人もビルもひしめき合う街、渋谷。
鮮やかな看板、小気味いい音楽、どの飲食店も競い合うように、自分達のお店をアピールしていますよね。その外観から「入ってみよう」と思ったこと、一度はあるのではないでしょうか。
そんな渋谷ですが、都会の喧騒に紛れた、いや、紛れすぎた隠れ家的名店がたくさんあるんです! 今回は、その中から厳選した3店を、行き方から紹介します!
ドヤ顔で教えたくなる、エレベーターで辿り着けない亜空間!「やきとん大地」
Apple Store渋谷のちょっと手前に「やきとん。」の文字。このビルの7階とのこと。
エ、エレベーターが6Fまでしかない・・・(困惑)
6階で降りると数段階段をあがったところに、まるでマンションの一室のような扉が。これは開けづらい…。
開くとそこには広々とした和の空間が!明るくて優しいスタッフさん達が出迎えてくれます。
完成まで2日かかるという牛もつの煮込みは、恋するくらいの上品な脂の甘み! もちろんこのスープにもしっかり脂の甘みが行き渡っています。バケットとは目からウロコ。めちゃくちゃ合います。無限に食べられる。
10年ほど前に開発された名物ポテサラ。もつ煮込みと同様、多くのお客様に愛される定番メニュー。しば漬けの色・塩気・酸味、ミョウガの風味とすっかり和食! 後引く味は箸を休める暇がない! 日本酒との相性も最高。
どれも外せない個性豊かな串たち!
レバー好きは涙がでるほど嬉しいごま油ネギのたっぷり乗った「ネギレバ」から始まり、肉の味がギューっと詰まった肉好き大満足の「カシラ」、ジューシーな脂が舌で弾ける「シビレ」、豚の脳みそをまるまる1頭分使ったふわふわとろけるような「ブレイン」、そして、全てのお肉の端材をミンチにしたという欲張りで味わい深い「マクラ」は、このお店のラストオーダーとして食べるというローカルルールだそう!
やきとんに合わせたいのが、この花雪。口に含んだ瞬間に、その振り切った甘みに驚くはず! 甘口なのに飲み飽きないのは、その優しい香りと独特のキレの強さのおかげ。自身の日本酒の嗜好を覆す一杯になるはず。
この甘口が、やきとんの味をリセットせずに、より美味しさを増してくれる。こんなマリアージュがあったのか…!「復興の応援をしたいんです」という店長の熱い想いにもじんわり。
全てのメニューが絶妙な相性で結ばれていく、最初から最後まで感動の連続。一度あの扉を開けたら最後。その味が、次は迷わずその扉へと誘うでしょう。誰かに自慢したくなる「ザ・渋谷の隠れ家」です!
- やきとん 大地
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東京都 渋谷区 神南
居酒屋
ふと迷い込んでしまった異世界の穴ぐらカフェ「カフエ マメヒコ 宇田川町店」
渋谷東急百貨店まで歩いたら、そのまままっすぐではなく、一本センター街側の裏通りへ
2階にセブンイレブン。住所は「セブンイレブン下」ということなのですが…
不動産屋とアーティストショップしか見えない…。
奥まった場所に重厚な扉が!
扉を開くと、まず感じるのはオイルランプとコーヒーのいい香り。一気に別世界へ引き込まれます。
「え、ここ渋谷だよね?」と思わず一度外に出て確認したくなるほど。暖かみのある木のテーブルが時を止めます。
ミルクの深い甘みのパンはなんとお店で作っているというこだわり。
柔らかい豚肉と、甘辛いソース、鼻に抜けるからし、こちらのカツも注文してから揚げるというから、もうカフェの域を超えています! しかししっかりとコーヒーに合うカフェメニュー。
歯をあてるとするりと解ける計算し尽くされたシルクのような寒天に、北海道の自社畑で作ったお豆は3日煮込んでるという手間暇。
ブラウンシュガーとホワイトシュガーのほの甘いシロップとダイレクトなお豆は、一度食べると誰もがぞっこんのヘビリピメニュー。
オシャレなカップにしっとり収まったコーヒーは、札幌の喫茶店「菊地珈琲」で焙煎されたお豆を使用。マメヒコ用にブレンド・焙煎されたメニューもあるそう。ここで菊地珈琲を知り北海道まで足を運ぶファンもいるほど!
もし東急百貨店の横の道をそのまま来てしまったら、セブンイレブンの中を通り抜けると1Fに降りる階段があります。自分だけの特別な秘密基地で、緩やかな時の流れをこだわり抜いたコーヒーとお食事でお楽しみください。
- カフェ マメヒコ 宇田川町店
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東京都 渋谷区 宇田川町
カフェ
ひっそりと慎ましやかな佇まいの中に色鮮やかな四季の移ろい「雨後晴 青山店」
渋谷からだと宮益坂上をまっすぐ進み、旧こどもの城を背中に246号線を1本入った路地裏
上を見て歩いていないとこの大事な電柱看板を見逃してしまう。タクシーの運転手をも惑わす強力トラップ!
石畳の私道を進むと…、ひっそりと黒い一軒家が。のれんも看板もなく小さな提灯がひとつ。
2階建ての1階部には存在感のある圧巻のカウンターが! 2階には個室や、2〜10名以上でも過ごせるテーブルのお席もあります。
運がいいと静岡のブランド天龍金目鯛が! 水深の深くで1年を通して脂の乗った金目は、産直で届くため鮮度の高いままいただけます。この日は三崎からのマコガレイ・クロムツ・石鯛との盛り合わせで。
噛めば噛むほど甘みが湧き出してくる天龍金目、新鮮で香りの高いプリプリのマコガレイ、脂の乗ったクロムツ、磯の香りいっぱいのイシダイと個性豊か! こんなに贅沢なのにこのお値段とは…!
のどぐろは、一人前(半身)から注文可能。人数に合わせて取り分けのし易いようにもして下さるとのこと。
通年食べれるというこちらのメニュー、時期により仕入れの港を変えているそう。ふわっふわの身からさらさらと溢れてくる上品な脂。そして絶妙な塩加減と調理も最上級。こちらも産直で届くため、新鮮でリーズナブルに頂けます!
冷酒とは思えないほど拡がる芳しさ。まろやかに舌に触るのに、すっと離れていくからするすると飲めてしまう!
都内で扱うお店も少なく、これを求めてお店に来る方もいるそう。その他の日本酒は、季節ごと、なくなるごとに新しいものと入れ替わり、いつ来ても違った日本酒が楽しめる。しかも種類問わずオール1000円とお値段を揃えていると言うから驚き! この磯自慢だけは1200円で定番として置いているそうです。
接待に、記念日に、勿論普段使いでも。一級のサービスと一級の味を、贅沢にリーズナブルに頂ける素敵な一軒家。季節の移ろいを確かめるように、日本の四季の味を心ゆくまで堪能してください。
- 雨後晴 青山店
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東京都 渋谷区 渋谷
割烹・小料理屋
いかがでしたか?
渋谷にはこんなに隠れ家の名店が有るんですね。
この記事を参考に、それぞれのお店にぜひ行ってみてください!
ライター紹介
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蛯原天
- タレント・フリーアナウンサー / 八丈島うまれ、伊豆大島出身。グラビアやバラエティで活動の傍ら、2010年よりインターネットライブメディアの世界へ。出演だけでなく企業のライブ配信の企画構成から技術、広告、執筆まで一手に請け負うマルチプレイヤー。好きな食べ物は赤身肉とチョコレート。