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連載:コーヒー男子図鑑

ピクルスがアイデアのきっかけ。インフュードコーヒーで新しい楽しみ方を提案する湘南のバリスタ

Rettyグルメニュースをお読みのみなさん、こんにちは。Retty TOP USERで生粋のコーヒーマニア、Kaya Takatsunaです。

コーヒー男子図鑑7回目は、Ants. Meals & Coffee Barの店主であり、バリスタ、バーテンダー、シェフとして幅広く活躍中のトランさんが登場します。

神奈川・辻堂に念願の一号店をオープンすることが決まったばかりのトランさんは現在、「Cakifornia(カキフォルニア)」の店舗を間借りして日曜限定営業しながら、多くのイベントに参加しています。

トランさんの作る看板メニューのコーヒーは、「インフューズドコーヒー」と言います。インフューズド(infused)とは、「浸して味や香りをしみこませてエキスを抽出する」こと。

つまり、トランさんはフルーツやスパイスをコーヒーにインフューズドさせたユニークなコーヒーで、新しい楽しみ方を伝えているんです。

【コーヒー男子ファイル 07】
名前 : Tran トラン
誕生日 : 3月22日
出身地 : 神奈川県横浜市
趣味 : 日本酒
会えるお店 : Ants. Meals & Coffee Bar
インスタグラム : @ants.meals.and.coffeebar

——インフューズドコーヒーを始めたきっかけは?

料理の修行時代、シェフがピクルスを作っているのを見ていて思いついたんです。ピクルスって、もともと野菜に熱々の液体をかけて、野菜から出る出汁を溶け込ませるんですけど、それを見た時にフルーツとコーヒーでもできるんじゃないかってひらめいたんですよ。

そこで、新鮮なフルーツに熱々のコーヒーをかけてみたら、そのフルーツの味を生かしながら、うまくなじませることができたんです。

——ピクルスからコーヒーのアイディアが浮かんだとは斬新ですね。インフューズドコーヒーの魅力ってなんですか?

日本は四季がはっきりしていて、季節ごとに旬の美味しいフルーツが出回るので、そういう素材をコーヒーと楽しめるのが魅力だと思います。

あとは、コーヒーの世界観をさらに拡げてくれることですね。全く違った切り口からコーヒーを伝えていけるのは面白いですよ。

——今の季節のオススメを教えてください

グレープフルーツとクローブというスパイスを使ったコーヒートニックはオススメです。
アメリカンプレスという器具を使って、コーヒーとスパイスとグレープフルーツピールを一緒に抽出するんです。

——コーヒーとは思えないです!爽やかな酸味と甘味もありますね

抽出したあとに果肉も加えているので、グレープフルーツの爽やかさをより感じる夏らしいコーヒートニックになっています。

コーヒーが苦手な人でも、これなら飲めるって言ってくださる方が多くて嬉しいですね。

——トランさんはバリスタですが、カクテルもお料理も得意ですよね

もともとイタリアのバリスタに憧れてたんですけど、イタリアのバリスタってお酒もできてようやく一人前なんです。それに、いつかは自分でお店を持とうと思っていたので、バーテンダーの他に、イタリア料理やベトナム料理の修行もしてきました。

——前々から他のバリスタとはちょっと違う雰囲気が漂っていると思っていましたが、そういう経験がおありなのですね

僕の師匠はバリスタではなくバーテンダーなので少し違うのかもしれません。とても尊敬できる師匠だったので、何をするにもそのお師匠さんだったらどうするかな、とは今もけっこう考えますね。

——プライベートでは、バーはよく行かれますか?

そうですね。例えば、ミクソロジー(新鮮なフルーツや野菜、ハーブなどを使ったフュージョンカクテル)の技術をしっかり見たい時は、六本木のバー、Mixology Experience (ミクソロジーエクスペリエンス)に行きます。

インフューズドコーヒーは、バリスタではなくバーテンダーや調理師の経験が軸なので、ヒントになることがたくさんあるんですよ。

——そうなんですね。他によく行くお店はありますか?

