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連載:「東京最高のレストラン」編集長が語る2017ー2018

2017年を象徴する店は?17年続くレストランガイド・東京最高のレストラン編集長が語る!

毎年、次々と新しいレストランが誕生し、進化し続ける飲食店業界。

その中で生まれる食トレンドやブームは、現代の人々の欲求を満たすべく、常に新しさや驚きを与え続けています。

そんな中、食通の常備本と言われ、今年で17年の発行をむかえた、最も歴史あるレストランガイド「東京最高のレストラン」。

先日、最新号「東京最高のレストラン2018」(ぴあ)が発売されたばかり。

今年2017年は、どんなレストランが注目されたのか?傾向はあるのか?

そこで今回、「東京最高のレストラン」の編集長であり、Retty TOP USER PROとして活躍される、大木淳夫さんにご協力いただき、17年という月日の中で感じた"食の変遷について"、そして、"2017年を象徴するお店"について語っていただきました。

お話を伺った人/Retty TOP USER PRO

大木淳夫
大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長を創刊より務める。他の編集作品「グルメ多動力」(堀江貴文)「東京とんかつ会議」(山本益博/マッキー牧元/河田剛)等。

2001-2017。この17年で「外食」はどう変化した?

2001年。「日本にはミシュランのようなものがないよね…というところから「東京最高のレストラン」はスタートしました。時代の食の変化を記録として、1冊の本に残すことができれば…と思ったんです。

こうして振り返ると、大体5年ごとに、エポックメイキングがあるように感じます。

まず一つ目の節目は「2005年前後」。
鮨の荒木氏、清水氏、澤田氏ら、当時30代の若手が、"すしボーイズ"と呼ばれるようになり、現在の鮨ブームへと繋がりました。

そして、麻布十番の「カーザ ヴィニタリア」で、締めにパスタを食べるというスタイルが提供されたり、銀座にある紹介制ステーキレストラン「かわむら」がオープンしたのもこの頃。

日本料理の名店「かんだ」の"和食にワイン"というスタイルが登場したのも、当時非常に画期的でした。どれもこれも、今の様々なブームの原点はここにあるような気がしますよね。

二つ目の節目は「2010年前後」。
若手シェフの独立や、外食産業以外の資本参入による出店増、カジュアルフレンチなどが増え、そして2011年の3月に起こった東日本大震災によって、飲食業界も人の暖かさを求めた、こじんまりとした店内で味わう、カウンター人気が誕生したように感じます。

その後、2013年のアメリカ産牛肉の規制緩和による、熟成肉ブームや赤身肉ブーム。「肉山」のオープンも2012年です。

三つ目の節目は「2015年前後」。
クラウドファンディングという仕組みも生まれ、料理がより自由になっていきます。

その少し前の2013年に、亀戸の隠れ家イタリアン「メゼババ」がオープン。利便性とは真逆で、美味しければ遠くても行く、わざわざ行くことがエンターテイメントだという流れがここで誕生したように思います。

またSNSの台頭によってお店が「見栄え」を気にするようになり、高級食材のトリュフ、キャビア、ウニが多用されるようになったのもこのころでしょう。

2017年「料理はより自由」に…今年を象徴するお店はこの3軒!

そして、料理が、ジャンルの垣根を超え、より自由になったのが2017年だと思います。どのお店の料理も「美味しい」ということが大前提としてありますが、その上で何ができ提供できるか、ということに注力されるようになりました。

そんな中、目立ったのは、高い技術力を持ったシェフの挑戦。例えばこの「おそうざいと煎餅もんじゃ さとう」です。

おそうざいと煎餅もんじゃ さとう(代々木八幡)

店主の佐藤幸二氏は、ポルトガル料理「クリスチアノ」やタイ料理「パッポンキッチン」などの人気店を開いた方。その彼が、自身がもともと好きだったという「もんじゃ焼き」のお店を2017年2月にオープンしました。

Mami.Tさんの投稿より

Mami.Tさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE1/SUB111/100001327708/30035964/
Takuma Fujitaさんの投稿より

Takuma Fujitaさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE1/SUB111/100001327708/28582510/

「天かす、切りイカ、干しエビを使う」という、もんじゃの基本は崩さずに、鉄板の上に具材を全て広げて作る、浅草方式を選択。

それ以外は、自由にもんじゃを捉えることによって従来の常識を覆す、新感覚のもんじゃがこの店では味わえるのです。

使用するキャベツも1日干してから使うというこだわりよう。
しかも、なぜかご飯と一緒に食べたくなる美味しさなのです。

ペタンク(浅草)

今年を象徴する店として紹介したいのが、浅草の「ペタンク」。

「ワインショップ&ダイナー FUJIMARU 浅草橋店」や、今はなき銀座の「グレープ・ガンボ」のシェフを務めた山田武志氏が今年4月にオープンした、カウンター8席のビストロです。

"浅草観音裏"という場所を、一躍有名にしたといってもいいでしょう。

Hiromi Yanagawaさんの投稿より

Hiromi Yanagawaさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE9/SUB902/100001332639/30734738/

名物のチューリップカラアゲやウフマヨが絶品で、ハイクオリティーながらも敷居が低く、誰でも気軽に楽しむことができるお店です。

Hiromi Yanagawaさんの投稿より

Hiromi Yanagawaさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE9/SUB902/100001332639/30734738/
Mitsumasa Sugawaraさんの投稿より

Mitsumasa Sugawaraさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE9/SUB902/100001332639/29298603/

グラスワインの値段は何を頼んでも均一価格。その分、高いワインは量が少なめになります。そんな配慮も素晴らしいお店です。

茶禅華(広尾)

そしてもう一つ忘れてならないのが「茶禅華」。
高級中華かつ現代的な中華料理を提供するという非常に珍しいお店が登場しました。

まだ30代という若きシェフ、川田智也氏は「麻布長江」で長年修業を積み、その後、日本料理の「龍吟」で経験を積んだ持ち主。

その経験から、日本料理のエッセンスを感じる、非常に繊細な料理が特徴です。

Yutaro.Kさんの投稿より

Yutaro.Kさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE14/SUB1405/100001330051/30839792/
Yutaro.Kさんの投稿より

Yutaro.Kさんの投稿より

画像引用元:https://retty.me/area/PRE13/ARE14/SUB1405/100001330051/30839792/

特にお茶とのペアリングが圧倒的に素晴らしいのです。

単なる和とのフュージョン料理と捉えることのできない茶禅華の素晴らしさは、想像以上の感動をもたらしてくれます。

***

技術に裏打ちされた、真似のできない、各シェフのこだわりが、「より自由な料理」の提供スタイルを見出し、私たちに感動をもたらしてくれていることがわかりました。

そして、その感動の根源は結局のところ「人」だとと語る大木さん。アノ人のアノお店…と語られる、各シェフの熱意やチャレンジに、これからも目が離せません。

次回、2017年を象徴するお店の後編は、アノ日本料理店に、鮨の原点感じるアノ店…、そして天ぷらと蕎麦の店を紹介します。乞うご期待!


「東京最高のレストラン2018」が発売中
今年で17年。毎年発行されるレストランガイドの中で、最も歴史がある本「東京最高のレストラン2018」(ぴあ)が発売。注目の20軒をはじめ、マッキー 牧元氏をはじめとするメンバーが「私の偏愛レストラン」について熱く語ります。

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