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連載:日本酒ライターKENZOの「1/3の純情な吟醸」

「常にエクストリームを行け」 ボスコン出身のエリートが、レオパレスの押入れからはじめた日本酒革命

「本当になるかもしれない嘘をつくのが経営者の仕事なんです。その嘘を、よく言えばビジョン。ほとんどは今のところ夢物語ですが、本気でそれを信じ抜くと何かが変わるんです」

ひとりのベンチャー起業家は、目を輝かせてそう言った。

彼が本気で変革しようとしているのが「日本酒」。ボストンコンサルティンググループに務めていた超エリートは、なぜ恵まれた環境を捨て、日本酒の造り手になったのか?

「日本酒を世界酒に」のビジョンを掲げてつくる、まったく新しいSAKEに迫ってみる。

こんにちは!

改めまして、熱燗DJつけたろうこと、日本酒ライターのKENZOです。

さて本日は、三軒茶屋に酒蔵が誕生するという噂を耳にしまして、あまりにも気になりすぎたので取材をすることに。

東京・三軒茶屋に酒蔵をつくりたい!SAKEベンチャーWAKAZEの挑戦
 

なぜ三軒茶屋に酒蔵をつくったのか?

疑問をぶつけるべく、今回酒蔵プロジェクトを立ち上げたWAKAZE代表の稲川琢磨さんにお話を伺いました。

しかしそこには「波乱万丈!山あり谷ありの日本酒ベンチャー物語」が待ち受けていたのでした。

お話を伺う人

稲川琢磨さん
稲川琢磨さん
慶應義塾大学在学中にフランス留学を経験し、卒業後ボストンコンサルティンググループに就職。退職後の2016年1月にWAKAZEを設立。数多くの文献から酒造りを学び、自らも酒蔵に何度も入り経験を積む。

超エリートサラリーマン、日本酒と出会う。

稲川さん、本日はどうぞよろしくお願いします。

よろしくお願いします。え、この熱燗飲みながらやるんですか?

熱燗DJつけたろうは、熱燗を飲ませつつインタビューします

熱燗DJつけたろうは、熱燗を飲ませつつインタビューします

ダメですかね?

いえ、ウチの会社は17時以降から、お酒を飲みながら業務OKとしていますので。ちょうど今、17時です。

(呑兵衛にとって)超ホワイト企業ですね!

たいてい僕が率先して飲み始めます(笑)。

好きですね〜!(笑)

早速なんですが、一体なんでボスコン(ボストン コンサルティング グループ)から酒を造るに至ったんですか?

*ボストン コンサルティング グループ とは・・・アメリカに本社を置く世界最大手のコンサルティング会社。略称はBCG。

真澄というお酒の ”あらばしり”を飲んだことがきっかけですね。それが美味しくて、自分を変えられちゃいまして。

おお、真澄がきっかけ!ザ・王道の日本酒ですね!

*真澄(ますみ)とは・・・長野県諏訪市にある宮坂醸造がつくる日本酒の銘柄「真澄」。戦前より第一線に立ち続ける酒蔵で、業界でも最も有名な酵母のひとつ「協会7号酵母」発祥の蔵。

雷が落ちたんです。なんでこんな美味しいお酒が米から造れるんだろうって。それでお酒を造りたいと思ったんですよ。

飲むほうにハマるならわかりますが、「自分で造りたい」ってなかなか聞かないです。

実は、父がカメラの部品メーカーでものづくりをやってまして。元々はじいちゃんが作った会社で、戦後の高度経済成長のときに売上10億ぐらいまでグーンと伸びて、親父の代でiPhoneにコテンパンにやられるという。

おお…。

その後ろ姿をみて、悲しいし、寂しいし、日本のものづくりをどうにかしたいという思いがずっとあって。海外に誇りをもって売りにいけるものづくりをやりたかった。

それで日本酒を飲んでピンときたわけですね!

そして、一緒にやってくれるおもしろい仲間と出会って立ち上げたのが日本酒ベンチャー「WAKAZE」です。

麹と酵母の違いもわからず、杜氏にプレゼン

お酒づくりはどのようにはじめたんですか?

WAKAZEのチームメンバーである今井翔也の実家が、群馬の聖酒造という蔵元なんです。最初はその聖酒造に委託醸造して、「こんなお酒を造ってもらえませんか?」とプレゼンしにいくわけです。

おお、聖酒造!

