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連載:人生最高レストラン

中尾彬も感嘆する「神田まつや」。味、品書き、客あしらい…老舗の真髄をこの店はさりげなく語る

誰しも、人生で一番美味しかった料理がある。

味はもちろんのこと、共にいた仲間。感じた想い。交わした言葉。目にした風景…。様々なことが重なり合って、美味しい想い出を創り上げている。

そんな、忘れられない最高の料理を語る番組『人生最高レストラン』。これは当番組で紹介された一品を、ライター松浦達也が実際に食し、その想い出を追いかけた記録である。

ライター紹介

松浦達也
松浦達也
ライター/編集者。「食べる」「つくる」「ひもとく」を標榜するフードアクティビストとして、テレビ、ラジオなどで食ニュース解説を行うほか、『dancyu』から一般誌、ニュースサイトまで幅広く執筆、編集に携わる。著書に近著の『新しい卵ドリル おうちの卵料理が見違える』ほか『家で肉食を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(ともにマガジンハウス)など。

老舗という言葉を辞書で引くと「代々同じ商売を続けている店。由緒正しい古い店」(大辞林)とある。その語源は「動詞「しにす(仕似)」の連用形から」(同)、つまり仕事を似せることである――。

芸能界きっての趣味人である中尾彬さんも「人生最高レストラン」でこの店の話になったときに言っていた。

この店とはどこか。明治17(1884)年創業の『神田まつや』である。池波正太郎など、うまいものに目がない先達が足繁く通った老舗そば店。平日は朝11時の開店から休憩なしの夜8時まで客が引きも切らない。閉店が1時間早い土曜日などは明るいうちから昼酒と蕎麦屋のつまみに舌鼓を打つ客で、一日中店内はにぎわっている。

6代目主人の小高孝之さんも「老舗の仕事を継ぐということは、手前どもで言えば父や祖父のやってきたことに似せるところから始まる」と言う。

そうした精神は客あしらいの最前線に立つ花番のお姉さま方にも通底していて、どの花番さんもスッと気持ちのいいタイミング、柔らかな笑顔で声をかけてくれる。いつも変わらぬ、さりげない気配り。それが老舗の接客なのだ。

気配りは、そばの盛り方にも現れている。神田まつやのそばは「もり」や「ざる」などを箸でたぐるときに、ちょうどいい量だけが箸に乗り、余計な蕎麦が絡みつくことがない。6代目はこともなげに「それが普通なの」と言いながら、「実は結構難しいんだけどね」と控えめに微笑んだ。

「箸であげたときに、横からそばが引っ張られちゃうような盛り方はダメなんです。どこに箸を入れてもすっとほしい量のそばが抜けるようじゃないと。見た目もきれいで、抜けもいい。そう盛るのが蕎麦屋の仕事なんです」

朴訥とした6代目の受け答えは「こともなげ」「さりげない」という形容が似合う。同様に、この店では何を頼んでも、当たり前のようにうまいものを出してくる。

名物のごまそばや「もり」や「ざる」といった定番はいつも間違いないし、海苔たっぷりの花巻や冬の鴨南蛮もいい。「まずは一杯」と酒のつまみにするならば天ぬきやわさびいもから入ったりもする。周囲を見回すとそば以外の親子丼やかき揚げ丼を頼んでいる客もいる。いずれもここにしかない味わいだ。

さあて、どうしようか――。なんてふうに何を注文するか散々迷うのも、この店におけるとても幸せでぜいたくな時間だ。ようやく注文を決めて、顔を上げると花番さんが「はーい」と明るい声とともに用を聞きにくる。味はもちろん、客あしらいから盛り方、品書きの構成に至るまで、ひとつひとつの仕事の積み重ねが、神田まつやという老舗の居心地を演出している。

そして食べ終えると、満足げなお腹をさすりながらいつも思うのだ。

「次は相席の客が食べていたアレを注文しよう」と。

人生最高レストラン

TBSテレビ・土曜よる11:30〜 MC:徳井義実(チュートリアル)、笹川友里

ゲストの「人生で最高に美味しかったものの”お話”」が聞ける、新感覚・グルメバラエティ。「人生最高に美味しかったもの」を通して、その人の人となり、価値観、人生が浮かび上がる、まさに人と食は切っても切れない関係だということを教えてくれます。

9月23日(土)のゲストは、田中美佐子さん。

心休まる週末の夜に、美味しい話、奥深い語らいで豊かなひとときを過ごしてみてはいかがですか?

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