ウマい食事とウマい酒、ウマの合う仲間がいればそれだけで幸せ!
おいしい料理とお酒を楽しめるお店をRettyが厳選し、酒好きメンバーと共に飲み歩きます。
下町人情にふれた前回の門前仲町エリアに続いて、今回訪れたのは横浜随一のお酒好きの街・野毛。
ディープな飲み屋が集まることで知られる野毛で、果たしてどんなウマいお店と出逢えるのでしょうか?早速、飲み歩きスタート!
2軒目、3軒目は当たり前!ディープな店がひしめく野毛の魅力
JR桜木町駅下車、5分ほど歩くと、今回の目的地である「野毛小路」の看板が見えてきました。
線路を挟んで反対側に広がる開放的なみなとみらいエリアとは対照的に、野毛は細い路地に店がひしめき合い、時が止まったような昭和の香りが色濃く残ります。
日が暮れてアーケードや店のネオンサインに灯りがともると、ますますノスタルジックで独特な雰囲気に。
そのレトロな雰囲気に惹かれてつい足を運んでしまうお酒好きが後を絶ちません。
そんな野毛を一緒に飲み歩くのは、前回に引き続き酒場ライターのパリッコさん。
まだ明るい時間からRettyスタッフの野元と合流し、どの店を回ろうかと準備に余念がありません。
一緒に飲み歩く人
「前回すごく楽しかったので、また呼んでもらえて嬉しいです(笑)。野毛のディープな雰囲気、最高ですねぇ。
歩いてるだけで気になるお店がたくさん見つかります」(パリッコ)
個性豊かな店があちこちにある野毛。「1軒だけで飲み終わるなんてもったいない!」と気合いを入れて、二人は最初のお店へ向かいました。
<野毛飲み歩き1軒目>揚げたてのカツに山盛りネギ!酒飲みのためのとんかつ屋
まず訪れたのは、とんかつ居酒屋の「パリ一(ぱりいち)」。
お酒好きな店主とその奥様が営む、こぢんまりとしながらもホッと落ち着けるお店です。
看板メニューのとんかつは「揚げ出し」や「とんかつ茶漬け」など楽しみ方も豊富。厨房からは揚げ物の香ばしい香りが漂ってきます。
乾杯は、まろやかで上質な味わいが特長であるスコッチウイスキー「ホワイトホース」のハイボールをチョイス。
「野毛ウマハイボール」の愛称で、お酒好きが集まる野毛の飲食店でも親しまれています。
パリッコ「それでは、今日も楽しく飲み歩きましょう!」
野元「よろしくお願いします、カンパ~イ!」
パリッコ「う~ん、うまい!華やかな香りが鼻から抜けて、ちょっとリッチな気分で飲み始められますね」
野元「旨いハイボール。まさにウマハイボールですね(笑)。とんかつや餃子とも合いそうですね。パリッコさん、温かいうちに食べましょう!」
最初に箸をつけたのは、山盛りのネギがインパクト大な「特製ねぎとん」。
サクサクの揚げたてカツの上にたっぷりのネギと海苔、さらに上から和風だしをかけた一品です。
パリッコ「では、いただきます!……あ~、これはうまい。カツなのにすごくあっさり食べられる。
でも肉のボリューム感も楽しめて、めちゃくちゃおいしいです」
野元「本当だ!全然重くないから、パクパク食べれますね。特に、ネギは乗せれば乗せるだけおいしい」
パリッコ「というかもう、このネギとだしだけで一品料理として出せますよね。クオリティ高いなぁ」
続いてはニンニクを使わない「自家製無臭餃子」、そして店主が一つ一つ皮をむいた「冷やしトマト」。
どれもハイボール好きの食欲をそそるメニューです。
パリッコ「ギョーザとハイボールは間違いないですね。ニンニクが入ってない分、餡のうま味がしっかり感じられる」
野元「トマトもおいしいですよ!皮がむいてあるから食感がやさしいし、オリーブオイルの香りがすごくいいです」
二人が料理のおいしさで盛り上がっていると、気さくな店主がカウンター越しに会話に加わってきました。
何気ない言葉から、料理へのこだわりを感じます。