*聖酒造とは・・・群馬県前橋市にある酒蔵。僕も2017年に「聖(ひじり)」の冷酒と出会って美味い!と唸った。

いま思えば恥ずかしいんですが、当時は酒づくりというか、麹(こうじ)と酵母(こうぼ)の違いも一切知らなくて、その状態で杜氏さんにプレゼンしたんです。

ひどい!(笑)どんなプレゼンをしたんですか?

とにかく僕、酒を造りたいんですって(笑)。

完全に勢いのみ!お酢も醤油も知らないのに寿司職人にプレゼンするようなもん…!(笑)

そうですよね。勢いでいうと、その頃に経産省が主催する日本酒の海外輸出を促す補助金プログラムがあって、それにも応募しました。聖酒造に「海外進出のチャンスですよ」と言って巻き込んで、エントリーしまして。

気づいたら、市場調査とかもしまくって、プレゼン資料を何十枚もつくって経産省の人たち相手にプレゼンしてて、ウチが通っちゃった。

ボスコンの本気(笑)。麹も酵母も知らない若者が、日本を代表して日本酒を海外に広めることになったと。

そうですね。輸出先として選んだフランスとの交渉も上手くいき、聖酒造のお酒がフランスに出回りました。

行動力がハンパないですね。

これで味をしめて「酒事業、いけんじゃね?」と思いまして。その後、この「いけんじゃね?」は大いなる勘違いだとわかるんですけど(笑)。

へぇ〜、大いなる勘違いとは?

アドバイスを求めた事業は一生うまくいかない

2016年にWAKAZEとして最初の商品「WAKAZE 四季酒」をつくりました。春は生酒、夏はスパークリング、秋は秋あがりで、冬はワイン樽熟成という、1つの樽から4つの季節商品をつくり、お酒を季節ごとに楽しみましょうと提案しました。

良さそうに聞こえますが、ダメだったんですか?

クラウドファンディングは成功したけど、事業としてはコケちゃって。商品としてはおいしかったんですが、ベンチャーとして造るお酒ではなかったなと。

というと?

価格も少々割高になっちゃうし、お酒を売るためにはマーケティング費用が莫大に必要になる。それを考えたとき、ベンチャーとして手を出しちゃいけないお酒だったんです。

あぁ〜。

投資家のみなさんにお伺いを立てるみたいなスタートアップのイベントに顔を出して、フィードバックやアドバイスをもらったり、後から考えると一番やっちゃダメなことをやってましたね。

日本酒のことを全然知らない人たちに、アドバイスをもらってるわけですもんね。

そうそう。ベンチャーは、自分のやりたいことをやるべきだし、アドバイスをもらってるようじゃ一生その事業はうまくいかない。

当時はいろんなことがうまくいかなくて、その環境から一刻も早く逃げ出したかった。そんなとき、たまたま山形県の鶴岡市に行く機会があったんです。

山形!米どころ、酒どころですね!

鶴岡市ってすごいベンチャー企業が集まっていて、町全体の熱量が高いんです。バイオベンチャーのSpiberさんとか、腸内フローラのメタジェンさんとか、先端技術系が集まっていて。

その一方で、町の居酒屋で飲んでると、そこで出会った人がみんな優しいんですよ。「遠くからよう来たの〜」みたいな。人がいい、米がいい、酒どころ、さらに熱い人たちが集まってる。こんな良いところないじゃんと思って、そのまま移住を決めました。

きゅ、急展開ですね。

詳しく言うと、鶴岡市で先端系の人たちを集めた宴会があって、隣で飲んでたノリの良い人に「You 鶴岡来ちゃいなよ」と煽られて、みんなが見てる前で「Yes 来ます!」って言っちゃったんです。それで引っ込みがつかなくなり(笑)。

ぜんぜん戦略的じゃない、ボスコンなのに(笑)。

元エリート、山形でおばちゃん相手に大プレゼン

山形に移住してからは、どんな日々だったんですか?

山形では友達もいない、知り合いもいない、醸造の委託先もない、車もない、みたいなところからスタートして。

テレビもねえ?

テレビはありました。

ラジオもねえ?

ラジオもありました。

言わせたいだけでしょ(笑)。それは置いておいて、本当に山形でツテがなかったから、酒蔵さんに相手にしてもらえなくて、どんづまりだったんですよ。造りたい日本酒は「ワイン樽熟成」と決まっていたので、またプレゼン資料を作って居酒屋で出会ったおばちゃん相手にプレゼンをしてて。

見ず知らずのおばちゃん相手に?

