毎年、次々と新しいレストランが誕生し、進化し続ける飲食店業界。
その中で生まれる食トレンドやブームは、現代の人々の欲求を満たすべく、常に新しさや驚きを与え続けています。
そんな中、食通の常備本と言われ、今年で17年の発行をむかえた、最も歴史あるレストランガイド「東京最高のレストラン」。
今月、最新号「東京最高のレストラン2018」(ぴあ)が発売されたばかり。
今年2017年は、どんなレストランが注目されたのか?傾向はあるのか?
「東京最高のレストラン」の編集長であり、Retty TOP USER PROとして活躍される、大木淳夫さんにご協力いただき、前編をご紹介させていただきましたが、
「2017年を象徴する店は?17年続くレストランガイド・東京最高のレストラン編集長が語る!前編」▶︎詳しくはこちら https://retty.news/34846/
今回の後編でご紹介する、"2017年を象徴する店3軒"は「日本料理、鮨、天ぷら」に絞り、ご紹介致します。
お話を伺った人/Retty TOP USER PRO
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大木淳夫
- 「東京最高のレストラン」編集長を創刊より務める。他の編集作品「グルメ多動力」(堀江貴文)「東京とんかつ会議」(山本益博/マッキー牧元/河田剛)等。
銀座 しのはら(銀座)
近年の飲食業界の傾向の1つに「地方」があげられます。
この「銀座 しのはら」もキーワードに「地方」をもつお店。
そう、実はこの店は滋賀県の、知る人ぞ知る名店として、遠方にも関わらず、美味しいものを求める人々で賑わっていた店。そんな名店が銀座に進出し店を構えたのは、2016年10月でした。
このお店の魅力は、豪華食材を惜しげも無く使った、13品のおまかせコースはもちろんのこと、なんといっても店主、篠原武将氏の人柄とコミュニケーション力。
とにかく話が面白いのです。だからまた足を運びたくなる魅力があります。
写真を撮られるのも嫌がらず、料理は客のツボを心得た非常に魅力的なこの店こそ2017の日本料理を象徴しているといえるでしょう。
- 銀座 しのはら
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東京都 中央区 銀座
日本料理
すし佐竹(銀座)
東京の鮨店はすでに飽和状態といっていい中、数多くの名店が立ち並ぶ銀座8丁目に2016年8月オープンしたのが「すし佐竹」です。
この店の注目すべきはなんといっても酢飯。
酢飯は一般的に人肌がよいとされていますが、そんな常識を打ち破ったのです。そう、佐竹の酢飯は温かく、そして抜群に美味しい。
ほかほかと言ってもいいほど手に伝わる酢飯の温度の発見は、実はたまたまだったのだそう。
温かい酢飯の上に乗ったマグロはほどよく脂が溶け、そのおいしさは強いインパクトを感じます。
提供順も、脂のあるネタから淡白なネタへと計算され、吉田商店の青とび海苔を使った、香り立つ巻物もまた絶品です。
「鮨は酢飯こそ命」という原点を改めて気づかせてくれた店が、この「すし佐竹」です。
- すし佐竹
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東京都 中央区 銀座
寿司
蕎ノ字(日本橋)
2016年10月、日本橋人形町に移転オープンをした「日本橋 蕎ノ字」は、もともと静岡の島田市で"天ぷらの美味しいお蕎麦の名店"として知られた店でした。
天ぷらブームの波にのり、あっという間に人気店に。
"天ぷらを食って蕎麦で〆る"のコンセプトのもと、コース料理は天ぷらからスタートし、最後は蕎麦が提供されます。その食材は、静岡県産のものをふんだんに取り入れ、季節感を充分に感じさせれます。
また、コースが1万円以下で食べられる「日本橋 蕎ノ字」は、ご夫妻の人柄も含め、気持ちのいい時間を過ごせることが訪れる人の心を掴むのでしょう。
- 蕎ノ字
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東京都 中央区 日本橋人形町
そば(蕎麦)
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変化し続ける飲食店業界。美味しさや技術はもとより、従来のやり方にとらわれない自由な発想、コミュニケーション能力、地域との連携、SNSの活用など、時代の変化やニーズにどうマッチしていくかが鍵といえそうです。
2018年はどんなお店が登場するのか、今後の変化に注目し続けたいですね。
「東京最高のレストラン2018」が発売中
今年で17年。毎年発行されるレストランガイドの中で、最も歴史がある本「東京最高のレストラン2018」(ぴあ)が発売。注目の20軒をはじめ、マッキー 牧元氏をはじめとするメンバーが「私の偏愛レストラン」について熱く語ります。