田井さん「とんかつは自家製のラードで揚げています。ねぎとんはだしで食べるけど、ソースで食べる普通のとんかつだとラードが一層ふわっと香りますよ」
パリッコ「そうなんですね、今度は他のカツも食べてみたいなぁ」
野元「トマトもすごくおいしかったです。こんなに手が込んでるのは珍しいですよね」
田井さん「トマトはちょっと手間だけど包丁で全部皮をむいて、ギリシャ産の香りのいいオリーブオイルをかけています。ハイボールにも合うでしょ?」
パリッコ「ぴったりです!野毛のとんかつ屋さんで、こんなバルみたいなメニューが食べれるなんて驚きました」
田井さん「野毛も最近はいろんなテレビや雑誌で取り上げられるようになったけど、横浜に住んでても未だに『野毛ってどこ?』っていう人も結構いるんですよ。
もっと知ってもらうために、僕もまだまだがんばらないといけないなぁって思いますね」
カウンターを挟んで、ハイボール片手に店主との会話を楽しむ……1軒目からお酒好きらしい楽しみ方を満喫して大満足!
ペコペコだったお腹が適度に満たされたところで、2軒目へ向かうべく店を後にしました。
<野毛飲み歩き2軒目>ホワイトホースハイボールに合う炭火焼きメニューも豊富。穴子のおいしさを再発見できる店
続いて訪れたのは、炭火居酒屋「もも」。ここの売りは、何といっても野毛で穴子料理が堪能できること。
毎日仕入れる新鮮な穴子を、お刺身、白焼き、天ぷらなどさまざまなアレンジで楽しむことができます。
はじめは牛や鶏などを食べに来ていたお客さんも、いつのまにか穴子を目当てに通うようになるのだとか。
その自慢の穴子料理に加え、カウンター越しにお客さんの目の前で焼く炭火焼きメニューも注文。
穴子と肉、贅沢なラインアップがテーブルに並びます。
ここでもホワイトホースのハイボールをオーダーし、本日2回目の「カンパ~イ!」
早速、気になっていた「穴子のお刺身」(980円・税抜)、そして「穴子の白焼き」(780円・税抜)から。
パリッコ「(パクッ)」
野元「あ、すごい。パリッコさんの口から“コリコリッ”っていう音が漏れてます!」
パリッコ「うん、すごく食感がいい!穴子ってもっと淡白な味なのかと思ってたんですけど、弾力があるし味の強さもしっかりしてますね」
野元「じゃあ僕は白焼きを……うん、おいしい!身がぎゅっと詰まってる感じで、食べごたえがありますね。柚子胡椒もよく合うなぁ」
炭火焼きからは、定番人気の「牛カルビ」(780円・税抜)、「鶏もも・塩」(580円・税抜)を。どちらも炭の香りがうまみを引き立てます。
パリッコ「カルビ、ハイボールにめちゃめちゃ合います!ホワイトホースのほのかなスモーキーさと、タレの甘辛い味との相性が抜群」
野元「鶏もも、やわらかくておいしいです。珍しい穴子料理も、こういう定番メニューも、両方味わえるのがいいですね」
二人が特に絶賛していた穴子料理。
もともと「もも」は串焼きなど肉料理がメインだったのですが、現在の店主の宮部さんが店を継いだときから穴子にシフトしていったといいます。
「穴子って僕が生まれた東海地方ではわりと食べられているんですけど、横浜の方では穴子のお刺身を出すところって少ないですよね。
こっちに出てきても、最初の頃は市場でなかなか穴子が手に入りませんでした。
何度も通ううちに魚屋さんと仲良くなって、今では毎日仕入れられるようになったんです。
最近野毛は若い人が増えて、穴子を食べに若い女性一人でいらっしゃる方もいます。
この街で長くお店をやってる人たちは『昔じゃ考えられない』って言ってますが(笑)、野毛も以前よりとっつきやすいイメージになっているのかもしれませんね」
珍しい穴子料理とハイボールにぴったりな炭火焼きを楽しんで、ますますテンションアップ!