はい。こうやって酒をつくって、世界をアッと言わせるからって大プレゼンをして。そしたら、そのおばちゃんが山形のいろんな酒蔵に車で乗っけていってくれるようになって。

え、おばちゃんは関係ないのに?「じゃあ、おばちゃん今からプレゼンしてくっから!」っていって蔵でおばちゃんは待ってる?

うん、待ってる。

おばちゃん何やってるんですか(笑)。

おばちゃんは僕のファン(笑)。

たくさんの酒蔵に断られながらも、ある酒蔵にワイン樽熟成の話をしたところ、「面白い、いいよ」と話が進んで、委託先が決まったんです。

よかった!おばちゃんも報われる!

理想の日本酒を求めて、レオパレスの押入れで研究

ただ、そこからがまた大変で、ワイン樽貯蔵用のワイン樽をワイナリーへ行って確保しないといけないと。本当は確保してないといけないのに、委託先が決まったときにワイン樽すらなかった。

やばい、嘘になっちゃう…!

いまウィスキーでワイン樽が枯渇してて、全然手に入らないんです。フランスやメキシコから小さい樽を輸入して、当時住んでいたレオパレスの押入れで夜な夜なワイン樽熟成酒の実験をして、試飲してを繰り返していました。

レオパレスの押入れで(笑)。

めちゃめちゃ研究しましたね。お酒造りの論文も読んで、ワインの研究書も読んで、どんなふうに造るとうまいんだろうって。結局、輸入ものの樽でやっても味がイマイチだから、国内産のフレッシュな状態のワイン樽を探して、それからは山形・長野・山梨を行脚して…。

日本酒の造り手が、ワイン樽にそこまでこだわるって聞いたことがないです。

どこもこっぴどく断られて、お前に譲るワイン樽はねえよって話になり。

それは辛い…。

「ああ、今年の醸造はムリになってしまった…」って諦めてたときに、たまたま今井が知り合っていた山梨の勝沼醸造さんというワイナリーが、僕たちの夢に共感してくれて、樽を譲ってくれる話になり九死に一生スペシャルですよ(笑)。

遂に完成したワイン樽熟成酒、その出来栄えは?

ワイン樽が手に入って完成した銘柄が「ORBIA(オルビア)」の、「SOL(ソル)」と「LUNA(ルナ)」ですね。

そうですね、特に「LUNA(ルナ)」がうちのフラッグシップ商品で、白麹をつかって、貴醸酒で、ワイン樽熟成という3つのことを同時にやってるんですね。

*①白麹(しろこうじ)②貴醸酒(きじょうしゅ)③ワイン樽熟成とは・・・


①日本酒は通常「黄麹(きこうじ)」が使用される。「白麹」は主に九州地方の焼酎をつくる際に用いられる。
②日本酒は通常「水」と「米」で造られるが、貴醸酒は水の代わりに日本酒で仕込み、味わいは非常に甘口になる。
③日本酒は通常「タンク」か「瓶」の中で熟成され、樽で熟成されることは基本的にない。日本酒も昔はほとんど樽酒だったが、現在の樽酒は基本的に杉の香りを移すために使用されている。

飲んでみます?最初、樽から出てきた時の一杯目の香りとか、味わいには感動しましたね。樽熟の貴醸酒ってこんなにうまいんだって。

では、いただきます!

ORBIA(オルビア)のLUNA(ルナ)

ORBIA(オルビア)のLUNA(ルナ)

ゴクリ...。

うめえ……!!

ありがとうございます(笑)。四季酒から比べるとまわりの反応が圧倒的に良かったんです。

スペックだけ聞いても、最初の四季酒は「あ、こういうの始めたのね」って感じですけど、こっちは「ワイン樽熟成で貴醸酒?」とかって聞くと、詳しい人ほど飲んでみたいってなりますよね。

クラウドファンディングで500万くらい集めて、鶴岡のビジネスプランコンテストでも優勝して、ミシュランの三ツ星レストランんでも取り扱いが始まって、地元のメディアにも取り上げられまくって、企業としての売上も伸びてきて、というのが創業2年目ですね。

ORBIA(オルビア)の発売当時、僕も周りの評判を聞いて買おうと思ったら、既に売り切れていることがあって。このお酒を量産することは考えてないんですか?

