"売れる"より「面白い」を!ワイン飲み放題が30分で290円の「コンロ家」がアツい

「いろんな種類のワインを、ちょっとずつお手頃価格で飲むいい方法はないものだろうか」

ワイン好きの私はずっと悩んでいました。
 
そんなときに出会ったのが『大衆和牛酒場 コンロ家』。ここでは、50種類もの樽ワインが飲み放題なんですって!!

しかも、30分290円!飲んでみたいワインをちょっとずつ試せて、このお値段。 え、凄すぎません?

ワイン樽が並ぶ様子はまるで醸造所

『コンロ家』代々木店は、小田急線南新宿駅から徒歩20秒ほどの場所にあります。(JR代々木駅からは5分、新宿駅からも9分ほど)

「肉鍋」「ワイン」「ホルモン」と書かれた提灯の横に、例の樽ワインらしきものが、店の外まで溢れ出ています…。これは期待大。

樽、樽、どこを見ても、樽!

ご覧ください。入り口に所狭しと並べられたワインの樽。どこか異国の醸造所を思わせる光景です。

早速飲んでみました

では、ワイン50種飲み放題を体験してみましょう。

ルールは、この説明書を見ればすぐ理解できました。

まずはグラスを受け取って、自分好みのワインを探します。

フランス産、イタリア産、スペイン産、チリ産、ドイツ産…。赤も白も、自家製サングリアまであります。とりあえず、赤ワインでお店人気No.1の「BONOS(チリ産)」から。

つまみを捻って、ワインを注ぎます。ちょっとだけ注いでも、なみなみに注いでもOK(ただし無理は禁物!)

席に戻ると、ペットボトルに入ったお水が置かれました。

サービスの手軽さ故、ワインをぐびぐびと飲みすぎてしまう人が多いそう。そのため、『コンロ家』では、チェイサーが必ず渡されます。

その名も「東京のおいしい水(濾過水)」。原料名は「コンロ家の蛇口を通して出た水」とのこと。いやいや、細部まで凝りすぎでしょ!でも、悪酔いしないように水もちゃんと飲むことにします。

すすぎ用の水はなぜかドンペリのボトルに!

すすぎ用の水はなぜかドンペリのボトルに!

飲み終えたら、グラスを水ですすいで、次のワインを選びます。次は白にしようかな〜。

赤ワインと白ワインとで棚が分かれています。ひとつひとつのワイン樽ごとに書かれた説明も分かりやすく、味の想像もしやすい!これなら、ワインに詳しくなくても自分好みのワインを選べますね。

「シャルドネらしいフルーティーで、ミネラル感の味わいがいい」という一言に興味を惹かれ、「KBシャルドネ(オーストラリア産)」をいただきました。

は〜白ワインもおいしいなぁ。

290円ならこの2杯だけでも元が取れそうです。店内には、1度では飲みきれないほどのワインがまだまだ並んでおり、満足度が高すぎました。

「売れることよりも、面白いこと」を大切にする『コンロ家』

ーーいくら何でも安すぎませんか?

「お酒でお金を稼ぐスタイルはもう時代に合わないと思ったんです。コンビニに行けば普通に美味しいビールは飲めるし、最近だと、お酒を持ち込み可能なお店まであるじゃないですか。そこで、お酒に何か付加価値を生み出せないかと考えたんです」

ーー最初からワインは50種類だったんですか?

「いえ、最初は30種類で始めました。

最初は30種類で始めたところ意外と好評で。やるなら突き抜けようとなり、代々木店は50種類に。渋谷、飯田橋、赤坂は100種類をご用意しています」

ーー50種類でもすごいですが、他店舗だと100種類も…!なぜ、セルフサービスにされたのですか?

「もともと『コンロ家』は相方と2人で始めたお店なんです。ただ、1日で50~60人のお客さんを2人で回すのが本当に大変で…。何とかセルフサービスを取り入れることができないか、と試行錯誤した結果がこの飲み放題なんです。

店員が介入せずに、お客さんが自由に楽しんでもらえるようにすれば、店としても助かるので。同じ規模の飲食店と比べると、圧倒的に少ない人数でお店を回せていると思います」

蒲池さんのお話を聞きながら、どこかで見覚えのある張り紙が目に入ります。

蒲池さんのお話を聞きながら、どこかで見覚えのある張り紙が目に入ります。

ーーこの張り紙は…!

「SNS上で、だいぶ話題になった張り紙ですね(笑)」

ーーよく見ると他にも、店内にはさまざまな張り紙がありますね。

「コンロ家は『売れることより、面白いこと』をコンセプトとして掲げているからです。ひとつひとつが"爆笑"とはならないですけど、積もり積もることでリピートしてくれるお客さまにつながると思うんです(笑)。

例の張り紙も決して炎上狙いではないです。お客さんのマナーによってコーヒーの値段が変わるという、フランスのカフェのオマージュなんです。それを僕が面白いなと思って、冗談っぽく作っただけでした。

本当はこの奴隷のところに斜線が引いてあるのを見て欲しいんですけど、あんまりここは突っ込んでもらえません(笑)」

ーーネタ出し会議のような場があるんですか?

「そういうわけではありませんが、スタッフには『どうやったらお店を面白くできるか』を聞くようにしています。

飲食店としては、売上のことを考えなくてはいけないですよね。でも、マーケティングを学んできていないスタッフに『どうやったら売上が上がると思うか?』なんて聞いても、アイデアを出すのは難しいんです。

面白さを追求することは、利益に直接は繋がらないと思いますが、めぐりめぐってお客さんやスタッフに良い影響を与えると考えています。実際、スタッフは率先して面白いアイデアを提案してくれるので、しばらくお店に来ていないうちに、新しい仕掛けが増えたりしていて驚きます(笑)」

確かにトイレの壁には、待ち時間を有効活用してもらおうと問題が書いてあったり、

「料理長の手相占い」「恋のアシスト」「ピーク時の皿洗い」などの面白いメニューがあったり、

そもそも取扱説明書が家電製品のオマージュだったり、

うちわにはリアルな従業員さんが載っていたり、

予約席は「セレブ登場」や「お金持ち降臨」と書かれていたり…。見ているだけでも楽しくなります。

もちろん、こだわりは内装だけではありません。神戸牛や、A4〜A5ランクの黒毛和牛を食べることができるのもお店の売り。

私がオーダーしたのは「霜降り和牛のせ 神戸牛ホルモン鉄板焼き」。小腸、大腸、ギアラ、コリコリなどの神戸牛ホルモンをミックスさせ、山盛りの野菜と一緒に、コンロでぐつぐつ。秘伝の漬けだれで食べると、ワインがとても進みます!

破格の値段で、まるで宝探しのようにワインを飲めるだけではなく、お肉もがっつり食べられる『コンロ家』。

「いいお店見つけたよ」と、ワイン好きの友達にこっそり教えようと思います。

ライター紹介

五月女菜穂
五月女菜穂
1988年東京生まれ、横浜在住。朝日新聞記者として取材経験を積み、2016年よりフリーライター/フリーランサーとして活動。ビールとパクチーとエスニック料理がご機嫌のもと。ブックカフェを経営することが密かな夢だが、どうなることやら。
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