「今度来たときはこの穴子料理も食べてみよう」と話しながら、二人は次のお店へと向かいしました。
- 炭火串焼もも
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神奈川県 横浜市中区 野毛町
焼き鳥
<野毛飲み歩き3軒目>野毛でインスタ映えを狙える貴重な店!?おしゃれなだけじゃないフライパン料理
本日最後に訪れたのは「野毛 なおじ」。
約2年前にオープンしたというまだ新しいお店は、大きな窓とウッディーなインテリアで、野毛では珍しい(失礼?)お洒落な雰囲気が特徴的。
メインは鳥取県産の大山鶏を使った料理で、若い女性の間では「インスタ映えする」と人気の小さなフライパンに乗せて提供するのが定番スタイルです。
最後もハイボールで「カンパ~イ!」
思わず写真に納めたくなる、この華やかさ!見た目だけではない、評判の味についてのパリッコさんの感想は?
まずは大山鶏の「おろしポン酢」(380円・税抜)から。
パリッコ「う~ん、大山鶏がジューシーでやわらかい。おろしポン酢でさっぱり食べられるし、体をいたわるようなやさしい味付けですね」
野元「フライパンで提供だと温かさが続くし、肉についた焼き目もおいしいですね!焼き目の香ばしさと、すっきりとしたハイボールがすごく合います」
続いて、自家製バジルソースの香りがたまらない「カマンベールチーズ焼き」(780円・税抜)。
バゲットにたっぷりチーズを乗せていただきます。
そしてインスタ映え抜群な「丸ごとトマトのチーズ焼き バケット付き」(580円・税抜)はどうでしょう?
こぼさないよう、パリッコさんが慎重に口に運ぶと……
パリッコ「……うわ~、なんだこれ。めちゃくちゃおいしい。
チーズとトマトって鉄板の組み合わせですけど、さらに、チーズにニンニクがたっぷり入っていてハイボールとすっごく合います。これは箸が止まらないなぁ」
思わず店主・なおじさんを呼んで「おいしかったです!」と直接感想を伝える二人。
長年飲食に携わってきたという店主・なおじさん、その食のセンスに脱帽です。
「フライパン料理は、僕が以前働いていた店の人気メニュー。それに特化したお店にしようと思って始めました。
最初はやっぱり、野毛っぽくないって言われましたね(笑)。でも逆に他と差別化ができていいのかなと思っています。
はじめは野毛初心者の若いお客さんが多かったのですが、今ではお酒好きの年輩の方にもきていただけるようになりました。
うちはリーズナブルな一品料理も多いので、ぜひまた食べに来てくださいね」(店主・なおじさん)
- 野毛 なおじ
-
神奈川県 横浜市中区 宮川町
居酒屋
野元「パリッコさん、今日はどうでした?」
パリッコ「いやぁ、最高ですよ。本当に個性的なお店ばかりで、みんなが飲み歩きする理由がわかります」
野元「僕は初めての野毛だったのですが、ディープだけどお店の人たちの人あたりが良くて、怖い街じゃないんだなって安心しました(笑)」
パリッコ「本当、そうですよね。ところで、さっきの路地に気になるお店があったんですけど、もう一軒いかがですか?」
野元「いいですね、実は僕も気になるお店見つけたんですよね。行ってみましょう!」
また一人、ウマの合う飲み仲間が増えたパリッコさん。
気軽に飲めるハイボールでの乾杯が、二人の距離をぐっと縮めてくれたようです。
玄人のお酒飲みからお酒デビュー間もない人まで、懐広く受け入れてくれる野毛の街。
一歩足を踏み入れたら、その楽しさから抜け出せなくなるかも?
ライター紹介
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芳賀直美
- フリーライター/編集者。神奈川県出身。WEB制作会社、編集プロダクションを経て2016年に独立。カルチャー、美容、グルメなど、ジャンル問わず執筆中。パンダとお酒が好きです。