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連載:意外に知らない、焼きそばの常識教えます

焼きそばは世界でこんなに愛されていた!150種類以上ある”焼きそばカルチャー”を本気で調べてみた

「アメリカにも焼きそばってあるんですか?」

焼きそばブロガーの塩崎です。みなさん、焼きそば食べてますか?

実は私、6月にアメリカの西海岸を訪れました。もちろん彼の地でも焼きそば三昧の日々だったのですが、そのことを話すと必ず訊かれることがあります。

「アメリカにも焼きそばってあるんですか?」

いやいやいやいや。焼きそばだらけというわけではありませんが、ちょっと探せばいろいろと見つかります。

アメリカだけでなく、昨年、イギリスへ行ったときもそうでした。(具体的にどんな焼きそばか知りたい方は、ぜひ私のブログをご覧ください!)

焼きそばはソース焼きそばだけではない

「アメリカにも焼きそばってあるんですか?」

これは恐らく「ソース焼きそば」をイメージしての質問なのでしょう。

しかしソース焼きそばは、焼きそばの一種に過ぎません。数式で書くと「焼きそば ⊃ ソース焼きそば」です!

私が日本以外の焼きそばとしてリストアップしているだけでも約150種類。まずは、私が考える「焼きそば」の全体像をご覧にいれましょう。 

そう、世界には、こんなにも多くの種類の焼きそばがあるんです。

密集地帯、アジアの拡大図はこちら。

ルーツは中国の炒麺(チャーメン/チャオミェン)

地図を見ていただくと分かりますが、ソース焼きそばは、私の考える焼きそばというジャンルのほんの一つです。

ソース焼きそばのルーツをたどると中華料理の「炒麺(チャーメン/チャオミェン)」に至ります。「炒」めた「麺」を翻訳して、「焼き」「そば」ですね。

「炒飯(チャーハン)」を「焼きめし」と呼ぶのと同じと思ってください。

私はこの「炒麺」を、イコール「焼きそば」と考えています。数式で表すと「焼きそば = 炒麺 ⊃ ソース焼きそば」ですね。

「焼く」「麺」の定義から考える「広義の」焼きそば

さらに進んで、「焼きそば」「炒麺」の「焼く」「炒める」、あるいは「そば」「麺」の定義について考えてみましょう。

日本語の「焼く」という動詞は色んな意味を内包しています。

英語でいう「stir-fried(混ぜ炒め)」「pan-fried(炒め焼き)」「toss-fried(煽り炒め)」「deep-fried(揚げ焼き)」「grilled(直火焼き)」「baked(オーブン焼き)」「sautéed(ソテー)」などは、それぞれ別々の調理法です。

中国でも「炒」「烧」「煎」「烤」など色々な焼き方を明確に区別しています。

しかし日本では「焼きそば」も「焼き魚」も「焼きたてパン」も全て「焼く」と呼んでいます。

また中国語で「麺」と呼ぶ場合、小麦粉そのものや小麦粉を原料にした食品全般を指します。

すいとんのような形状でも「麺」ですし、「パン」でさえも「麺包(ミェンパオ)」と呼ばれる「麺」の一種なのです。

また暑い地域では、小麦ではなく米が原料のライスヌードル(米粉・河粉)が、逆に寒い地域では、ジャガイモや緑豆のでんぷんを使った春雨(粉条)などが存在しています。

それらを炒めたものも「炒麺」の仲間と捉えられています。

他にもこの地図の中には焼きそばに分類すべきか異論が出そうな料理もあります。

例えばアラビア半島のリズ・ビ・シャアリーヤ(رز بالشعرية)。

これはレバノン風ライスとも呼ばれる料理で、極細のパスタ(乾麺)を短く折ってお米と一緒に炊いたものです。

中近東のほぼ全域に類似の品があり、出来上がった状態だけを見ると麺の混じったお米です。

しかし炊く前にパスタ(乾麺)を油で炒めるので、「炒めた麺」の条件に適っているため、この地図に含めました。

そんなわけで、この焼きそばMAPは広い意味での焼いた麺、「広義の」焼きそばと思ってください。

世界に広がる焼きそばファミリー

中国の「炒麺(チャオミェン)」はネパールやインド、さらにはアメリカ大陸へも、その料理名「Chow Mein」で伝わりました。

また、ご存知の方も多いでしょうけど、東南アジアには「パッタイ」や「ミーゴレン」など、焼きそば系の麺料理があちこちに存在します。

さらにロシアやブラジルのように中国の炒麺ではなく日本の焼きそばに由来する「ヤキソバ」という料理名で提供されている場合もあります。

日本でおなじみのソース焼きそばが世界各地の日本料理店で提供されているように、この地図に記載していない地域でも、中華料理店やエスニック料理店へ行けば様々な焼きそばに出会えます。
そう、世界中に焼きそばはあるのです。

東京で食べられるおススメの海外焼きそば

実際にどんな焼きそばの仲間が存在するのか、東京で食べられるおススメの海外焼きそばをご紹介しましょう。
現地の味・雰囲気をできるだけそのまま再現している店を選んでみました。