「エクストリームを行け」WAKAZEが極端を選ぶワケ

僕はお金儲けがしたくてこの業界に入ったわけじゃなくて。ただ、好きだからやってるし、好きを仕事にするから好きをとことん突き詰めようと思うんですよ。

量を造って売ることが目的じゃないんですね。

売上っていうのは面白いことをやるための元手だと思っていて、ちょうど次のチャレンジへの切符が与えられたような気持ち。同じことを繰り返すのではなくて、そのお金は新しいものを造ることに使いたいと思ったんです。

次のチャレンジへの切符!

僕はいくつかの選択肢があるときに「エクストリームを行け」と考えるんです。これは人生において自分に課している命題でもあって。

エクストリームを行け?

極端なほうを選びたいんですよね。何択かを迫られたときに、常にエクストリームを行けと。そこだけは絶対に外したくなくて。

当時、僕は選択を迫られたんです。量産するか、もしくは超絶ニッチで誰もつくらないフロンティアをいくかっていう2択を。で、「切符を持ってるんだったらエクストリームを行きたい」と思い、FONIA(フォニア)を造っちゃったんですよ。

それでエクストリームだなと思ったから、FONIA(フォニア)のほうに舵をきったんですね。

ORBIA(オルビア)の後に造られたFONIA(フォニア)のSORRA(ソラ)

ORBIA(オルビア)の後に造られたFONIA(フォニア)のSORRA(ソラ)

そうですね。量産じゃなくてもいいから、小さくてもいいからおもしろいものを造りたいなって。ロンドンにORBIA(オルビア)の輸出でいったとき、とある変な店で「お前はジンが好きか?」って聞かれて、サイレントプールというジンを出されたんです。

ジンですか?

そう、そのジンがめっちゃくちゃ香り豊かで、デザインもオシャレで、これに感動しちゃって。世界のジンって、日本で飲まれてるジンよりもはるかにレベルの高いものがあるんだなって思って、ORBIA(オルビア)をもって勝負しにいったら、ある意味うちのめされて帰ってきて。

稲川さんの中では返り討ちにあった気分だったんですね。

うちのめされたと言いながらも楽しそうに話す稲川さん

うちのめされたと言いながらも楽しそうに話す稲川さん

それでジンに何を使ってるのか見てみたらジュニパーベリーとか、ボタニカル系のスパイスが書いてあって。それと、1年前にワイナリーを巡っていたときに飲ませてもらった、樽熟成と樽発酵の飲み比べセットを思い出して。

樽熟成と樽発酵?

同じワインを、樽で寝かせるか、樽で発酵させるかの違いですね。樽で寝かせてあるワインだと、香りは樽感がちょっと浮いてるんですけど、樽で発酵させてあると香りの浮きがなくて、完全に調和が生まれていて。これが発酵の力かって、そのとき思ったんです。

そんなに違うんだ...!

それが1年後に、ロンドンでジンに出会って、バチンとハマって、「じゃあ、日本酒の発酵中にボタニカルを入れたらヤバイことになるんじゃないか?」と飛行機のなかで思いついて、帰ってから興奮気味にチームのみんなに話したら、みんなはポカーンみたいな(笑)。

いま日本でもクラフトジンのブームがようやく来てますけど、それを日本酒でやろうなんて狂ってますよね。

僕らは「WAKAZE、次なにするの?」って言われるのが一番うれしいんですよ。次なにやるの?そういうワクワク感をブランドとして、得られている酒蔵ってあんまりなくて。お客さんがWAKAZEに期待していることが、ひとつ明確にあって「次なにするの?」なんですよ。

その答えが量産ではなく、FONIA(フォニア)だったと。

たしかに、日本酒にボタニカルを入れるって業界としては禁じ手なんですよ。誰もやってこなかったし、日本酒であるためには、それはやっちゃいけないっていう不文律があったんです。でも、僕は完全に無視してやってみたら、それが分類上「日本酒」ではなく「その他の醸造酒」になることがそのとき決まったんです。

そこで初めて決まったんですね!エクストリームを行ってるなぁ!

それで、発酵過程で柚子と山椒とレモンを入れたのに、できあがったお酒はなんでかライチの香りがするっていう(笑)。

なんで!(笑)

え、なんで!?ですよね。それが発酵の力だと思うんです。こういうワクワクするものに人は惹かれるし、僕らをそれを常に求め続けていかなくちゃいけないと思ってます。

次なるエクストリームは、三軒茶屋に酒蔵をつくる!?

