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連載:国民支持率No1メニュー"焼肉道"の極め方

炊飯ジャーから白飯をよそい、冷蔵庫から酒を取り出す。セルフスタイル焼き肉が予約一年待ちになる理由

なぜ、人はこんなにも焼き肉に惹かれるのか。

肉が好きだから?ただ焼くというシンプルな調理法だから?それともみんなでワイワイ焼くというプロセスまでも楽しめるから?

今や、国民支持率NO.1メニューといっても過言ではないメニュー「焼き肉」の極め方を焼肉マニア小関氏が語りつくす連載です。

ライター紹介

小関尚紀
小関尚紀
リーマン作家/MBA/Yakiniku Journey(焼肉探検家) サラリーマン、作家。早稲田大学大学院修了。経営学修士。『「即判断」する人はなぜ成功するのか?』(サンマーク出版)など単著4冊。 趣味の焼き肉は、予約困難店含め140店舗以上を訪店。日々美しく、美味しい焼き方を独自に研究している。

近年、焼き肉店のバリエーションが増加

最近、焼き肉店を訪店する機会があると思いますが、何か気づくことはありませんか?

そうです。焼き肉店のバリエーションが確実に増加しているということです。

通常の自分で焼いて食する焼き肉店が主流なのは変わりません。ですが、立ち食い寿司のように商品札がかかり、肉1枚から提供する立ち食い焼き肉スタイル、その名の通り、お一人様焼き肉、肉はコースにして、ドリンクやご飯を自分でよそうセルフ焼き肉スタイルです。

一方で、「西麻布けんしろう」や「大貫」のように店員の焼き手が良いタイミングで焼いてくれる高級焼き肉店。前者がコストを抑えた焼き肉店に対し、後者は高級店に分類されています。なぜ、今こういう現象が起こっているのでしょうか?

和牛の子牛価格がここ5年で2倍に

ここに1つのデータがあります。過去5年間の国内における肉用子牛「黒毛和種」の肉用子牛の平均の売買価格データをグラフにまとめてみました。

これを見てもわかる通り、将来的に焼き肉の基になる牛枝肉、その子牛の価格が今高騰しています。

2012年度と2016年度を比較すると、価格が実に2倍弱跳ね上がっています(42万円→82万円)。肉用子牛価格「黒毛和種」は、2001年(平成13年度)BSEの影響により、下回る傾向をみせたものの、2002年(平成14年度)以降は上昇傾向で推移し、2010年(平成22年度)以降は、枝肉価格が上昇したことから、右肩上がりで上昇しています。(出典:農林水産省『食肉鶏卵をめぐる情勢(平成29年2月9

そもそも和牛は精密機械とも呼ばれ、和牛を作りだすのに子牛を生ませるところから、肉にするところまでに12人のプロフェッショナルが関わっていることから、コストは高騰してました。

農林水産省『平成12年度以降の肉用子牛の平均売買価格及び補給金単価』http://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/lin/attach/pdf/index-39.pdf

農林水産省『平成12年度以降の肉用子牛の平均売買価格及び補給金単価』http://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/lin/attach/pdf/index-39.pdf

一方で、世の中は焼き肉ブーム。老いも若きも何かにつけ、焼き肉店を訪店し、人気は加速しています。つまり、老いも若きも顧客の舌は年々超えていくばかり。

そんな風に焼き肉人気が加速する中、焼き肉店側は、和牛が高騰しているからといって、肉質が低い、安価な肉など提供できません。そうなるとどうなるのか? より高級路線に舵をきるか。間接費用、特に人件費を抑えていくか。の二択になります。

高級路線で顧客が継続的に入り続けるお店は何ら、問題はありません。残るは、原材料の高騰により、工夫を強いられる焼き肉店です。そこでセルフスタイルの焼き肉店が人気を博すことになったのです。

セルフスタイルの焼肉とはどういうものか? 

コースの肉はテーブルに運ばれてきます。それ以外のドリンクやご飯はセルフサービスになります。これまでドリンクやご飯もサーブしていた店員の人件費がかかりません。顧客の立場に置き換えれば顧客は放題というキーワードに転換され、逆に、喜ばれます。

焼き肉は不思議なことに元々メインである肉を焼く、仕上げる行為を顧客自身が行います。故に、ドリンクやご飯、場合によってはスープまで、顧客自身が自らやるセルフ焼き肉に違和感があまりなく、成立したのでしょう。

間接コスト削減により、お肉自身は美味しい前提なので、セルフ焼き肉というコンセプトが流行するということになります。

肉はコースで提供し、お酒は冷蔵庫から自ら取り出し、白飯は炊飯ジャーから自らよそう、本当の家飲み感覚のセルフスタイルの焼き肉が流行しており、お店によっては予約1年待ちという状況が続いています。

これで大成功しているのが、「肉と日本酒」、「GU3F」、「ヒロミヤ2F個室」です。

肉と日本酒(台東区)

20名以上~45名以下の貸し切り専門焼き肉。2時間30分。前菜、焼き肉のコース、(ご飯、スープ、日本酒60種類)は飲み食べ放題、6,500円(税込)/人

GU3F(品川区)

6名以上~10名以下。3Fのみ貸し切り。2時間。前菜、肉のコース。ご飯はジャーにある分。ドリンク飲み放題。5,000円(税込)/人。2018年4月から5,400円(税込)/人

ヒロミヤ本店 2F個室&ヒロミヤ本店ハナレ 2F個室(新宿区)

10名以上~16名以下。2時間。肉のコース300g、ドリンクは冷蔵庫にあるだけ飲み放題。6,000円(税込)/人

あまりにもヒロミヤの予約がとれなさ過ぎて、昨年の3号店に引き続き、今年の7月、満を持して、登場したのが、
「ヒロミヤ本店ハナレ2F個室」です。通称どこでもドアと呼ばれるピンクのドアを開けると2Fにあがり、ハナレに到着します。

3時間 7,000円(税込)。肉のコース300g、ドリンクは冷蔵庫にあるだけ飲み放題。

ご紹介した3店。これだけ予約がとれないと最早、隠れ家。いや、隠れすぎている焼き肉屋。

正直なところ、1年前に取った予約を忘れていたことが何度かあります。
でも数週間前にお店からリマインドメールを頂くとそこから人数集めをするのですが、これだけの人気店。すぐに集まります。

今や、この3店の予約はプラチナチケットともいうべき存在。プラチナチケットが取れれば、人気者になること間違いなしです。

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