わさびはおかずになるのか?

関西には、だし巻き卵を主菜とした「だし巻き卵定食」なるものがあるらしい。

静岡出身のわたしは、どちらかというと関東寄りの文化を踏襲しているため、だし巻き卵は主菜ではなく副菜という認識だ。

この話を聞いた時、自分の頭にはない文化だったので衝撃を受けたが、このだし巻き卵定食のように、主菜として扱われにくいが、実はメインのおかずになり得る食材はほかにもあるのではないか?

候補のひとつに、「わさび」が挙がった。

ライター紹介

鈴木さくら
鈴木さくら
1988年静岡県生まれ・静岡県在住。平日制作会社に勤務しながら、土日にうまいものを探して食べ歩く生活を送っている。主な活動エリアは浜松市~静岡市のあいだ。好物は焼肉と浜名湖うなぎの白焼きだが、懐を顧みず食べに走るので給料日前はおのずと静かになる。

わさび丼を提供する老舗のわさび園「かどや」へ

河津町にある老舗のわさび園「かどや」というところに、わさびをメインとした「わさび丼」というメニューがある。

待って。わさびって刺身醤油に溶いて料理と一緒に食べたりする、いわばおかずというより調味料の部類では…?

わさび丼って、どういうこと?

味も見た目も想像できないまま、かどやへ向かった。

天城越えし、

わさび田を眺めながら、

ずんずん山奥へ進むと味のある看板が。

着いた!こちらが「わさび園 かどや」。

看板にあるわさび丼の見た目はいたってシンプル。しかしシンプル過ぎて、これでは辛くて一杯食べきれないのでは…?

若干の不安を抱えつつ、食事処へ。

中に入ると、新鮮な生わさびがズラリ!

こちらの生わさびは販売されていて、小さなものは450円、大きなものは3000円するものもあった。

3000円の生わさびでっか!

メディア取材や芸能人もたくさん来ているらしく、待合スペースの壁にはサインがズラリと並んでいた。

中には安倍総理の写真も。

かどやのスタッフさんに聞いたところ、河津町のPRでかどやのわさび丼が安倍総理に献上されたことがあり、その時の写真らしい。

河津町には、かどやのほかにもわさび農家やわさび丼を提供している食事処が複数箇所あるが、安倍総理からも「このわさび丼は違うね」とお墨付きをもらったとのこと。

これから食べるわさび丼への期待がグンと高まった。

これがわさびをメインとした「わさび丼」だ!

席に着き、早速わさび丼を注文。

お値段は650円とリーズナブル。

店内を見回している間に、スタッフさんが生わさびと鮫皮おろしを持ってきてくれた。

生わさびを鮫皮おろしで、しかも自分でするあたり、本格的なわさび処に来たなという実感が沸いた。

わたしは、普段わさびがほしい時はチューブわさびに大変お世話になっているので、正直生わさびの正しいすり方がわからなかった。

が、ここならスタッフさんがわかりやすく丁寧に教えてくれるので大丈夫。

生わさびが茎付きの状態で出てくるので、茎を手で取って茎側から回すようにすっていく。

優しくすればまろやかな味に仕上がり、強くするとピリッと辛い味に仕上がる。

茎側の方が辛みが少ないそうで、確かに茎から離れ先にいくにつれてツンとしたわさびの香りが漂ってきた。

ちなみに、わさび丼を頼むと大人の親指ほどの生わさびが2本出てくるが、2本ともするのは結構しんどいし、いい運動になった。

自分で一生懸命すったわさびを丼に乗せれば、「わさび丼」の完成!

白米の上に鰹節、そして自分ですったわさびを乗せただけのシンプルな見た目のわさび丼。

わさびの風味を楽しむため、わさびを避けて醤油を回しかけて食べるといいそうだ。

鰹節がまんべんなくかかっているあたり、ねこまんまのようでおいしそうだけど、これだけの具材で本当に丼として成立するのか…?

わさびがダイレクトインして辛さに悶絶するのでは…?

看板やメニュー写真の通りにわさびを乗せて完成させたが、正直不安はぬぐい切れなかった。

恐る恐る口へ運ぶと…

うまい!わさび、全然辛くない!

想像していたわさびの辛さが、まったくといっていいほどなかった。

口当たりはめちゃくちゃさわやかで、新鮮なわさびの風味のいいところだけを取った丼、という印象だ。

生わさびのシャキシャキ感も少し残っていて歯触りもよく、味、風味、食感ともにこれまで食べたことのない丼だった。

わさびは完璧におかずになった。

「わさびざるそば」や「わさび入りところてん」もある

かどやにはわさび丼のほか、「わさびざるそば」や「わさび入りところてん」といったわさびを使ったメニューがたくさんある。

せっかくなので、「わさびざるそば」と「わさび入りところてん」も注文してみた。

こちらが「わさびざるそば」。緑色のざるそばというと茶そばを思い浮かべるが、これは茶そばではなく「わさびざるそば」である。

わさび丼と同じように自分ですった生わさびを乗せていただく。

はじめは一般的なざるそばの味だったが、後からわさびのツンとした辛みが追ってきた。

しかし、ただ辛いのではなく、本格的なわさびから出るうまい辛さだったので、辛い辛いと言いながらもペロッと完食できた。

「わさび入りところてん」も、口に入れた時は食べたことのあるところてんの味だったが、噛んでいるとほんのりわさびの風味が香ってきた。

大人のデザートといった感じだが、優しく香る程度なので子どもでも食べられそう。

料理からデザートまでオールわさび!新鮮なわさびをエンジョイし尽くした。

お酒好きな方は「わさび焼酎」という、かどやオリジナルの焼酎もあるので、トライする価値あり。

旅の思い出にわさび漬けを

食事処の隣には、さまざまなわさび商品が買えるショップも併設している。

わさび漬けを買って帰ろうとしたら、その場で新鮮なわさび漬けを樽から詰めてくれた。この光景もわさび処ならでは。

わさび丼とセットで出てきたわさびのり、わさび味噌、わさびの茎三杯酢漬けもこのショップで買える。

実は、わさび丼とセットで出てきた漬け物類がなんなのかわからず食べていたが、後から本当にすべてわさびでできたおかずだったのだと知って驚いた。

かどやでは、自分でわさび漬けを作れるわさび漬け作り体験も行っている。

事前予約すれば1人1500円でわさび漬けを作れるそうだ。

家族で、友人同士で訪れた際は、ぜひ体験したい。

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