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連載:国民支持率No1メニュー"焼肉道"の極め方

2018年!多様化する肉の中で注目すべき「健康サプリ牛肉=グラスフェッドビーフ」

なぜ、人はこんなにも焼き肉に惹かれるのか。

肉が好きだから?ただ焼くというシンプルな調理法だから?それともみんなでワイワイ焼くというプロセスまでも楽しめるから?

今や、国民支持率NO.1メニューといっても過言ではないメニュー[焼き肉]の極め方を焼肉マニア小関氏が語りつくす連載です。

ライター紹介

小関尚紀
小関尚紀
リーマン作家/MBA/Yakiniku Journey(焼肉探検家) サラリーマン、作家。早稲田大学大学院修了。経営学修士。『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA 中経出版)など単著5冊。趣味の焼き肉は、予約困難店含め200店舗以上を訪店。日々、セクシーミートを探索しつつ、美しく、美味しい焼き方を独自に研究している。

食べる肉のバリエーションが増加する要因

和牛の子牛価格がここ5年間で2倍になったことは、前回の記事「炊飯ジャーから白飯をよそい、冷蔵庫から酒を取り出す。セルフスタイル焼き肉が予約一年待ちになる理由」で紹介しました。

和牛価格の高騰によって、焼き肉店のバリエーションが増加し、商品札がかかり、肉1枚から提供する立ち食い焼き肉スタイル、お一人様専用焼き肉、肉はコースにしてドリンクやご飯を自分でよそうセルフ焼き肉スタイル、と焼肉が多様化していっている現代。

実は、和牛が高騰する理由としてはもう一つあるのです。それは、生産する畜産農家(繁殖農家+肥育農家)の減少という大きな要因。和牛の高騰は今後も継続すると思われます。

過去20年で1/3に減少した肉牛畜産農家の減少

データを見てみると、畜産農家である肉用牛の飼養戸数は、小規模層の飼養者を中心に減少傾向で推移しており、2016年(平成28年)も廃業等により対前年比4.6%減少しました。(出典:農林水産省『食肉鶏卵をめぐる情勢(平成29年2月)』)

肉用牛飼育戸数を中長期で見てみると、過去20年で1/3に減少しています。肉用子牛平均売買価格が上昇傾向にあるにも関わらず、肉用牛飼育戸数は右肩下がりに着実に減少しています。

近年の子牛の価格高騰で、以前より儲かるようになったと思えますが、データから判断すると、後継者問題で、次世代に引き継がれないことが多くなっていることがわかります。

5年毎で比較/出典:e-stat『肉用牛飼養戸数・頭数累年統計』http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001127029

5年毎で比較/出典:e-stat『肉用牛飼養戸数・頭数累年統計』http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001127029

そもそも和牛は精密機械とも呼ばれ、子牛を生ませるところから、肉にするところまでに12人のプロフェッショナルが関わっているもの。結果、生育コストは高騰しており、畜産農家の減少と相まって、今後まだまだ高騰すると考えられます。

分散傾向にある「食べる肉」

和牛の高騰により、実は、焼き肉店のバリエーション増加以外にも食べる肉の分散化、多様化現象が起きています。

牛、豚、鶏、羊以外にも最近では、鹿肉、馬肉、他のジビエの肉も流行しています。現に鹿肉でいうELEZO HOUSE(渋谷区)や、馬肉でいうROAST HORSE(渋谷区)は超人気店になっており、巷では"ルーミート"なるカンガルーの肉も流行の兆しです。

そんな食べる肉の多様化の中で、私が注目株としたいのがグラスフェッドビーフ(牧草飼育牛)

他の動物肉ではなく、「牛」の肉なのですが、年末年始のこってりした食事から胃を解放してくれる、健康サプリメントのような牛肉なのです。

我々が普段口にする機会の多い和牛や国産牛は、いわゆるグレインフェッドビーフ(穀物飼育牛)にあたり、穀物で飼育されています。日本では、霜降り牛肉を生産するために、牛舎内の柵に入れ、高カロリーの穀物飼料を与えて運動を制限し、人工的に太らせる飼育が主流です(これが悪いわけではありません)。

一方、今回おススメするグラスフェッドビーフは、主に豪州や、NZの大自然の中で育ったビーフで、本来草食動物の牛を自然の状態で育て上げています。牧草で育った牛は、脂質の割合が低く、赤身の割合が非常に多い牛肉になります。

正月明けこそ、食べるべき健康サプリメント牛肉=グラスフェッドビーフ

グラスフェッドビーフは牛肉の中でも注目されつつありますが、今はまだ、一部の健康志向の方やセレブリティの方たちの間でしか人気になっていません。

しかし、体にも良く、糖質制限して食べ続けると痩せる牛肉、サプリメントとも言われている牛肉。穀物飼育牛と比較してもオメガ3という良質な脂は、2倍~5倍多く含有しており、脂肪燃焼させる共役リノール酸、カルニチンも2倍~5倍、おまけに高たんぱく、低脂肪の良いことずくめの牛肉なのです。

特に、共役リノール酸は、不飽和脂肪酸の一種で、肝機能を向上させ、カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに運搬する役目を担っており、体脂肪の燃焼を促進させます。

その他、牧草牛には、豊富な鉄分や亜鉛、ビタミン等が豊富に含まれており、この点がまさに健康サプリメントの牛肉と言われる所以です。

ただし、いざ食べようと思っても知名度もそれほど高くないので、流通量が少なめ、価格が高めだと思われがちです。それを解消するお店が、虎ノ門と溜池山王にありました。「肉塊UNO」です。

シュラスコ形式で豪快に切り分けられる7種類の好きなお肉(グラスフェッドビーフ以外も含む)がおかわり自由。好きなだけ食べまくっても3,500円(税抜き、ドリンク別)という驚きのプライス、高コスパ店なのです。私も毎回800g~1㎏は頂きます。

年末年始の忘年会や、お正月のすき焼きなので、霜降り和牛を食べまくったあなた。噛み応えのある赤身中心の牛肉を食べてみませんか?

焼き方は、塊肉を弱火でじっくり焼いていきます「肉塊UNO」はシュラスコ方式で牛肉を提供するお店ですが、例えば、ランプとイチボは牛肉の状態に合わせて、60分~120分程度、弱火でじっくり焼いていきます。

通常のブラジリアン・シュラスコ店が30分程度の焼き時間だとすると、いかにじっくり火を入れているかがわかります。

グレインフェッドに比べると脂の含有量が少ないので、焼きすぎるとパサつく可能性がありますが、じっくり火入れをし、レアからミディアムレアで提供してくれます。

勿論、糖質制限の必要はありますが、正月明けから、健康サプリメントのような牛肉を、誰に遠慮することなく、お腹いっぱい食べて、しかも健康になる。体にとって、年明けにこれほど推奨できる牛肉は他にありません。

夜と言わず、ランチからガツンと食べたい方には、ローストビーフプレートがおススメです。ローストビーフは真空低温調理にてじっくり火を入れております。

その肉が150グラム、そしてローストチキンが100グラムの合計250グラムのお肉がのっております。ここにグルテンフリーのチーズパン、サラダ、スープがついて1000円(税込)。

ですので、2018年の年明けのランチはここから攻めたい。お節もいいけど、カレーもね。いやいや、健康を考えたら、今年は、グラスフェッドビーフでしょ。と、私は思うわけです。

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