香港麺 新記 三宿本店の「豉油皇炒麺」

香港麺 新記は、本場の老舗の味を日本で再現した香港の麺料理専門店です。三宿にある本店のほか、虎ノ門や四谷三丁目にも支店があります。

こちらで食べていただきたいのが、現地で「豉油皇炒麵」と呼ばれている醤油焼きそば。

香港には様々な麺類がありますが、炒麺といえばまずこれを指します。

極細麺と細切りの豚肉、ニラ・モヤシを炒めて中華醤油で味付けしたシンプルな焼きそばです。ジャンクな味わいが癖になりますよ。

詳しいレポートはこちら→香港麺 新記 三宿本店 (焼きそば名店探訪録)

東新宿・山西亭の「過油肉刀削炒麺」

「麺食の故郷」とも呼ばれる山西省。その郷土料理を食べられる貴重なお店が山西亭です。

麺生地の塊を豪快に刃物で削って茹で上げる刀削麺と、山西省の郷土料理・過油肉(グォヨゥロゥ)を合体させた「過油肉刀削炒麺(过油肉刀削炒面)」が特にオススメ!

山西省名物の黒酢による味付けと刀削麺独特のモチモチ感は、この店でしか体験できない味わいです。
もし「豉油皇炒麺」と食べ比べたなら、同じ「炒麺」でこんなに違うのかと驚くことでしょう。
詳しいレポートはこちら→山西亭 (焼きそば名店探訪録)

浅草・モンティの「パッタイ」

タイ料理店ではほぼ必ず提供している定番メニュー、"タイ風焼きそば"として知られる「パッタイ」。

もし食べるなら浅草地下街にあるモンティがオススメです。本場の雰囲気と味が楽しめるタイ料理店なんですよ。

この店のスパイシーな料理は本当に辛口で人を選びますが、パッタイは万人受けする美味しさ。

お米を使ったタイのライスヌードル・センレックの食感と、いかにもエスニックな風味を楽しんでください。

詳しいレポートはこちら→モンティ (焼きそば名店探訪録)

新高円寺・カフェバリチャンプルの「ミーゴレン」

マレーシアやシンガポール、インドネシアでは「ミーゴレン」という焼きそばが食べられています。

地域によって微妙な差異があるのですが、日本人の口に合うのはバリ島スタイルのミーゴレンでしょう。

新高円寺にあるカフェバリチャンプルでは、そのバリ島スタイルの「ミーゴレン」が食べられます。

ケチャップアシンという薄口の醤油であっさり気味に味付けされているのですが、エビを発酵させた蝦醤と唐辛子で作ったサンバル・トゥラシで味変すると表情が一変するんです。

ぜひお試しあれ。

詳しいレポートはこちら→カフェ バリチャンプル (焼きそば名店探訪録)

大塚・ネパリダイニング ダルバートの「特製チャウミン ミックス」

ネパール人が厨房に立つインド料理店は全国にありますが、最近、東京では純粋なネパール料理を出す店が徐々に増えてきました。大塚のダルバートもその一つ。

ダルバートというのはネパールで日常的に食べられている定食で、こちらの看板メニュー。

さらにこの店ではネパール式の焼きそば「チャウミン」などの軽食も充実しています。

ネパール式チャウミンはもちろんスパイシーな味付けなんですが、日本人がイメージするカレー味の焼きそばとは辛さの重厚さが違うんですよね。

ケチャップが付いてくるのも本場と同じスタイルです。辛い麺がお好きな方は一度味わってみてください。

詳しいレポートはこちら→ネパリダイニング ダルバート(焼きそば名店探訪録)

本牧・ムーンカフェの「ホノルルチャウメン」 

東京からちょっと離れますが、横浜の本牧にあるアメリカン・ダイナーのムーンカフェでは、ハワイ式の焼きそば「チャウメン」が食べられます。

ハワイは日系移民や中国系移民が多く住んでいるため、醤油味の焼きそばが割と一般的に食べられているんですよ。

こちらで人気の「ホノルル・チャウメン」はカリカリに焼いた麺とスパムにカマボコを炒めたもの。

ナルト巻がトッピングされていて、タクワンとご飯とフォーチュンクッキーが添えられている、何とも無国籍な一皿です。

見た目のインパクトだけでなく、味の方も絶品なんですよ。

詳しいレポートはこちら→MOON Cafe  (焼きそば名店探訪録)

アルコ イリス 五反田店の「タヤリン・サルタード」 

最後は南米、ペルーの焼きそば。

ペルーでは中国移民が持ち込んだ調味料や技法と現地の料理が融合した、チーファと呼ばれる料理ジャンルがあります。

そのチーファの中に「タヤリン・サルタード」という焼きそばがあるんです。

スペイン語で「タヤリン(Tallarin)」は「麺・パスタ」、「サルタード(Saltado)」は「炒める」。まさに「炒麺」ですね。

五反田にあるアルコ・イリスでは、そのタヤリン・サルタードが食べられます。

茹でおいたスパゲティと牛肉・紫玉ネギ・トマトを炒め、醤油やニンニクで味付けした品で、日本人の好みにドンピシャはまる味わいなんですよ。

一度食べたらペルーを身近に感じることでしょう。

詳しいレポートはこちら→アルコイリス 五反田店 (焼きそば名店探訪録)

以上、東京で食べられる世界各地の焼きそばをご紹介してみました!

他にも各国の焼きそばが食べられる飲食店はたくさんあります。

Rettyや私のブログ・焼きそば名店探訪録で、あなたのご近所のお店をぜひチェックしてみてください!

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