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連載:コーヒー男子図鑑

男たちが極めたいコーヒーの世界。100年続くカフェを目指す店主の想い〜コーヒー男子図鑑〜

Rettyグルメニュースをお読みのみなさん、こんにちは。Retty TOP USERで生粋のコーヒーマニア、Kaya Takatsunaです。

コーヒー好きが高じて、コーヒーの味を評価する国際資格”Qグレーダー”まで取得した私。

今まで国内外で数え切れないほどのコーヒーを飲んできた私ですが、他のお店と何かが違う、キラリと光る素敵なコーヒー男子にお会いすることがあります。

そこで今月から、コーヒーの虜となった男子を紹介する新連載「コーヒー男子図鑑」をスタートします。

彼らが、どんな思いを持って一杯のコーヒーに向き合っているのか、Rettyグルメニュースをお読みの皆さんと、一緒に楽しい旅を始めたいと思います。どうぞお付き合いください。

記念すべき第1回目は、代官山の鎗ヶ崎交差点にあるPerch by WOODBERRY COFFEE ROASTERS(パーチバイウッドベリーコーヒーロースターズ)。

"COFFEE"という、大きな看板が印象的なコーヒースタンドです。

ここは、世田谷・ 用賀でWOODBERRY COFFEE ROASTERS(ウッドベリーコーヒーロースターズ)と、Take it all -Coffee and Doughnuts(テイクイットオール コーヒーアンドドーナッツ)を営む、木原武蔵さんの3店舗目のお店。

私は、ここで飲める「ホンデュラスのLa Leona(ラ・レオナ)」というコーヒーが大好きで通ってます。

【コーヒー男子ファイル 01】
名前:木原武蔵 Musashi KIHARA
誕生日:6月23日
出身地:東京都世田谷区
趣味:カメラ、カクテル
会えるお店:WOODBERRY COFFEE ROASTERS、Take it all -Coffee and Doughnuts、Perch by WOODBERRY COFFEE ROASTERS

木原さんが1店舗目の「WOODBERRY COFFEE ROASTERS」をオープンしたのは6年前、なんと当時まだ21歳でした。

経営者、焙煎士、バリスタと3つの顔を持つ木原さんに、今までのことやこれからの夢、そして旬のオススメドリンクなどを伺いました。

— 21歳という若さでお店をオープンしたのは、どういう経緯だったのですか?

学生時代は米国アーカンソー州の大学に留学して、MBA取得のためにビジネスを勉強していました。

当時流行っていた戦略コンサルタントや投資銀行とかのセレブサラリーマンになりたかったんです。 でも大学3年生の時に父が病で倒れて突然帰国することになって。

帰国と時を同じくして東日本大震災もあったので、「日本で何かしたい!」っていう思いがだんだんと強くなってきました。あとはもう勢いで(笑)。

— でも、なぜコーヒー専門店を?

アメリカで毎日コーヒーを飲んでいた頃、お店によってコーヒーの質が全然違うし、同じお店でも淹れる人によって味が変化するのはなぜだろうって、飲むたびに考えていたんです。

それで、エスプレッソマシンを買って自分でその答えを探していきました。

— 好奇心からマシンまで買ってしまうって凄い!独学がお好きなんですか?

機械をいじるのが好きなんです。学生時代はずっとバンドをやってたんですけど、楽器を演奏するより作る方が好きだったほどです。

それに、DIYが当たり前なアメリカにいたこともあるけど、人から教わるっていう考えがもともとあまりなくて。師弟制度みたいなのって日本独特ですよね。

— 確かに。2012年6月オープンということはもうすぐ6周年になりますが、3店舗に増やしつつ、クオリティも維持する秘訣は?

自分で勉強しながら少しずつ出来ることを増やしていく感じですかね。

独学の他に、焙煎のオープンソースの情報をネットから得たり、コーヒーのプロが集まる"リトリート"という合宿に参加して意見交換したり、常に改良してます。大会にも出場しますよ。

— やはりいいものを追求するために、努力は欠かさないんですね。コーヒー以外のことでハマってることはあります?

カクテルにハマっていますね、作ったり飲んだり。コーヒーと一緒で、味を追求できるしクリエイティブなところが好きなんです。

つい最近、世界のベストバー1位のロンドンの老舗ホテル“The Savoy (ザ・サヴォイ)”にある、The American Barのバーテンダーが日本で開催したイベントにも参加しました。

— 本格的ですね。カクテルからコーヒーにヒントをもらえることはありますか?

たくさんありますよ。例えば、今ようやく市場にも出てきましたけど、透明のコーヒーがそうですね。色は透明なのに、コーヒーの持つコクや風味はそのまま残るんです。

加圧蒸留機を使うのですが、バー業界では透明のトマトジュースが5年くらい前にすでに流行っています。

先日、コーヒーカクテルの大会があったんですが、僕も自分の作ったカクテルに、透明コーヒーのちょっとしたテイストを加えました。

— 透明のコーヒーですか!では木原さんオススメの一杯は?

これからの季節はエスプレッソトニック。

あとは、いま世界で一番飲まれている“オールドファッション”というカクテルを、コーヒーにアレンジしたのもいいですよ。

— オールドファッション?

まず、バーボンを染み込ませたコーヒーの生豆を焙煎します。するとアルコール分が飛んで、ウイスキーの樽感や木の香りだけが豆に残るんですよ。

その豆をエスプレッソで抽出して、ウィスキーの樽に戻して3時間ほど熟成させます。最後に角砂糖とオレンジを入れて完成です。

— 新しいスタイル!木原さんのコーヒーには、驚きと感動がありますね!ところで、これから目指すゴールってどこですか?

100年続くカフェを目指してます。店舗を増やすより、今の状態を進化させたい。

コーヒーショップって、小さいけれど拘りの名店か、大型チェーンとして拡大させるか、今まで2択しかなかったと思うんですけど、僕は第3の道を拓きたいんです。

— 第3の道とは?

いつかミシュランの星を取りたいです。世界中どこ探してもまだコーヒー専門店でミシュランの星を取ったところはないんですよ。

— 素晴らしい!それには何が必要だと思います?

やっぱりクリエイティビティとホスピタリティ。あとはそこでしかできない体験があることですね。

飛行機を乗ってまでも、そこに行く価値がある店っていうのが三ツ星の条件だから、その価値を作り上げて行きたいなって思っています。

— お話を聞いているとワクワクしてきます。普段、自分の軸にしている座右の銘みたいな言葉はありますか?

ないですよ(笑)。でもまぁ、他の人とは違う視点でいようっていうのはいつも心がけてますね。

お客様に新しいコーヒー体験をしていただくためにも、一つのことに囚われず、できるだけ広い視野を持って、いろんな発見や可能性を見つけたいと思っています。

***

いつものんびり穏やかそうな雰囲気でコーヒーを淹れる姿が印象的な木原さんの、コーヒーを飲むだけでは決して知り得なかった貴重なお話を伺うことができました。

ミシュラン、いつか絶対獲得してほしいです!

次回のコーヒー男子図鑑もどうぞお楽しみに!

(Photo: Atsuko Tanaka)

ライター紹介

Kaya Takatsuna
Kaya Takatsuna
Retty TOP USER。美味しいコーヒーがあるだけで幸せな人。コーヒー好きすぎて、コーヒーの味を評価する国際資格”Qグレーダー”まで取得してしまいました。地元で川越コーヒーフェスティバルを主催してます(^^) アイスクリーム、あんこ、チョコレートも中毒レベル。
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