なぜ、人はこんなにも焼き肉に惹かれるのか。
肉が好きだから?ただ焼くというシンプルな調理法だから?それともみんなでワイワイ焼くというプロセスまでも楽しめるから?
今や、国民支持率NO.1メニューといっても過言ではないメニュー「焼き肉」の極め方を、焼肉マニア小関氏が語りつくすこの連載。
ライター紹介
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小関尚紀
- リーマン作家/MBA/Yakiniku Journey(焼肉探検家) サラリーマン、作家。早稲田大学大学院修了。経営学修士。『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA 中経出版)など単著5冊。趣味の焼き肉は、予約困難店含め200店舗以上を訪店。日々、セクシーミートを探索しつつ、美しく、美味しい焼き方を独自に研究している。
私は「YAKINIKU JOURNEY」と題して、平均すると週2以上のペースで焼き肉店を巡っております。
そんな中で注目したのが調味料。お店では、花山椒、スパイス、山葵、ポン酢、塩レモン、塩昆布、焼き肉専用醤油、ホースラディッシュなど工夫をこらしていますが、自宅で揃えるとなればいささか難しい。
そこで今回は、カルディで気軽に買える調味料を使い、一味違った家での焼き肉をご提案します。
牡蠣だし醤油と生卵をからませて食べるすき焼き風ザブトン
「焼きすき焼き」なるメニューが、焼き肉店ですっかり定着しています。このすき焼きに使用される部位の多くはザブトンで、霜降り具合が美しいのが特徴です。
そんなザブトンを家で食べる際は、牡蠣だし醤油を使ってみてほしいです。鉄板でザブトンをさっと炙るときに、牡蠣だし醤油を少量お肉に垂らし、生卵をかき混ぜてたっぷり絡めていただくと美味の極み。
意外性があり、肉の食べ方の広がりを感じられる渾身のご提案です。
生七味で食べるカルビ
脂質のある肉の部位には山葵が合いますが、実は、生七味とも相性が良いのです。特に、所謂カルビと呼ばれる部位で、サシが粗めに入りやすいところは、生七味の辛みが油を緩和してくれます。
肉を焼き台にのせ、さっと炙って両面が焼ける頃に生七味を肉にのせて、そのまま口に放り込む。粉の七味では味わえない美味しさがポイントです。
白だしで食べるミスジ
鰹の新木節と鰹節を絶妙の配合でブレンドし、白醤油を合わせた旨味の宝庫がこの白だし。通常、お吸い物や、茶わん蒸しなど、和食の料理で味の決め手となる調味料です。
この白だしを使いたいのは、1頭からほんの少ししかとれない希少部位のミスジです。お刺身やタタキでの提供が多い部位ですので、サラッとミディアムレアで焼いて、さっぱり頂きたいですね。
更におススメは、白だしにトロロを入れて混ぜ合わせたところにミスジを投入して欲しい。トロロの粘土が、ミスジに絡みつき、白だしの旨味たっぷりの焼き肉が完成します。
柚子スコで食べるタン、ハニーマスタードで食べるハツ
味が淡白なタンは、通常レモンなどをかけて食べることが多いですが、個人的には柚子胡椒をオススメしたい。特にカルディにあるYUZUSCOという柚子胡椒を液体にした調味料が抜群に合う。ゆずの香りと、ぴりっとした辛さが病みつきになります。
食感が楽しいハツ。ハツもタン同様に通常は塩やレモンで食べることが多いのですが、イチオシは生姜醤油です。
コリコリした歯応えを楽しめ、淡白な味に姜のピリッとした辛みと、醤油の味わいが加われば絶品です。
みそパウダーで食べるシンシン
ヒントは、米沢牛の味噌漬けにあり。お皿にみそパウダーを盛り付け、そこにお肉をまぶします。仕上げに醤油を数滴投入し、ご飯の上にダイブさせていただくと、味噌の意外な味わいが楽しめました。
タレは焼肉店の努力の結晶
肉好きを自負していますが、やはり一番美味しいと思える焼き肉の食べ方は、タレ肉につけダレをたっぷりつけていただく白飯とのマリアージュです。
タレは焼き肉店にとって、肉を研究し尽くした努力の結晶です。家の焼き肉で同様のクオリティを求めるのは難しい。
しかし、家ならではの楽しみ方も存在するのは事実です。皆さまの家での焼肉が華やぐ参考になれば幸いです。