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連載:人生最高レストラン

竹内涼真のチーズ偏愛ここに極まる。妥協を許さない中目黒・聖林館のナポリピッツァ

誰しも、人生で一番美味しかった料理がある。味はもちろん、共にいた仲間。感じた想い。交わした言葉。目にした風景…。様々なことが重なり合って、美味しい想い出を創り上げている。

そんな、忘れられない最高の料理を語る番組『人生最高レストラン』。これは当番組で紹介された一品を、ライター松浦達也が実際に食し、その想い出を追いかけた記録である。

ライター紹介

松浦達也
松浦達也
ライター/編集者。「食べる」「つくる」「ひもとく」を標榜するフードアクティビストとして、テレビ、ラジオなどで食ニュース解説を行うほか、『dancyu』から一般誌、ニュースサイトまで幅広く執筆、編集に携わる。著書に近著の『新しい卵ドリル おうちの卵料理が見違える』ほか『家で肉食を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(ともにマガジンハウス)など。

東京のピッツァを語るのに欠かしてはならないピースがある。なかでも重要なピースは、1995年に「SAVOY」としてオープンし、2007年にリニューアルオープンしたこの店――中目黒の「聖林館」だろう。

『人生最高レストラン』で「異常なるチーズ愛」と評された竹内涼真さんが愛してやまない店であり、番組内で司会の徳井義実さんが口にしたとおり、ピッツァ好きには聖地とも言える店だ。今日の日本におけるピッツァの隆盛は、この店があったからこそとも言える。

もっともこの店、ピッツァ以外のメニューのほうが遥かに多い。前菜は十数種類あるし、パスタも8種類ある。だが、ピッツァは2種類のみ。モッツァレラチーズとトマトソースのマルゲリータと、チーズなしのマリナーラだけである。

そう、この店のピッツァは特別なのだ。このマルゲリータとマリナーラは22年間、ひたすらピッツァと対峙し、格闘してきたオーナーシェフの熱意と誠意そのものだ。365日営業し、昼も夜も店を開ける。「内装も自分で考えた空間で、好きなビートルズを聞きながら、大好きなピッツァを作る。それ自体が喜びだから」と言いきる。

熊本産の小麦粉を使った生地は、最小限のイーストで48時間低温に置いて発酵させる。内麦(国産小麦)ならではのキメの細かさを備えた生地を手で伸ばし、イタリア産トマトのトマトソースをなでつけ、イタリア産モッツァレラチーズを散らす。

「イタリア産のトマトって甘味だけでなく、きちんと酸味も感じられる。モッツァレラもイタリア産はわざとらしい味じゃなく、素直な味がするんです」

ピッツァは400℃を超える薪窯で1分で焼き上げられる。もちもちとした生地は小麦の旨みが深く、焼き目からは抗えない香ばしさが漂う。チーズやトマトソースのクリアな味わいは、生地と組み合う力強さにあふれている。生地、チーズ、ソースのいずれもが主張しながら、ぎりぎりの均衡を保っている。

そして口に放り込んだ瞬間、その均衡が暴発する。ある一口ではそれぞれがくっきりと主張をし、またある一口では三位一体の味と香りが口から鼻腔へと抜けていく。くるくると表情を変え続ける味わいにうっとりしていたら、気づけば手に持っているのはピッツァの"耳"のみということもしばしば起きる。それは人によっては悲劇のように感じられるかもしれない。

だが案ずることなかれ。
待っているのは悲劇ではなく、歓喜である。このピッツァは、"耳"までもがごちそうだ。

人生最高レストラン

TBSテレビ・土曜よる11:30〜 MC:徳井義実(チュートリアル)、笹川友里
ゲストの「人生で最高に美味しかったものの”お話”」が聞ける、新感覚・グルメバラエティ。「人生最高に美味しかったもの」を通して、その人の人となり、価値観、人生が浮かび上がる、まさに人と食は切っても切れない関係だということを教えてくれます。

次回12月16日(土)のゲストは、カンニング竹山さん。

心休まる週末の夜に、美味しい話、奥深い語らいで豊かなひとときを過ごしてみてはいかがですか?

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