とはいえ、次のステップが「都内に酒蔵作ろうぜ!」っていうのはまた相当エクストリームですよね。

理由の1つが、委託醸造で今までやっていたんですが、開発者の視点で限界があるなと思ったこと。もう1つが、人にものを伝えるときに、飲食店を媒介にして伝えるのもいいんですが、自分たちの手でペアリングを伝えたいというのがあって。この2つの視点で酒蔵つきの直営店をやろうと思いました。

お店の名前の「Whim Sake & Tapas(ウィム サケ アンド タパス)」ってどういった意味なんですか?

Whimって「思いつき」って意味なんですよね。なんで思いつきかっていうと、僕「インスピレーション」って言葉が大っ嫌いで。かっこつけてるじゃないですか、インスピレーションって言う人間自体も(笑)。

要は、人間って基本的に思いつきでできてるはずなんですよね。思いつきで聖酒造に酒を造ってもらって、WAKAZEを立ち上げて、今こうなってる。全部思いつきなんですよ。

確かに!

ゴミクズになる99%の思いつきのなかから、1%だけ良いアイデアが残って形になってるわけじゃないですか。そうやって歴史がつくられてきたはずなのに、あたかもインスピレーションという名のひらめきが必要だという夢物語を描いているんですよ。

インスピレーションより、ふとした思いつきこそが大事だと。

そうそう。飲みの席で言ったひとことがきっかけになってなにか起きるんじゃないかと思ってるし、そういうものが生まれてほしいし、この店でそういうものを生み出したいと思って、「Whim Sake & Tapas(ウィム サケ アンド タパス)」と名付けたんです。

良いですね〜!

僕らはここにポストをつけようと思っていて、ポストのなかにお客さんにアイデアを入れてもらおうと思っていて。そこで思いついたアイデアをここで実験して、実現しちゃえばいいじゃないですか。

今回からどぶろくをつくって出すわけじゃないですか。この店をつくって描く未来ってどういうものなんですか?

*Whim Sake & Tapasでは、自家製のどぶろくを提供していく予定。どぶろくとは、お米を発酵させたあとに濾過しない白く濁ったお酒。

ここを発信拠点にして、日本酒が拡張されたらいいなと思ってますね。

この店つくって終わりじゃないし、どぶろく造っておいしいと思ってもらって終わりじゃないってことですよね。

僕らにおいしいを期待しないでほしい。おいしいは当たり前の時代じゃないですか、そのうえでどれだけ面白いことができるかだと思ってるんで。

造り手も飲み手も一緒になって、次どういう酒、どぶろくを造っていくのかを考えていきたいってことですね。

酒が好きなら自分で簡単に造れる世界を目指したいですよね。僕らみたいなベンチャーでも免許がとれるってわかったんで、日本酒に興味あったり、発酵に目を輝かせてる若手たちがやりたいと思ったときに、やれるんだというところを見せたいし、本当にやってほしい。

それが日本酒の可能性をもっと拡張させていくことになりますね!

必ずしも「日本酒」である必要はないから、この店は「SAKE」の未来をつくる場所になれたらなと。もうね、日本酒っていうのやめましょう、SAKEっていいませんか?

そもそも「日本酒」って言えねえし(笑)。

そう、言えねえし(笑)。

あとがき

いかがでしたでしょうか?

稲川さんの話が面白すぎて、この原稿を書き終える頃には1万字を超えていました(笑)。

なぜ面白かったのか?

それは数々の失敗と成功を積み重ねて今があるから。

日本酒のことを何も知らずにプレゼンをして、海外に行って、ベンチャーを立ち上げて、お酒をプロデュースして、山形に移住して、日本酒と表記できないお酒を造って、今度は酒蔵を始める。

しかも、これはわずか約3年の間に起きていることなんです。

楽しく話を聞きながら、心の中で「一体、自分だったらいつ心が折れるかな」と考えていました。

稲川さんは狂気で、ドラマチックだ。

フロンティア精神の塊だからこそ、ORBIA(オルビア)やFONIA(フォニア)など、新しい日本酒を生み出せた。表記なんてどうでもいい。間違いなく、日本酒だ。

「エクストリームを行け」

嘘で始まった日本酒の革命は、着実に実現へと歩みを進めている。

稲川さんの次なる嘘は「都内に酒蔵を作る」

あなたも嘘を本当にするお手伝いをしてみませんか?
 

▼プロジェクトページはこちら
東京・三軒茶屋に酒蔵をつくりたい!SAKEベンチャーWAKAZEの挑戦

(※プロジェクトは終了しました)

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