
日本にいながらパスポートなしで中国へトリップできちゃう、ガチでガチな中華料理を探している、わたくしイラストレーターのよねはらうさこ。
今回は、そこらかしこに中国へのどこでもドアがある大阪・日本橋の中でも人気の老舗へ、激辛王国・中国四川省からやってきた友人・ななきと行ってきた。
その名も

(イラスト左が筆者うさこ、右が中国人の友人・ななき)
「故郷 羊肉串店」!!
自分で焼ける串焼きが楽しい
東北料理の花形である串焼きがこの店のメイン。
席には特製の焼き場が用意されており、「焼きたいです!」と言えばアッツアツの炭火をセットしてくれる。

焼き場は二段構造になっており、下では炙り、上では保温ができる優れモノだ。

片っ端から焼きまくってやろうと思ったわたしたちは、「羊肉」「羊筋」「鶏の心臓」「板筋」「軟骨」「豚のマメ」「ソーセージ」「すなずり」「手羽先」と数々の肉を頼んだ。

既に馴染みない登場人物が数人いる。
他にも「うずら」「血管」「鶏の首」などがあったが、わたしたちには少し強敵すぎたので注文するのをやめた。
この店には割とインパクト強めなメニューがたくさん潜んでいるので、ぜひそんな日本とは全く違う食文化も楽しんでもらいたい。
日本人向けにまろやかにせず、ゴリッゴリの中国モードを貫くのが日本橋スタイルなのだ。

炭火でジワジワ炙られるお肉…
したたる肉汁…

赤外線のおかげかすぐに焼けるので、焼けたらササッと焼き場の上段に移してゆっくり味わおう。
串は全て、この魔法の粉を山盛りにつけて食べる。

唐辛子の粉、クミン、ごま、塩と至ってシンプルな材料ながら、これをつけると全てがめちゃめちゃうまくなる魔法にかかる。

見た目ほど辛くないが、食べている内にジワジワ来る。でも「辛っ」てほどじゃない。絶妙。
モキュモキュした食感の「サカスジ」、
元気な噛み応えの「豚のマメ」、
謎の食材も定番のジューシーなソーセージもコリコリの軟骨もいいけど、わたしはあるひとつの真理に気付く。
やっぱり看板メニューの羊肉串

やっぱり羊肉ってうまい!!!!!!!!
スパイスのお陰か臭みも全くなく、赤身と赤身の間に挟まれたさっぱりとした脂がとろ~っと溶けて最強にうまい。
ビタミン豊富、高タンパク、低カロリーと三拍子揃った優秀さから考えても、羊肉はよい。もっと評価されるべき。
何よりスパイスがやばすぎる。中毒性がスゴい。
ついには料理が来るのを待つ間、スパイスをペロペロ舐め出す始末。

わたしたちは完全にスパイスでキマっていた。
スパイス以外にいけないものが入っているのかもしれない。そう、店主の愛情とか。
これが“故郷”だ
そんな店主のミナミさんに話を聞くことができた。
―――何で日本に東北料理の店を開いたんですか?
「生活のため!」
―――日本にはいつから?
「大昔から日本におる!日本が”故郷”やね!ハハハ!」
ゆるくて関西弁がかわいいミナミさん。「写真はハゲやからアカン」と、撮影から逃げられてしまった。
メニューは日本だと希少な食べ物も多いが、それを小さい頃から食べ馴染んできた人たちにとっては、きっと店名さながら故郷の愛おしい味わい。
ミナミさんは日本橋に”故郷”を作っているのだ。
わたしはメニューの中に、冷麺やチゲなど、韓国っぽいメニューがいくつもあるのに気づいた。
中国の東北地方は、韓国と地理的に近いため、韓国料理が日常的に親しまれている。
昔から行われてきた異文化交流に思いを馳せてしまう。

(※はにかみ笑顔のシェフを激写)
ヘルシーが免罪符
追加メニューとして「京酱肉丝(ジンジャンロース)」を頼んだ。

これは皮でお肉や薬味を包んで食べる料理だが、なんと皮が豆皮(厚めの乾燥湯葉のようなもの)だった。

こういう包んで食べるクレープスタイルの食べ物は通常、食べてるうちに大量の炭水化物を摂取してしまうものだが、何と言うことでしょう。豆皮ならいくら食べても大丈夫!!!(?)
中国料理は日本では油っこい不健康なイメージかもしれないが、実際は大豆や野菜を多用したヘルシーなものもたくさんある。羊肉も栄養価が高い。
ということは…たくさん食べても大丈夫…!?ヘルシーという免罪符を見出しては、ついつい今日も食べ過ぎてしまう我々であった。
- 故郷羊肉串店
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大阪府 大阪市中央区 島之内
中華料理