーピーを採用しました。

──なるほど。うさぎや犬と並んで、赤ちゃんも普遍的なキャラクターですもんね。

池田さん:あっ、キユーピーは赤ちゃんではないです。

村居さん:ギリシャ神話に出てくる愛のキューピッドをイメージしていると聞いたことがあります。

──ああ、羽根が生えてますもんね。天使……。

池田さん:天使でもないです。

──ええと、そうすると、妖精みたいなイメージですかね?

村居さん:妖精が一番近いかもしれません。

池田さん:架空ですよね。ですからキユーピーには性別もないんですよ。

マヨネーズのCMなのに野菜メイン……その心は?

──「キユーピー マヨネーズ」のCMは、マヨネーズ自体が登場せずに、野菜がメインになっているものも多いような気がするのですが、なぜですか?

▲キユーピー マヨネーズCMギャラリーより

▲キユーピー マヨネーズCMギャラリーより

https://www.kewpie.co.jp/entertainment/cmgallery/mayo/mayo_70/

村居さん:日本にはそもそも生野菜を食べる文化がなかったんですよ。生野菜を食べる文化と一緒にマヨネーズを広めようという思いから、野菜を主役にしたCMを製作しています。

池田さん:マヨネーズ以外にも、弊社が日本で初めて作ったものがいくつかあるんですが、ドレッシングもその一つです。キユーピーでは、一貫して「野菜を食べよう」と応援し続けていますね。グループ会社ではパッケージサラダや、スーパーで売っているようなポテトサラダなども作っています。

──野菜をおいしく食べてもらうことをテーマに事業を展開されている。

池田さん:はい。あとは、「キユーピー マヨネーズ」は卵黄を使ってつくっています。使わない卵白や殻を他で活用できないか、という発想からタマゴ事業が生まれています。

村居さん:キユーピーグループだけで、年間42億個の卵を使っているんです。これは日本の10%を占める割合。日本は世界第2位の卵消費大国といわれています。

──すごい。ちなみに1位は?

村居さん:メキシコです。ちょっと意外ですよね。

池田さん:昔は「卵は1日1個まで」といわれていましたが、健康な方なら1個までに制限しなくてもいいそうです。卵は栄養が豊富なのですが、足りないのはビタミンCと食物繊維のみ。そこをサラダで補えば完璧なんですよ。キユーピーは、サラダとタマゴのリーディングカンパニーを目指しています。

キユーピーの強みは「感謝の心」

──マヨネーズを販売する競合はたくさん登場していると思うのですが、ずっと業界のトップを走り続けている秘訣って何でしょう。

村居さん:会社の理念に特徴が現れていると思います。先ほど出た「楽業偕悦」の他に、社訓は「道義を重んずること」「創意工夫に努めること」「親を大切にすること」なんです。

──「親を大切にする」という社訓が特徴的ですね。

村居さん:もちろん、親だけでなく、お世話になった周りの人への感謝の気持ちを忘れないようにしようということなんですが。

池田さん:創始者の中島が「感謝」を大切にしてきたこともあり、100周年のテーマも「感謝」です。

──親を大切にしているエピソードなど聞くことはありますか?

村居さん:会社が親を大切にしてくれているというのが、まず大きくて。

池田さん:半年に一度、親元にお中元とお歳暮として新商品や人気のある商品などが送られます。

──それはすごい! 親御さんの反応はいかがですか?

池田さん:会社にお礼のお手紙が届くこともあるそうですよ。昔は、上司が荷物を背負って、親元を訪問していたという話も聞いたことがあります。

──親を大切にしているし、会社自体がアットホームな感じ。

村居さん:食品を扱う者の心構えとして、「正直」「誠実」を守るように、諸先輩方から教わってきました。地味な会社なんですよ。

──地味でも超いい会社だ〜!

キユーピーが愛される理由がわかった気がする

なぜ心移りすることがあっても私がいつも「キユーピー マヨネーズ」に戻ってくるのか……それが今回、なんとなくわかったような気がする。

創業100周年で、みんなに愛され続けるキユーピーと、キユーピー マヨネーズ。

卵黄タイプだから卵の味が濃いとか、食卓の変化に応じて味をマイナーチェンジし続けているとか、いろいろと工夫されているというお話もあったけれど、普遍的な価値観を大切にしているキユーピーの理念が、商品にも現れているように思えた。

ちなみに、「私の子どもも将来キユーピーに就職したら、新商品がもらえるのか〜」とゲスな考えが頭をよぎったのは、ここだけの秘密にしてほしい。

ライター紹介

栗本千尋
栗本千尋
1986年生まれ。青森県八戸市出身、杉並区在住のフリーライター/エディター。3人兄弟の真ん中、2児の母。好きなものは金曜のビールと日曜のワイン。
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