美味しい料理は、いつ食べたって美味しい。
それは例えば、つらいことがあったときでもそうだ。どんなにつらいことがあっても、人間は生きている限りお腹が空く。そんなときでも、美味しい料理を食べれば、少しくらいは気持ちを切り替えられるはず。
「また頑張るか」と、気持ちを上向きにしてくれるのが、美味しい料理のすごいところだと思う。
1月14日から、Amazon プライム・ビデオにて全10話一挙独占配信をスタートする『失恋めし』は、まさにそんな「食の懐の深さ」を描くグルメドラマだ。
主人公は、STO企画という小さな出版社が発行するフリーペーパーで連載を持つ、漫画家のキミマルミキ(広瀬アリス)。ミキが連載する「失恋めし」は、失恋をした人が美味しいごはんを食べることで元気になる様子を描く、コミックエッセイだ。
彼女が連載を通して出会うのは、個性豊かな登場人物と傷ついた彼ら彼女らに優しく寄り添う「失恋めし」の数々。何気ない身近な料理が、誰かにとってはお守りのようにその後の人生を支えてくれる存在だったりする。身の回りで出合うお店や、料理のひとつひとつに愛着を持ってしまうような優しいドラマとしてRettyでも注目。
そこで、『失恋めし』の配信スタートを前に、主演である広瀬アリスさんにインタビューを実施。10代でモデルとしてデビューしてから、今では女優として引っ張りだこの広瀬さん。持ち前の表情豊かでコミカルな演技は今作でも健在。これまであまり語ってこなかった食への価値観や、撮影時の思い出について伺った。
一番幸せな時間は、餃子とビール
ーー普段の食事は、広瀬さんにとってどういう時間ですか?
広瀬:
現場のときは、食事を楽しむことは少ないです。現場に行くときは、朝起きてから何をどんな順番でするかというルーティーンをすべて決めているので、食事も事前に作り置きしてお弁当に詰めて持って行ってるんです。だいたい一品ずつ大量に作って10品くらい。なので、5日間くらい同じメニューのときもあるんですけど、全然平気で食べてます。楽しむというよりは、栄養補給の時間として捉えているのかもしれないです。
作り置きもレパートリーはそんなに多くないんです。スーパーで安かった食材を買ったり、自分がそのときに食べたいものを作ることが多くて。きんぴらとかひじきはマストで入れることが多いです。野菜や鉄分など、不足しがちなものは作り置きで意識的に取り入れるようにしています。
ーーなるほど…ストイックですね。仕事以外の時間はどうですか?
広瀬:
あんまり食へのこだわりは強くないんです。でも、餃子は好きです。純粋にもう、餃子とビールが好きでして……餃子は冷蔵庫に常にストックしてあります(笑)。
次の日が休みだったら、「明日はむくんでも大丈夫だ!」って餃子とビールを楽しんじゃいます。
ーーどんな餃子が好きですか?
広瀬:
超王道に、にらと豚肉! あ、あと絶対にニンニク多めがいいです(笑)。つけダレは気分によって「お酢と醤油」「お酢と胡椒」とか「食べるラー油」で変えてます。私、辛いものが苦手なんですけど、食べるラー油なら辛すぎないし、ニンニクチップも入ってたりしてニンニクマシマシになるので好きです。
餃子を食べながらビールを飲んでいる時間が、もう一番幸せな時間なんです。何も考えずにその時間を楽しみたい。
ーー話を聞いていると、食へのこだわりはあるように見えますが(笑)。
広瀬:
あれ、ほんとですね(笑)。餃子は4年くらい前からハマってて、めちゃくちゃ上手く焼けたときがあったんです。そこから餃子を作るようになったんですけど、仕事が忙しくなって作る時間が取りにくくなってきたので、最近は取り寄せ餃子に辿り着いて。実物を食べないとやっぱり分からないですけど、口コミを全部読み込んで、あとは自分の嗅覚を信じて「これだ!」っていう餃子を買うようにしています。
落ち込んだときは、野菜と健康に良い食べ物で心のケア
ーー『失恋めし』は、「つらいことがあっても美味しいものを食べたら元気が出る」という物語が描かれていましたが、広瀬さんは辛いときに食べるものってありますか?
