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連載:人生最高レストラン

あのデヴィ夫人を唸らせる奥渋「ケラケラ」。優しい味わい、居心地のよさに心も体も癒されて

誰しも、人生で一番美味しかった料理がある。

味はもちろんのこと、共にいた仲間。感じた想い。交わした言葉。目にした風景…。様々なことが重なり合って、美味しい想い出を創り上げている。

そんな、忘れられない最高の料理を語る番組『人生最高レストラン』。これは当番組で紹介された一品を、ライター松浦達也が実際に食し、その想い出を追いかけた記録である。

ライター紹介

松浦達也
松浦達也
ライター/編集者。「食べる」「つくる」「ひもとく」を標榜するフードアクティビストとして、テレビ、ラジオなどで食ニュース解説を行うほか、『dancyu』から一般誌、ニュースサイトまで幅広く執筆、編集に携わる。著書に近著の『新しい卵ドリル おうちの卵料理が見違える』ほか『家で肉食を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(ともにマガジンハウス)など。

奥渋――近年、渋谷の神山町や富ヶ谷あたりがこんなふうに呼ばれるようになった。洒落たギャラリーやカフェが立ち並ぶ、いわゆる「渋谷」のイメージとは一味違うエリアだ。

その「オクシブ」の奥の奥、一本脇道に入ったところに「ワインバー・ケラケラ」はある。

「この夏、夫人からのお声がけでテレビに出させていただくまでは、一切宣伝めいたことはしていなかったんです。

でも場所もわかりにくく、情報もないのではお客様にご不便をおかけしてしまう。あわてていくつかのSNSやGoogleに登録しました。夫人にご迷惑をおかけするわけにはいきませんから」

そう語るのは『人生最高レストラン』でデヴィ夫人の推薦を受けたワインバー・ケラケラのマダムだ。

夫人のお気に入りは、番組で「本っ当にここ、世界一だと思うんですよ」と絶賛していた「ナスのミートチーズ焼き」だ。

もっとも「世界一」という夫人からの評価に、マダムは恐縮しきり。

「とんでもないです。もう恐れ多くて……。ほら、夫人は世界中のおいしいものを召し上がってらっしゃるから、こういう庶民的な料理を召し上がった経験があまり多くないのでは……」

と、マダムはひたすらに謙遜するが、確かにこの一皿には人を惹きつける魅力が充満している。オリーブオイルで炒めた輪切りのナスの熟々しさ、たっぷりのミートソースという有無を言わせぬ磁力…。オーブンでしっかりと焼き目をつけられ、グラタン皿の外側へとあふれ出したチーズのあられもない姿には思わずうっとりしてしまう。

そこにおもむろにスプーンを入れ……。

底に敷き詰められたナスごとミートソースとチーズを引き上げる。

ふうふうと口をとがらせた後にスプーンを口に運べばチーズとナス、それぞれのトロトロ感が口の中で流れ出す。

味の決め手となる自家製ミートソースは牛と豚の合い挽きに玉ねぎ、それにホールトマトと赤ワインを加えて軽く煮たもの。素材の風味がわかる、やさしい味に調えられている。

炒めたナス+ミートソース+チーズという組み合わせの味わいは思いのほかやさしい。とろりとしたナスのやわらかい繊維の間から、オリーブオイルの清々しさが香る。

ボリュームはあるのに、「うまいだろう?」と言うような押しつけがましさはまったくない。

そう。この「ワインバー」は疲れないのだ。

「3800円から」というワインはイタリアを中心にフランス、ルーマニア、南アフリカのものなど気軽に楽しめる価格帯だから、ついボトルを注文してしまう。もっともその料理は塩や油を強くして酒を呑ませようというような店とは対極にある。ワインを振る舞いながら、体を気遣うようなやさしさすら感じられる。

番組で紹介された「パクチーのせ牛ステーキ」はステーキが見えないほどパクチーをどっさり盛ったサラダのような仕立て。「チリコンカンとチップス」はきっちり辛く、肉と豆の味わいがググッと引き締まる。

パクチーのせ牛ステーキ。ステーキはパクチーの下にいる

パクチーのせ牛ステーキ。ステーキはパクチーの下にいる

チリコンカンとチップス。「唐辛子をハバネロからカイエンペッパーに変えたら、すぐ夫人に気づかれて驚いた」

チリコンカンとチップス。「唐辛子をハバネロからカイエンペッパーに変えたら、すぐ夫人に気づかれて驚いた」

気づけば、ワインは2本目に。まるで極上の家飲みのような気安さと心地よさ。

いつの間にかマダムもワイングラス片手に、客とカラカラと笑い合っている。注文したワインをマダムのグラスに注ぐと、ちょっとしたお楽しみが返ってくることも。つまみから、チャーミングなマダムの酒に対する愛情が垣間見える。

生ハムといちじくのタルティーヌ

生ハムといちじくのタルティーヌ

「生ハムといちじくのタルティーヌ」で「クリームチーズは食べていただいたから」と微笑みながら「自家製ラム酒レーズンとクリームチーズ添え」のチーズをさりげなくマスカルポーネに変更してくれた。

自家製ラム酒レーズン、クリームチーズ添え

自家製ラム酒レーズン、クリームチーズ添え

しかもこの「自家製ラム酒レーズン」がすばらしく酒浸りである。ラムが香る、というレベルではなく、酒にきちんと浸かった状態で供された。

つまんだ後はレーズンのフレーバーが移ったラム酒をショットで煽る楽しみもついてくる。くつろぎ過ぎてしまい、思わずこんなものまで頼んでしまった。

明太子のクリームパスタ。完全にやり過ぎである

明太子のクリームパスタ。完全にやり過ぎである

もしかするとここは店ですらないのかもしれない。そう錯覚するほどの居心地の良さ。ああ、"奥渋"に引っ越したい。

人生最高レストラン

TBSテレビ・土曜よる11:30〜 MC:徳井義実(チュートリアル)、笹川友里
ゲストの「人生で最高に美味しかったものの”お話”」が聞ける、新感覚・グルメバラエティ。「人生最高に美味しかったもの」を通して、その人の人となり、価値観、人生が浮かび上がる、まさに人と食は切っても切れない関係だということを教えてくれます。

11月18日(土)のゲストは、谷原章介さん。

心休まる週末の夜に、美味しい話、奥深い語らいで豊かなひとときを過ごしてみてはいかがですか?

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