日本の国民食と言っても差し支えないほどに、老若男女に愛される食べ物である餃子。
大皿の上に綺麗に並んだ焼き餃子を目の前に、「いただきます!」と勢いよく箸を伸ばし、小皿に入れたタレにじゃぶじゃぶつけて餃子を頬張る姿は、珍しい光景ではない。
しかし、ちょっと待ってほしい。
みんな、餃子を食べるときに何も考えずにタレをつけてないか?
餃子は、醤油やお酢、ラー油など、タレの組み合わせによって、味を自在に調整できる食べ物だ。しかしそれはときに、繊細に調整された餃子の味を殺すことに繋がりかねない。
ゆえに、筆者は基本的に餃子には何もつけずに食べる。
まずは、餃子をそのまま食べてみて、その本来の味を堪能したあとに、「これはお酢でさっぱりの方がいい」「下味が薄いので醤油とお酢かな」というようにタレの必要性を感じたときにだけ、タレをつける。それがセオリーではないかと思うのだ。
すべての餃子がタレなしでいいとは言わない。ただ、「餃子はタレをつけて食べるもの」という固定観念を持っている人に向けて、「タレなしで食べてほしい餃子6選」を紹介させてほしい。
代々木『曽さんの店』
1店目は、代々木駅の西口から、徒歩1分もかからない立地にある『曽さんの店』。
肉汁が勢いよく飛び出す様子から「生きてる餃子」とネーミングされた、肉汁餃子がここにある。
もちもちの皮に包まれるのは、野菜の甘みとお肉の旨みがよく効いた肉汁たっぷりの餡。
一口食べた瞬間、「これはタレなしで完成してる」と思わずうなずいてしまう。
一つひとつが結構大きいので、一皿でも満足感は高い。餃子の人気店の割には、お客さんの回転が早く意外に入れるので、ぜひ一度食べに行ってほしい。
- 手延べ でっかい餃子
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東京都 渋谷区 代々木
台湾料理
飯田橋『パイロン』
2店目は、飯田橋駅から10分の少し不便な立地にあるが、それを乗り越えてでも食べる価値がある『パイロン』の餃子。
見た目は一般的な餃子とちがい、ひだがない圧着タイプの餃子なので、少し見慣れないかもしれない。
モチモチの厚い皮の中に肉汁が閉じ込められており、食べると肉汁が飛び出るため、レンゲの上に乗せて食べるのを推奨されている。
おすすめは、一度食べるとシナモンの香りがクセになる「白龍餃子」(パイロン餃子)。
- PAIRON
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東京都 新宿区 新小川町
中華料理
乃木坂『亜細亜割烹 蓮月』
3店目は、乃木坂にひっそりと佇む、中国料理世界チャンピオンのお店『亜細亜割烹 蓮月』。
むっちりした見た目に、何とも食欲をそそる焼き目。特製のタレもおいしいが、下味がしっかりした餃子なので、タレなしで食べてほしい。世界チャンピオンの餃子らしく(?)上品な味の餃子。
お店は6名がけのテーブル席一つと、カウンターが8席。結構こじんまりしてるため、予約してから行くのがおすすめ。メニュー数は少なく、餃子が中心なので、ここに行くときは思う存分、餃子を全力で堪能してほしい。
- 亜細亜割烹 蓮月
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東京都 港区 南青山1
餃子
三鷹『餃子のハルピン』
4店目は、三鷹駅から少し歩いた住宅街にある『餃子のハルピン』。
ここの餃子は、漢方薬や香辛料を使った独特の味付け。でもこれがクセになる。ハマる人にはめちゃくちゃハマるはず。
定番の「ニラ」のほかに、「ホタテ」「大葉」「イカ」「セロリ」「鮭」「チーズ」など種類豊富。そのどれもが肉汁たっぷりなので、食べてるうちに小皿に肉汁のスープが出来上がる。
正直、こんなにおいしいお店が三鷹にあったのかと、感動した。近所にあったら絶対に通ってしまう…。
- 餃子のハルピン
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東京都 三鷹市 下連雀
餃子
渋谷『大連餃子基地DALIAN』
5店目は、渋谷ストリーム内でいつもにぎやかな餃子屋『大連餃子基地DALIAN』。
一番の特徴は、この思わず割りたくなるパリパリの羽根だろうか。小ぶりだけど肉汁がたっぷり詰まった餃子は、めちゃくちゃジューシー。
少し邪道と感じる人もいるかもしれないけど、ここではチェダーチーズを使った「チーズしそ餃子」を猛烈におすすめしたい。
「チェダーチーズを合わせるのは少しくどいのでは?」と思ったが全くそんなことはなく、小ぶりなサイズも相まって、思わず4人で5皿リピートした。
- 大連餃子基地 DALIAN 渋谷ストリーム
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東京都 渋谷区 渋谷
居酒屋
池袋『開楽』
ラスト6店目は、池袋のジャンボ餃子『開楽』。
絵が下手な人が描いた餃子かってくらいに、皿に対する餃子の大きさがおかしい。
普通の餃子の1.5倍~2倍くらいだろうか。ちなみにこれは2人前。
厚めの皮は少ししっとり、大きさ的に一口では食べられないが、ちょっと齧るだけで口の中にジューシーな餡の旨みを感じる。なのに、まったく油のくどさがない。
初めて食べたとき、二日酔いで体調が絶不調だったのだけど、この餃子を一口食べただけですぐ元気になった。筆者は「二日酔いでも食べられる餃子」と呼んでいる。
- 開楽 本店
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東京都 豊島区 南池袋
中華料理
餃子本来の味を楽しもう
餃子の楽しみ方は自由だ。醤油とお酢とラー油の比率の黄金比だとか、自分は何派だとか、タレ中心の餃子の楽しみ方を否定するわけでは決してない。筆者も、タレなら酢コショウが好きだ。
ただ、タレをつけることで完成する餃子もあれば、タレなしで完成している餃子もある。その上でタレをつけるかは完全に好みの話。
これを機に、餃子本来の味についても、考えてみてはいかがだろうか。
ライター紹介
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早川大輝
- 1992年生まれ。Web系編プロを経て、フリーの編集者/ライター。食・エンタメ領域をメインに、記事の企画と編集、たまに執筆をしています。餃子とじゃがりこの話ばかりする。