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連載:国民支持率No1メニュー"焼肉道"の極め方

いまの焼き肉ブームは「希少部位食べ比べ」から始まった〜国民支持率No1メニュー"焼肉道"の極め方〜

なぜ、人はこんなにも焼き肉に惹かれるのか。

肉が好きだから? ただ焼くというシンプルな調理法だから? それともみんなでワイワイ焼くというプロセスまでも楽しめるから? 

国民支持率No.1メニューと言っても過言ではないメニュー「焼き肉」の極め方を、焼き肉マニア小関氏が語り尽くします。

ライター紹介

小関尚紀
小関尚紀
リーマン作家/MBA/Yakiniku Journey(焼肉探検家) サラリーマン、作家。早稲田大学大学院修了。経営学修士。『「即判断」する人はなぜ成功するのか?』(サンマーク出版)など単著4冊。 趣味の焼き肉は、予約困難店含め140店舗以上を訪店。日々美しく、美味しい焼き方を独自に研究している。

日本人にとって、焼き肉は特別なメニューです。老いも若きも、男も女も。高級焼き肉も、コスパ重視焼き肉も。都会でも地方でも、ファミリー、カップル、おひとり様まで。

あらゆるシーンで、愛されてやまないメニューといえば、焼き肉しかありません。そんな焼き肉は今、空前のブームです。なぜ、ブームに至ったのかを今回は分析していきます。

始まりは希少部位化から。焼き肉の価値向上

今から12年前。2005年に東京都渋谷区恵比寿駅近くにオープンしたのが、『焼肉チャンピオン』です。

「ミスジ」「ザブトン」「イチボ」「トウガラシ」などそれまで存在したカルビ、ロース、赤身肉メニューを希少部位化した焼き肉店です。これが現在に続く、焼き肉ブームの火付け役となり、全国に流行したと言っても過言ではありません。

Hirano Yukihiroさんの投稿より

Hirano Yukihiroさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE7/SUB701/100000448056/4082612/
Hirano Yukihiroさんの投稿より

Hirano Yukihiroさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE7/SUB701/100000448056/4082612/

2007年に東京都港区青山に『よろにく』も登場し、希少部位化によるブームに拍車をかけています。タンをひとつとっても、タン芯、タン中、タン先では硬さが違います。よろにくでは、それぞれに硬さに応じて、食べ方を工夫しました。焼き肉をコース料理として向上させ、価値向上に貢献しました。

Shingo Otsukaさんの投稿より

Shingo Otsukaさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE23/SUB2302/100000002372/7414859/
Shingo Otsukaさんの投稿より

Shingo Otsukaさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE23/SUB2302/100000002372/7414859/

勿論、それ以前に一頭買いにより、希少部位化をしていた焼き肉店はありましたが、この2店は東京で、しかも大人に人気の街、恵比寿で、青山で、という好条件が整い、メディアにも取り上げられて露出され、希少部位が広まったのです。この希少部位化により、焼き肉の部位の種類が圧倒的に増加し、食べ方のバリエーションが非常に豊かになりました。

以降、一頭買いや牛枝肉買いで提供する店が加速的に増加し、徐々に希少部位も提供するようになります。ちなみに、希少部位化が進んだ理由として、肉の部位にはこれまで厳密な定義が無く、赤身っぽいのはロース、サシ(霜降り)の入ったのはカルビ程度の分類しかなく、細分化による価値の再定義をしやすい状態にあったことに起因しています。

希少部位は一昔前まで、上カルビや上ロースとして細かい区分けなく、提供されており、例えばザブトンは特上カルビや特上ロースとして、提供されていました。キラ星の如く登場したに思われがちなこの希少部位は、焼肉店の解釈の仕方、切り方により誕生したメニューだったのは実に驚きです。

希少性のアピールと、食べ方のバリエーションで、希少部位の存在が価値を生み、焼き肉自体の形を変えていきました。またカルビにロースという名称が、三角バラにササバラ、カメノコウにトモサンカクと呼び名を変えて、豊富になり、焼き肉が日本のユニークな食文化として確立していくことに拍車がかかりました。

SNSのユーザー拡大と#フォトジェ肉

ここ数年、FACEBOOK、Twitter、Instagramを開けばグルメ写真がずらりと並びます。特に肉盛りの写真は投稿映えるので、SNSの盛り上がりと焼肉の希少部位化は偶然ではありません。その証拠に、提供する焼肉店側もSNS投稿映えする工夫を凝らして盛り付けしています。

お皿に盛られた部位に名札を付ける。木箱に入れて盛りつける。肉の階段状にディスプレイする。29と書かれたバースデー肉ケーキ等。#フォトジェ肉 #肉スタグラムというハッシュタグも定着しました。

細分化された希少部位と投稿映えする肉の盛り付け。SNSの投稿頻度と共に希少部位化は供給側の提案だけに留まらず、需要側を波に乗せ、完全に定着してきたと言えます。

予約困難店で繰り広げられる肉会への参加ステイタス

SNSのイベントページでの焼肉店への誘い、また、グループで「肉部」を設立し、グル―プでグルメ投稿を目にすることも珍しくありません。

投稿で目に触れることにより、予約困難店の予約が更に困難になる現象も起き。数か月から数年待ちの焼き肉店まで存在します。

そんな中で常連と呼ばれる予約可能な人たちが予約を獲得し、肉会を催していきます。その、肉会への参加にもSNSが一役買っています。その肉会に誘われるというのも1つのステイタスとして進化してきました。予約困難焼き肉店への訪店は、リア充を加速させるからです。

美味しさ以外の価値も提供

希少部位化により、焼き肉は見せ方と食べ方のバリエーションが豊富になりました。更に盛り方の提案と肉会とSNSの存在。そして赤身肉、熟成肉、塊肉と次々とブームを生み出す焼き肉提供サイドの努力と連続性。

これらが絶妙なバランスで紐づくことにより、ブームを生み出すだけでなく、焼き肉ブームを継続していると考えられます。提供する側の価値と、実食する以外に魅せる、投稿するという新しい楽しみを発見した需要側のバランスした結果が、今の焼き肉ブームの源泉といえるでしょう。

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