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連載:むむ先生の"食"超解説シリーズ

ケチャップは元々トマトじゃなかった?トランプ大統領も好きなステーキにケチャップの科学的根拠とは

Rettyグルメニュースをお読みの皆様、こんにちは。「むむ先生」こと、杉村です。

ライター紹介

杉村啓
杉村啓
日本酒ライター、料理漫画研究家、醤油研究家。 日本酒の基本から歴史・造り方までを熱く語った『白熱日本酒教室』やタモリ倶楽部でも紹介された醤油の奥深さを書いた『醤油手帖』など、食に関する書籍を多数執筆。「むむ先生」として食のコラムや紹介を各メディアで担当。8月末には、グルメ漫画の半世紀を辿る新著『グルメ漫画50年史』を上梓。

むむ先生の"食"超解説シリーズ」の22回目のテーマは、「ケチャップってトマト以外の材料もあるの?〜トマトケチャップのあれこれ〜」です。

ちょっとわかりにくいですね。少し詳しく解説してみます。

ケチャップの容器をよく見ると「トマトケチャップ」と書かれているものが少なくありません。

わざわざ「トマト」と明記しているということは、トマト以外の材料でらケチャップはあるのでしょうか? ということです。

この疑問に答えるためには、ケチャップの歴史から振り返る必要があります。

もともとはケチャップ=魚醤だった!?

ケチャップの起源については諸説あります。中でも有力なのが、もともとはアジアが発祥の地だというもの。

なんとなく、"ケチャップ=アメリカ"というイメージが強いので、少し意外ですよね。

中国にもともと「ケ・ツィアプ」という調味料がありました。

漢字で書くと「鮭汁」で、これは小魚や海老を塩辛にして造った調味料、すなわち「魚醤」だったのです。

魚醤の代表、ナンプラー

魚醤の代表、ナンプラー

ちなみに「鮭汁」とは書くものの、鮭は使っていなかったとか。

それがマレー半島に伝わり、そこからヨーロッパへと伝わりました。これがだいたい17世紀のことと考えられています。

ヨーロッパに伝わったことで、ケチャップは大きく変わりました。

牡蠣やロブスターなどの魚介類から造る魚醤だけではなく、フルーツやクルミなど、さまざまなものから造った調味料をケチャップと呼ぶようになったのです。

その当時に誕生し、今でも使われているのがマッシュルームのケチャップでしょうか。マッシュルームを塩漬けにし、出てきた汁に香辛料を加えて煮つめたものです。

現在の形になったのはアメリカへ伝わってから

18世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパからアメリカへケチャップが伝わりました。

そこで使われたのが、当時普及し始めていたトマトです。ここでようやくトマトケチャップが生まれたのです。

当時は家庭でトマトに塩を振り、出てきた汁に香辛料を加えて煮つめたものとされています。

それがだんだん酢や砂糖も加えるようになり、現在の形のトマトケチャップが誕生しました。

現在でもケチャップを手がけているハインツ社が、1876年に瓶詰めのトマトケチャップを販売したことで、一気に世の中へ広まります。

人気はアメリカ国内だけに留まらず、輸出品としても好評を博し、世界中へと広まっていきました。

日本に入ったのは明治時代

日本にケチャップが伝わったのは、明治時代です。当時はすでにトマトケチャップが世界で普及していたため、トマトケチャップの形で入ってきたのです。

1903年には、すでに国産ケチャップを造るところもあったそうです。

1908年にはカゴメがトマトケチャップの販売を開始。

当時はトマトを生食する習慣もなく、また、洋食といったらカレーライス、ハヤシライス、コロッケぐらいだったため、同時に発売したウスターソースの売れ行きは好調だったのですが、トマトケチャップはあまり売れませんでした。

それが、だんだんとケチャップを用いた洋食の普及、殺菌方法や瓶詰め方法を見直して、鮮度を保つことができるようになったこと、広口の瓶の登場などによって、ケチャップの消費量はどんどん増えていきました。

特に日本生まれの洋食として、チキンライス、オムライス、ナポリタンなどは、ケチャップがあったからこそ生まれたと言えます。また、これらの料理が家庭で普及するにつれ、ケチャップの消費も拡大していったのです。

なぜトマトケチャップは美味しいのか

というわけで、日本でもすっかり普及したトマトケチャップ。もちろん世界中でも大人気です。

特に発祥の地であるアメリカは最大の消費国で、料理に使うのはもちろん、ハンバーガーやフライドポテトにたっぷりつけて食べています。

トランプ大統領も、ウェルダンに焼いたステーキを、たっぷりのケチャップで食べるのがお気に入りという話は有名ですね。

なぜここまでトマトケチャップが圧倒的人気になったのか。それはやはり、美味しいからでしょう。

トマトは野菜の中で、ダントツに多く旨味成分であるグルタミン酸を含んでいます。

グルタミン酸は、昆布にも多く含まれている旨味成分です。旨味成分は、異なる旨味成分と合わさることで、味の相乗効果で飛躍的に旨味が増します。

したがって、グルタミン酸を多く含んでいるトマトケチャップは、イノシン酸の豊富なお肉と合わせると、お互いがお互いを高め合う相性の良さを発揮するのですね。トランプ大統領の大好物にも、科学的な裏付けがあるのでした。

他にも、砂糖による甘味、酢による酸味、塩による塩味、香辛料による香りがたっぷりと入っています。

いわば、和食の基本である「さしすせそ」が全てトマトケチャップには詰まっているのです。これだけ美味しく、世界中の人を魅了しているのも納得ですね。

ケチャップで減塩!?

和食の「さしすせそ」の要素が全てバランスよく含まれているトマトケチャップ。上手に使うと、減塩につながります。

というのも、トマトケチャップ自体は同量の醤油や味噌に比べると、塩分が3分の1以下しか含まれていません。そこで、調理に使う醤油や味噌の半分を、トマトケチャップに置き換えることで、30%以上の減塩ができるのです。

できあがる料理は少し赤くなってしまいますが、味の方は美味しく仕上がりますよ。上手にケチャップを使っていきましょう。

【むむ先生のイチオシ調味料〜ケチャップ編〜】

日本におけるケチャップ普及の最大の立役者は、なんといってもカゴメさんでしょう。そのカゴメが技術の粋を集めた特別なケチャップが「カゴメトマトケチャッププレミアム」です。

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通常のケチャップよりも、さらにトマト感が増しています。

非常に濃厚で、個人的には現段階でのトマトケチャップの最高傑作なのでは…とも思っています。なかなか店頭では見かけませんが、見かけたら一度ぜひ試してみてください。

■漫画で解説!日本酒教室

日本酒に興味はあるけど、「なんだか難しそう」「どれを選べばいいのかわからない」……。そんなあなたのための“日本酒教室”、はじまりはじまり!詳しくはこちらから http://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/nihonshu/0002.html

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50年にわたるグルメ漫画の歴史を、10年ごとに区切り、当時の食文化からどういう影響を受けてきたのか、そして食文化にどういう影響を与えてきたのかを記しました。

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