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連載:国民支持率No1メニュー"焼肉道"の極め方

個人名銘柄牛のトップランナー「尾崎牛」を、いま食べ急がないといけない理由

なぜ、人はこんなにも焼き肉に惹かれるのか。

肉が好きだから?ただ焼くというシンプルな調理法だから?それともみんなでワイワイ焼くというプロセスまでも楽しめるから?

今や、国民支持率NO.1メニューといっても過言ではないメニュー[焼き肉]の極め方を焼肉マニア小関氏が語りつくすこの連載。

ライター紹介

小関尚紀
小関尚紀
リーマン作家/MBA/Yakiniku Journey(焼肉探検家) サラリーマン、作家。早稲田大学大学院修了。経営学修士。『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA 中経出版)など単著5冊。趣味の焼き肉は、予約困難店含め200店舗以上を訪店。日々、セクシーミートを探索しつつ、美しく、美味しい焼き方を独自に研究している。

生きたまま熟成させる宮崎・尾崎牛

焼き肉の肉って、普通、焼き台で焼くと縮みますよね?私も長年、それが普通だと思っておりました。数年前にある肉と出会って、その概念が覆されました。その概念を覆したのが、尾崎牛です。

尾崎牛とは、宮崎県大瀬町で牛肉商尾崎(代表:尾崎宗春氏)の運営する牧場で子牛の頃から育てられた牛のみに与えられる称号で、日本では牛肉商自らの名で市場に出ている数少ないブランド牛です。

通常のブランド牛は神戸、松坂、近江、米沢等、地名を冠にしますが、尾崎牛は個人名を冠名にしたブランド牛。月間国内20頭、海外20頭しか出荷できない幻の牛とも呼ばれています。

焼き肉好きにはちょっと知られた存在である尾崎牛。今では焼き肉の域を超え、日本航空国際便のパリ発→羽田便ファーストクラスの洋食メニューに採用実績(2015年3月)があることでも有名で、世界のセレブ達の舌をうならせてきました。

では、なぜ焼いた肉が縮まないのでしょうか? 通常、肉牛として出荷するのは生後28ヶ月が一般的ですが、尾崎牛は生きたまま長く熟成させるために、脂の融点と赤身の味が安定する30ヶ月~34ヶ月の長期飼育期間をかけてから屠畜します。

実際、焼き肉で尾崎牛を焼く機会があった時、生きながらに熟成が進んでいる為か、本当に焼いても肉が縮みませんでした。

また特徴として、餌に防腐剤や抗生物質を含めず、毎日2時間時間をかけてブレンドするので、内臓が健康的で、レバーやハツも味がしっかりしていて非常に美味いことが挙げられます。尾崎牛に巡り合う機会があれば、是非、レバーとハツからオーダーしてみてください。

生きたまま熟成させるため、融点も26度と低く、脂が非常にあっさりしている割に旨味が強い正肉ももう一つの大きな特徴です。

グローバル化を急ぐ尾崎牛・ますます幻の牛になるのか?

そんな尾崎牛ですが、驚くことに既に30か国に牛肉を輸出しており、うち、EUに関しては18か国に輸出しております。

ちなみに外国人に圧倒的な知名度を誇る神戸ビーフでさえ、2015年度~2017年度2月までの実績で17か国にとどまっているので、これはすごいことと言えるでしょう。(参考:神戸肉流通推進協議会サイトから算出)

また、昨年、アラブ首長国連邦のDubaiで開催された世界の食の展示会「Gul food」にも出展し、世界のマーケットに向けて、現在精力的に販路拡大の活動をされています。

なぜ、尾崎牛はそれほどまでに輸出国の拡大を急ぐのでしょうか?

理由は2つあります。1つは、和牛の子牛価格が100万円近くしているので品質を維持して尾崎牛の生産する為には、海外にも販売の活路をより積極的に求めていかざるを得ないのです。 でないと国内の子牛生産の基盤が無くなってしまいます。

2つ目は、精密機械と言われる和牛を作り出すのに、12人のプロフェッショナルが関わらざるを得ないからです。

子牛を生ませる、獣医、人工授精する人、削蹄師、セリにだす、市場関係者、牛を運ぶ、肥育農家、屠畜する人、内臓を洗う人、枝肉のパーツに分ける人、骨を外す人。

和牛高騰の話はこれまでにも書きましたが、12名のプロフェッショナルの存在を考えると、時代に応じた適正価値での取引が必要となります。そうすると、適正に取り引きできる海外の国へ和牛のグローバル展開が必須になってくるというわけです。

今後、和牛が一部の富裕層のためのものとなって中間層の手に届かなくなり、海外に流通されてしまったら、更なる価格高騰が起きることが想定されます。

そうなると近い将来、尾崎牛を気軽に焼き肉で食べられなくなるかもしれません。日本の国家財産である和牛の世界のご馳走化が更に進むでしょう。

マーケットの海外に求めると、尾崎牛を食する機会がどんどん減ってきていて、更に幻の牛となり、尾崎牛を食べる機会がどんどん減ってくる可能性が大いにあるといええるでしょう。

そんな風になる前に、尾崎牛を食し、その美味しさをぜひ経験してみませんか?今なら、尾崎牛を安定的に食べられる焼肉店が都内近郊にあります。

武蔵小杉の「尾崎牛 丸子屋」

銀座の「銀座 ひむか」

あとは、通販で食べられたりしますので、この機会に是非、お試しあれ。

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