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連載:1年で250食カレーを食べる女子のカレー談義

カレー年間250食、正真正銘のカレーヲタが選ぶ「最も食べたいカレー」とは?

年間250店以上のカレーを食べるカレー女子の手条萌さん。カレー好きが高じて作ったカレー同人誌『ガラム政宗』が注目を集め、年内にはカレーについての書籍『カレーの愛し方、殺し方』の発刊が決まっているという。

なぜ、彼女はカレーにハマったのか? 彼女がおすすめするカレー店「ガラムマサラ(経堂)」で、カレーの魅力について語っていただきました。

小田急線・経堂駅から徒歩2分「ガラムマサラ」へ

インタビュー開始

ーー本日はよろしくお願いします。早速ですが、今回『カレーの愛し方、殺し方』という書籍を出そうと思ったきっかけを教えてください。

手条萌氏(以下、手条)はい。もともと同人誌でカレーの本を作っていて、それも唐突にカレーの本が作りたいんだ! みたいな。天啓のような……(笑)。

ーー作りたい衝動のようなものが?

手条:はい、本当に急にカレーの同人誌を作りたくなって、作っちゃったんですよね。ちなみに、同人誌のタイトルは『ガラム政宗』です(笑)。適当につけちゃってすごい後悔してます。

ーーガラム政宗(笑)。

手条:で、その頃から食べ歩きを始めていたので、レビューと自分のカレーに対する思いを書きたいなと思って、活動していました。

そうしたら、出版社の方からお声がけいただいて、本を出そうという話になりました。(写真は手条萌著『ガラム政宗』)

もともとカレーが嫌いだった

ーー手条さんは、普段はどれくらいの頻度でカレーを食べるんですか?

手条:そうですね、年に250食ほどですかね。

ーー250食ですか! 週5日で食べてるじゃないですか!

手条:そうですねー。本当なら毎日食べたいんですが。

ーー小さい頃からカレーはお好きだったんですか?

手条:実は全然好きじゃなかったんです(笑)。でも、桜新町にある「サウェーラ」のカレーが今まで食べていた家のカレーと全然違って、それが衝撃的すぎて、その衝撃を求めてカレー店をめぐるようになりました。そこからどんどんハマっていきました。

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE20/SUB2004/100000046433/photos/

手条:たまたまTwitterでサウェーラを見つけて、場所が近かったので入っただけなんですが、それで日常が一変してしまって……(笑)。

ーーそれが今では同人誌を書いて、本を出版するまでに至ったと。運命を変えたわけですね。

手条:そうなんです。人生を変えたカレーでしたね。

カレー屋号泣事件

ーー「カレージャンキー日記」という日記をつけているとお伺いしたのですが、記憶に残っている出来事はありますか?

手条:まさにこのお店(ガラムマサラ)であったことなんですが、ランチタイムを狙って行ったんですが、時間内だったのに終わってしまっていて、ものすごく泣いて、店員さんに食べたい気持ちを泣きながら伝えたら、(店員が)「わかった」と言って、特別に余ったカレーを出していただいたことがありました。

ーー(笑)。

手条:なので、本当にこのガラムマサラさんには特別な思い入れがあります(笑)。本当にあのときはすみませんでした! って思います。

ーーなかなか泣くまでいかないですよね!

手条:いやーショックだったんですよ、号泣でした(笑)。

Rettyの投稿が信頼できる理由

ーー次に、書籍『カレーの愛し方、殺し方』のタイトルにある「カレーの殺し方」についてなんですが、これはどういう意味なんですか?

手条:「カレーの殺し方」なんですが、カレーを味わうことなく、カレーで自分を演出するようなジャンルの人たちがいるんですよ。奥深いカレーを探求する俺ってインテリだろとか、カフェでオシャレなカレーを写真に撮ってる私ってかわいいみたいな。

それって食べ物に対してのリスペクトがなくて、すごい腹が立つんです。発言が過激になってしまうんで、「カレーの殺し方」については書籍を読んでみてください。

書籍で伝えたかったことにもつながるんですが、みんなが美味しいって言ってるからとかじゃなくて、自分の味覚を信じて、自分が美味しいと思ったものを好きに食べて、自分の好きなカレーを見つけてくださいって思います。

Rettyさんをいいなって思うのは、味ありきというか、質に重点置いているから、すごい信頼できるなって思います。

ーーありがとうございます。Rettyのユーザーさんは本当にグルメな方が多いんですよ。

手条:はい、だからレビューを見てもおもしろいですよね。

インドの家庭の味「デルスカレー」

ーー:手条さんの「今、最も食べたいカレー」がこのガラムマサラさんにあるとお聞きしたのですが、それはどのメニューですか?

手条:この「デルスカレー」が私のイチオシです。シーフードとオクラとパクチーのカレーです。

インドでは体調やその日の天候でスパイスを変えると言われていて、このデルスカレーも体調が良くなるように作られているそうです。

シーフードとオクラとパクチーの組み合わせって日本だと普通は思いつかないじゃないですか。もともとインドのその地域だからこそ生まれたカレーだと思うんですよ。トマトベースでオクラとパクチーが入っていて、もうめっちゃおいしいんです。

やっぱり、すごいおいしいです!

典型的なインドカレーというわけではないんですが、インドの家庭の味なんだろうなって。インドの家庭の味、すなわち日本では非日常じゃないですか、しかもそれが経堂で味わえるのはすごいですよね。

ーーこれ、すごくおいしいです! パクチーとカレーが抜群に合いますね!

手条:うんうん。日本にあるかしこまったインド料理のお店は宮廷料理をもとにした料理なんですよ。「マハル」がつく名前のインド料理のお店がけっこう多いのですが、「マハル」は宮廷っていう意味らしいです。

そういうのとは対極にあるインドの家庭の味なんですよ。

ナンともすごく合いますし……あっ、そういえば私、今日ナンのぬいぐるみを持ってきたんです。

ーーえっ、ぬいぐるみですか?

手条:はい、手縫いで作っています。表と裏で生地も変えています。よろしければどうぞ。

ーーあ、ありがとうございます。

(後編では彼女が厳選した東京のおすすめカレー店を紹介します)

・ガラムマサラの店舗情報はこちら

『カレーの愛し方、殺し方』手条萌著、近日発売予定
あなたはカレーを食べて失神したことありますか? カレーを愛しすぎて陥ったジャンキー日記からカレーを殺すひとびとの分析まで、年間250店以上のカレー屋に通うサブカル女子がカレーを徹底的に語り倒す! 自分の力で愛するカレーを見つけるための一冊。

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