連載:中田英寿が日本酒にこだわり、世界に発信する理由

明日から開催!中田英寿プロデュースの日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK」直前レポート

4/7(金)から六本木で開催される中田英寿さんプロデュースの日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEKat ROPPONGI HILLS」。その開催に先立ち、3/21(火)から博多で行われていた「CRAFT SAKE WEEK in 博多」の様子をお伝えします。

福岡地方の天気予報は、あいにくの雨。JR博多駅前に設置された会場には大きな屋根があるとはいえ、この時期の野外イベントで雨は致命的だ。3月21日からはじまった中田英寿さんがプロデュースする日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK in 博多」は、平日しかも連休明けとあって、客入りが心配な幕開けとなった。

開始時間の12時になっても小雨がやまない。このまま寒空の下、イベントが行われるかと思われたとき、プロデューサーの中田英寿さんが会場入り。すると、まるでその登場を待っていたかのように空の雲が散りはじめ、数分後には会場が春の陽射しに照らされた。

「晴れましたね」。中田英寿さんにそう声をかけると、晴れ男を自認する彼は、「当然です」と言わんばかりの笑顔を見せてくれた。昨年、東京・六本木で開催されたこの「CRAFT SAKE WEEK」初の地方開催とあって、中田さんもかなりこのイベントには力を入れていた。

6日間、1日10蔵ずつ出店する酒蔵は、すべて中田さんが自ら呑んで「おいしい」と感じたものに限定される。有名であろうと、人気であろうと、関係ない。4月に六本木で開催されるぶんもあわせると、全148蔵の酒をすべて呑んだうえで選んでいるのだ。

『オー・ギャマン・ド・トキオ』や『よろにく』など、有名店が並んだ料理も、会場のレイアウトも、置かれる椅子のひとつひとつまで中田さんがすべて選んでいる。

中田さんの“晴れ男”効果もあって、午後からは多くの人が会場に押し寄せた。九州といえば焼酎というイメージが強いが、実は福岡はかつて灘、広島と並ぶ酒どころとして知られていた土地。おいしい日本酒をつくる蔵元も少なくない。毎日テーマと出店する酒蔵が変わるのがこのイベントの見所。

初日は「SAKENOMY ALLSTARSの日」として、山口の『獺祭』、新潟の『〆張鶴』などと並んで、『独楽蔵』『比良松』(以上福岡)、『ちえびじん』(大分)、『前』(佐賀)など、九州の酒もラインナップ。行列ができるほどの賑わいを見せた。

「先日中田さんが直接うちの酒蔵に見学にいらして、そのときにこのイベントへの出店を打診していただきました。そんなふうに声をかけてもらったことも嬉しいですし、全国的に有名な酒蔵さんと並べてもらったこともありがたく感じます。九州の酒は、もともと味の濃い料理にあわせるように作られていますから、フレンチやイタリアンと一緒に呑んでもおいしい。このイベントを機に九州の日本酒が盛り上がっていくとうれしいですね」(『前』古伊万里酒造・前田悟専務)

夕方から夜になると、場内に設置されたDJブースで福岡を拠点とする注目のDJやアーティストが音楽を演奏し、会場を更に盛り上げた。アジア方面にも活動範囲を広げているDJのHATTAN、世界各国より楽曲をリリースしている国内外で評価の高いBRISA、ラッパーへの楽曲提供やショーでの楽曲を手掛けるREN、さらには福岡を拠点とし、ジャズ・クロスオーバー界で活躍するNOMATAが出演するという豪華な顔ぶれ。

また、会場には利き酒師が在中し、「どの日本酒がおすすめですか?」と聞いているお客も多い。日本酒に詳しくない人でも、日本酒を知り、楽しめるようにイベントが設計されている。

盃を重ねれば、花冷えも気にならないと言わんばかりの会場の盛り上がり。

中田英寿さんはこのイベントについて「4月には去年に引き続き六本木で開催しますし、できればこの『CRAFT SAKE WEEK』を全国、さらに世界にも持ってきたいですね」と意気込みを語る。

六本木で4月7日(金)から10日間にわたって開催される「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS」では、日本酒や音楽に加え、中田英寿流の花見も楽しむことができるんだとか。日本酒好きはもちろん、これまで日本酒に興味がなかったという人でも楽しんでいただけるはず。みなさんにも、ぜひ足を運んでみてほしい。

(撮影協力/奥田典之)

CRAFT SAKE WEEK 開催概要

<六本木>
■イベント名 : CRAFT SAKE WEEK(クラフト サケ ウィーク)at ROPPONGI HILLS 
■開催期間 : 2017年4月7日(金)~4月16日(日) 12:00~21:00 (L.O. 20:30)
■会場 : 六本木ヒルズアリーナ (東京都港区六本木6丁目11−1)
■入場料 : CRAFT SAKEスターターセット 3,500円(税込) : 内訳:グラス+お酒・食事用250円コイン6枚分 : ※2回目以降の入場料は、イベントで配布したグラス持参で無料
■参加蔵数 : 各日10蔵ずつ 計100蔵参加 ※各蔵 3酒出展予定
■レストラン数 : 10店
「CRAFT SAKE WEEK」イベント公式サイト: http://craftsakeweek.com/

ライター紹介

川上康介
川上康介
ジャーナリスト。1971年、鹿児島県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。株式会社文藝春秋に入社し、「週刊文春」「CREA」「TITLE」などの雑誌編集に携わる。その後「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)編集部を経て、2009年に独立。ファッションからスポーツ、農業など幅広い分野の取材、執筆を行う。
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