広瀬:
なんでしょう。でも、つらいときほど、身体に良いものを食べてバランスをとっている気がします。結局、それが心のケアに繋がるんだと思います。
10代の頃は、ずっと野菜ばかり食べていました。10代の女の子は、普通にしていてもぷくぷくしてきちゃうもので、体調管理は大変でした。
でも、そのおかげでいまめちゃくちゃサラダが好きで、知識もついたんです。私は体質的にケールが合ってるから、毎日スムージーに入れたり、サラダで食べるとか。午前中はデトックスの時間だから、なるべく身体に良いものを取り入れると良いとか。知識欲が強いので、そういう情報をネットで調べたり、共演者と情報交換したりして、どんどん身につけて。そういう知識が身に付いたおかげで、自分を心身共にコントロールできるようになったと感じます。最近は管理できてるからって調子に乗って食べちゃって、次の日にむくんで後悔したりしてますけど(笑)。
『失恋めし』の撮影で出合い、ハマった一品
ーー『失恋めし』では、主人公であるキミマルミキがさまざまな「失恋めし」と出合いますが、その中で広瀬さんが印象に残っている料理はありますか?
広瀬:
最終話に登場する「ロールキャベツ」です。撮影の順番としても最後の方だったので、主人公としての気持ちが乗って感慨深かったというのもありつつ、ものすごく美味しかったです!
広瀬:
でも、それだけじゃなくて、めちゃくちゃ熱かったんです。事前に熱いとは聞いてたのですが、テスト用に出てきたロールキャベツと比べて、本番で出てきたロールキャベツは1000倍くらい湯気が出てて。「絶対熱いよなあ、どうしよう」と思ってたら、そのシーンで一緒に食べる井之脇海さんが、スープだけ飲んだんですよ!
「うわ、逃げた!」って思って。私は果敢に「熱っつうう」と思いながら食べてたのに、井之脇さんは目の前で涼しい顔してスープ飲んでて、「許せない……」と思ったのを覚えてます(笑)。
ーー裏側を知ると、そのシーンの見方が変わりますね(笑)。では、主人公キミマルミキというフィルターを外して、広瀬さんご自身として一番好きだった料理はなんでしょう?
広瀬:
6話に出てきた、「焼き小籠包」です!
広瀬:
小籠包だけど焼いてあるから外側がカリカリで、中にはスープがたっぷりなんです……。すごく美味しかったから、現場で食べたのに持ち帰って家でも食べました。別日でも同じ「焼き小籠包」が出てきたんですけど、そのときも持ち帰っちゃいました(笑)。
料理を食べるときの臨場感がすごい『失恋めし』
1月14日から、Amazon プライム・ビデオにて全10話一挙独占配信をスタートする『失恋めし』。
見どころは何と言っても、登場する数々の「失恋めし」。つらい気持ちを忘れさせてくれたり、寄り添ってくれたり、前を向けるように背中を推してくれる、さまざまな料理が登場する。
そんな料理の見せ方として、特にこだわっていると感じたのが「音」。残念ながら記事では伝えることができないが、『失恋めし』はとにかく「音」にこだわっていると感じる。
食材を鉄板で焼くときの「ジュ~」という音や、料理を切り分けるときのフォークやナイフの音、ビニール袋からパンを取り出すときの音。特に「噛む」シーンには注目してほしい。さまざまな食材の食感が混然一体となり、一つの料理として成立しているということを「食べるシーンの音」だけで実感したのは初めて。とにかく、「食べる」に付随する、さまざまな音が意図的に強調されている。
熱々の料理を頬張ったときの「ほふほふ」とした状況や、味わいながら噛みしめている口の中。そうした時間を丸ごと、音を駆使して臨場感たっぷりに伝えてくるため、観ているこちらは思わず「ゴクリ」と音を鳴らしてしまう。ここまで食欲をかきたててくる音の使い方には脱帽した。
きっと、ドラマを観たら、出てきた料理が食べたくて仕方なくなるはず。ぜひ、ドラマを観て、登場したお店にも足を運んでみてはいかがだろうか。
▼『失恋めし』の視聴はこちらから
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09P5S6WQL/ref=atv_dp_share_cu_r
Amazon プライム・ビデオを初めて利用する方は、30日間無料体験が可能です。
▼広瀬さんが印象に残ったロールキャベツが食べられるお店
- ビストロ・ソングラム 新橋
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東京都 港区 新橋
ビストロ
▼広瀬さんが劇中に登場する料理の中で一番好きだった小籠包が食べられるお店
- 焼小籠包ドラゴン
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東京都 台東区 鳥越
小龍包
タイトル:「失恋めし」(全10話)
配信開始日:1月14日 Amazonプライム・ビデオにて一挙独占配信
放送開始日:読売テレビ7月放送予定
出演:広瀬アリス 井之脇海 村杉蝉之介 臼田あさ美 安藤ニコ 若林拓也
原案:木丸みさき「失恋めし」(KADOKAWA刊)
脚本:今井雅子
監督:大九明子
音楽:髙野正樹
主題歌︓Homecomings「アルペジオ」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
©木丸みさき・KADOKAWA/ytv