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連載:Retty編集長の"このトレンド"に注目!

【2017年必読】いよいよ大ブレーク!?第4次焼きそばブームがやってきた!!

いま、焼きそばブームがキテいるらしい。

ラーメン、パスタなどの影に隠れて、いまいち圧倒的人気を獲得できていなかった「焼きそば」。その周辺が、なんだか最近騒がしいのだ。

一体、何が起きているのか。そんな焼きそば現代事情を探るべく、Retty編集部は、全国の焼きそばを食べ歩き、ブログ「焼きそば名店探訪録」の執筆者塩崎省吾さんに話を伺った。

お話を伺った人

塩崎省吾
塩崎省吾
焼きそばブロガー、ライター、編集者。本業はRettyのエンジニア。 2011年から、ブログ「焼きそば名店探訪録」を開設。日本全国の焼きそば名店を探しては食べ歩き、47都道府県を制覇。「焼きそば」達人として、TV・雑誌をはじめいま注目を集めている。

焼きそばの魅力とは一体?

焼きそば。そう聞くと、家で食べるものという印象が強いのではないだろうか。あるいは、お祭りやサービスエリア、フードコートなどでカジュアルに食べるものという印象かもしれない。

「私が焼きそばを食べ歩くようになったきっかけは、2008年。岐阜県高山市の『ちとせ』というお店に入ったら、みんなが焼きそばを食べていたんです。ラーメンなどのメニューも揃っているお店なのに、家族連れの人たちもみんな焼きそばを選んでいる。

太麺で、安くって、ボリュームがあって美味しい。ああ、こんな風に地元の人が愛する焼きそばが、各地域にあるのかもしれない、とそこからハマったんです」(塩崎さん・以下同)

「焼きそばっていうと、中華麺をソースで炒めているだけで、どれも一緒。そんな風に思いますよね。でも、関西と関東では麺もソースも違う。

関西はモチっとした茹で麺に、甘みのあるソース。だからご飯に合う。

関東は蒸し麺で、酸味のあるソース。足りないなと思ったら、麺を増やす。そんな風に食べ方のスタイルまで異なってくるというのが、焼きそばを各地で食べ歩くことによって発見できていったのです」

焼きそばブームの歴史とは?

もともと、大正時代からソース焼きそばは存在する。

「最初は主に浅草周辺で食べられていたようです。それが戦後(1945年〜1955年)闇市を通して、小麦粉の普及によって全国拡大。この頃の広がりを第1次ブームと私は定義しています」

第2次ブームは1975年頃。マルちゃん焼きそば、ペヤングソース焼きそばなどの商品が登場したことで、焼きそばというものが一般家庭に一気に普及。「お昼ごはんに焼きそば」という風景はこの頃に確立したといっても過言ではないだろう。

「ここで一気に『焼きそばは美味しい』ということを、日本人は受け入れていきます。誰が作っても、時間が経っても美味しい。嫌いな人は少ない。そんな焼きそばの基本条件が支持されていった時期といえそうです」

さらに記憶に新しいのが、2001年頃の「ご当地焼きそば」ブームだ。これが第3次焼きそばブームに該当する。静岡県富士宮市が仕掛けた「富士宮焼きそば」をきっかけに、町おこしの祭典「B1グランプリ」が生まれ、様々なご当地焼きそばが生まれていったのである。

そして、この富士宮焼きそばを始めとするご当地焼きそばの美味しさによって、人々は気づくのだ。

”焼きそばには、それぞれ違いがある”ということを。

「焼きそばは美味しい。さらに、焼きそばによってその美味しさには違いがある。そのことに気づいたことで、今の第4次焼きそばブームの土壌が出来上がるのです」

焼きそばは外食の選択肢の一つになれるのか

そして、2013年東京・神保町にオープンした「自家製生めん やきそば 専門 みかさ」。元々は熊本県で営業していた、自家製麺にこだわった名店が、東京都心に登場したことで、外食としての焼きそばを取り巻く状況が変わっていく。

この茹で上げた麺のもちもちした食感は、とにかく新しく、美味しい。一度食べると何かつぶやきたくなる、誰かを連れて行きたくなる味わい。それが、SNS隆盛時代にマッチし拡散され、リピーターがリピーターを呼び、今では平日でも行列ができるほどの人気店となった。

「今までの焼きそばの概念が変わる、真似る店がないためそこでしか味わえない、というのが何よりの魅力です。味だけでなくボリューム的にも大満足な点も、神保町に通うサラリーマンや学生に支持された理由ですよね。そして、この『みかさ』の成功により、焼きそば店は成功するかも?という流れが飲食業界に生まれ、新店がどんどん東京で増加し始めたということが、第4次ブームが生まれた背景といえます。ラーメンなどに比べると競合店も少なく、味で差別化がしやすいというのも大きかったと考察しています」

こうして、焼きそば専門店が続々と登場している東京。この焼きそばブームはどう盛り上がっていくのだろうか。

「ブームが来ているといっても、まだまだ入り口。今日、何食べよう?と思った時に、ラーメン、カレー、そば、などの選択肢の一つに焼きそばが入るようになって、初めて人気が定着したといえるかなと。そんな風になったらいいなというのが、私の願いです」

<タイプ別>塩崎氏おすすめの焼きそば店

では、この焼きそばブームを楽しむために、実際どんな店にいったらいいのだろうか?

焼きそば店未経験という人は?

「とにかく、近所の焼きそばを出しているお店に行って、食べてみてほしいです。どんな地域にも意外に名店があります。どこかわからなかったら、ぜひ私のブログをチェックしてみてください!(笑)
あとは、ご当地焼きそばはご当地に行って食べてみてください。全く違う美味しさに感動するはずです」

焼きそばブームを体感したい人は?

「とにかく『みかさ』『あぺたいと』の両店に行き、食べ比べてみてください。大人気の二店なんですが、対極的なので、自分の好みなどもはっきりするかもしれません。
『みかさ』は麺のもちもち感や弾力がすごい。一方、『あぺたいと』は両面焼きでパリッとしているんですよ。この2店を経験したら、焼きそばブームを語れるようになるはずです(笑)」

ちょっと他の人と差をつけたいなら?

「そういう人には、ぜひ麺というものの概念を吹き飛ばしてほしいですね。ということで、東新宿にある『山西亭』にぜひ行ってみてください。そもそも、麺とは一体どういう定義なのか?細長いもの?小麦粉?茹でるもの?全て吹っ飛びますから!」

私たちの毎日に当たり前のように存在している焼きそば。裏切ることがなくて、嫌いな人はいなくて。
でも、いい意味で私たちを裏切り、いい意味で自分の好みが見えてくるのが、2017年現在の新しい焼きそばたちなのだ。

第4次焼きそばブームの今こそ、焼きそばに注目するのは絶対楽しいし、美味しい。そう、確信している。

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