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連載:むむ先生の"食"超解説シリーズ

白だしの「白」と「だし」の秘密。知ると"万能調味料"と呼ばれる理由にナットク!

Rettyグルメニュースをお読みの皆様、こんにちは。「むむ先生」こと、杉村です。

「むむ先生の"食"超解説シリーズ」の25回目のテーマは「万能調味料の白だしって、どういうものなの?」です。

この連載では、たびたび「万能調味料」という言葉がでてきています。

タイトルにも含まれているのは煎り酒編や、めんつゆ編などですね。今回紹介する「白だし」も、それに負けず劣らずの万能調味料です。

実は海外でも人気が高く、年々売り上げが伸びているジャンルでもあります。

スーパーでも当たり前に見かける「白だし」は、いったいどういうもので、どういう使い道があるのか。見ていくことにしましょう。

白だしは「白」と「だし」からできている

白だしは、しっかりとダシが効いていて、薄めるだけで味つけが決まるお手軽さを持っています。

しかも、素材の色をほとんど変えません。うどんのかけつゆとかお吸い物は、白だしを希釈するだけでもできあがったりしますよね。

何にでも加えていい、まさに万能調味料と呼ぶのにふさわしい調味料です。

その白だしですが、名は体を表すと言いますか。主に「白」と「だし」から造られています。

「白」は白醤油。「だし」は主にカツオダシですね。さらに昆布や椎茸からダシをとることもあります。

そこに、みりんや塩などを加えて味を調整したものが販売されているのです。

「白」を見てみよう

ここで、「白醤油」がいったい何なのか、少し解説をしておきましょう。

白醤油は主に愛知県でのみ造られている、非常に色が淡い醤油です。

淡口醤油よりもさらに色は淡く、ほんのりと美しい琥珀色をしています。そのため、「白だし」は色がとても淡く、素材の邪魔をしないのですね。

では、醤油なのになぜ白醤油はそこまで色が濃くないのか。その秘密は、材料にあります。

醤油の原材料は、大豆と小麦です。このうち、大豆は発酵するとたんぱく質が旨味になり、旨味(アミノ酸)が反応して色が黒くなります。

小麦は発酵するとでんぷんが糖になり、甘味を加えてくれます。旨味と甘味のバランスが、醤油の味わいの秘密なのですね。

濃口醤油は大豆と小麦が半分ずつ。それであのぐらいの色の濃さになるのです。

これがものすごく色が黒いたまり醤油になると、大豆9割小麦1割、もしくは大豆10割になるのです。大豆の割合が多ければ多いほど、醤油は色が黒くなると考えてください。

では、白醤油を見てみましょう。

白醤油は、主に小麦9割大豆1割でできています。小麦10割は? と思う人もいるかもしれませんが、大豆が入っていないと法律上「醤油」と認められないので、白醤油は大豆が少しだけ必ず入っています。

というわけで、大豆の割合が非常に少ないため、白醤油は色がとても淡く、「白」醤油とつけられたのです。

小麦は発酵すると糖になり、大豆は発酵すると旨味になります。したがって、小麦が多く、大豆が少ない白醤油は、甘味を持ち、なおかつ旨味が少ない醤油となります。

じゃあ、甘味調味料なのかなと思うかもしれませんが、そうではありません。発酵の過程で余分な菌が繁殖しないよう、濃口醤油よりも塩を多く加えて造っているのです。

そのため、醤油の名にふさわしい、しっかりとした塩分を持っているので、甘いとはなかなか感じられません。しょっぱさの中に、ほんのり甘味が見えるぐらいと考えるといいでしょう。

この白醤油とダシがあわさることで、白醤油の塩味と甘味にダシの旨味があわさり、万能調味料になったというわけです。

白だしは白醤油の会社が造り始めた

白だしの歴史は、1970年代にさかのぼります。

愛知県のヤマシン醸造が、1971年に造った「しらつゆ」が、白醤油とダシを合わせた最初の調味料と言われています。

ブームになったのは、1978年。同じく愛知県の七福醸造が、白醤油とダシを合わせた「白だし」を販売したところ、大ヒット。

以後は、他の会社も同様の調味料を「白だし」として販売するようになりました。ヤマシン醸造も七福醸造も、両方共に白醤油を造っている会社です。

今ではダシの会社が白だしを出しているケースも多いのですが、もともとは白醤油の会社が白だしを生み出したのですね。

白だしはどうやって使うのがいいの?

基本的には市販されているものは濃縮タイプなので、希釈して使います。それだけで、ダシになります。

ダシを必要とするところにはどこにでも使えると言っても過言ではありません。茶碗蒸しやお吸い物も、白だしを使うと簡単に味が決まります。

塩分は、商品による(濃縮度合いによる)のですが、10%前後のものでしたら、そのままかけ醤油の代わりに使ってもいいでしょう。

濃口醤油(塩分16%)に比べると、同量を使うことでやや減塩効果があるといえます。

旨味が強いと、塩分が少なくても物足りなさを感じないので、意外といけます。さらに減塩したい場合には、「減塩白だし」も市販されています。

白だしは色が淡いため、少し希釈して粉ゼラチンなどを使って固めると、透明感の高い、これからの季節にぴったりの調味料になります。これは一度やってみてください!

【むむ先生のイチオシ調味料〜白だし編〜】

元祖白だしの会社である、七福醸造の「特選料亭白だし 四季の彩」がお気に入りの白だしです。

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白醤油だけでなく、ダシの側にも妥協はしていない造りをしています。

かつお節は鹿児島県枕崎の本枯節、北海道産の昆布、大分県産のどんこ椎茸、三河本みりんなど、どれもこれもこだわっています。

とくに、かつお節がすごい! 本枯節はかつお節の中でも最高級のもので、醤油の加工品のために使われることは滅多にないものです。高級料亭などで使われるものなのですね。

その本枯節をたっぷりと使ったダシはとても風味がよく、この白だしを使うだけで普段の料理を一段も二段もレベルアップさせてくれます。是非お試しください!

ライター紹介

杉村啓
杉村啓
日本酒ライター、料理漫画研究家、醤油研究家。 日本酒の基本から歴史・造り方までを熱く語った『白熱日本酒教室』やタモリ倶楽部でも紹介された醤油の奥深さを書いた『醤油手帖』など、食に関する書籍を多数執筆。「むむ先生」として食のコラムや紹介を各メディアで担当。8月末には、グルメ漫画の半世紀を辿る新著『グルメ漫画50年史』を上梓。
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