恵比寿にあるBar TRIAD(トライアド)やBar TRENCH(トレンチ)。都内はやはりとてもレベルが高いので、ナチュラルにお客さんとどのような距離感を持って接客するのかっていうところもサービスマンとして本当に勉強になりますし、すごく影響を受けていますね。

——サービスマンとして一番大切なことって何ですか?

お客様の日常の一部でいたいという心持ちで常にいることです。コーヒーもお酒もお料理も、お客様の一日がちょっとでも幸せになってくれたらっていうその思いだけで作ってます。

——サービスマンの鏡ですね。トランさんは、お休みの日は何をして過ごすのですか?

海に行ってのんびりするか、知り合いがいるコーヒー屋へ挨拶回りをしてます。

ーー日本酒がお好きだそうですが、どのように楽しまれるのでしょうか

数種類の飲み比べをして気に入ったものがあればお店で出したり、たまに酒蔵に直接出向いたりもしますね。

ーー特にお気に入りの銘柄などはありますか?

石川県にある農口尚彦研究所という酒蔵の、山廃吟醸がおススメです。いろいろな味わいが感じられるのにケンカをせず、しっかり厚みを感じさせる日本酒ですね。

ーー飲んでみたいです。ところで、トランさんというお名前は日本だと珍しいのではないですか?

僕自身は生まれも育ちも日本なのですが、両親がベトナム人なので僕も100%ベトナム人なんです。ベトナムの血が入っているからかもしれないんですけど、感覚が他の人とズレてるなって思うことがよくありますね。

——例えばどういう時に思います?

インフューズドコーヒーを作るっていう発想もそうだし、料理に関しても、他の人が当たり前だと思っていることが自分の感覚とずれてるんですよ。逆にそこに僕らしさが出せるなって思いますね。

——ベトナムにはよく行かれるんですか?

はい。ホーチミンにも家があるのでよく行きます。

ーーベトナムもコーヒー文化が盛んですよね

そうですね。ベトナムは世界第2位のコーヒー生産量を誇る国で、コーヒーの生産も消費もたくさんされています。ベトナムコーヒーというドリンクがあるくらいですしね。

僕もゆくゆくは自分で焙煎所を作って、ベトナムで栽培された豆を使っていけたらいいなと思います。

ーーAnts. Meals & Coffee Barというお店の由来は?なぜアリ(Ants)なのですか?

アリって地球に必要不可欠な存在で、アリがいなくなってしまったら地球が滅んでしまうと言われているらしいんです。つまり、僕たちサービスマンも世の中にとって必要不可欠な存在であるようにという思いを込めました。

あとは、アリって運び手のイメージがあるので、コーヒーやお酒をお客様に届ける最後の担い手として、責任感をちゃんと持って臨めるようにっていう思いもあります。

——いいですね。店舗オープンも決まったことですし、ますます楽しみです。最後にこれからの夢を聞かせてください

今、ようやくお店を開けるというスタートラインに立てました。人の人生を幸せにした上で、自分の人生も豊かにできればいいなと思っています。そのためにももっと勉強したいですね。

***

ホスピタリティに優れたサービスマンとして、コーヒーとお酒と料理でお客さんを幸せにすることを最も大切に考えているトランさん。心地よい距離感にサービスマンとしてのプロフェッショナリズムを感じます。

店舗オープンは年末の予定で、それまではカキフォルニアで毎週日曜日に、トランさんのインフューズドコーヒーやカクテルを楽しむことができます。

この日は、鎌倉の「ヴァーヴ・コーヒー・ロースターズ」で行われた第一回湘南ブリュワーズカップというイベントに出店していました。今後のイベントはAnts. Meals & Coffee Barのインスタグラムをチェックしてみてくださいね。

次回のコーヒー男子図鑑もお楽しみに!

(撮影協力:Ryota Okazaki)

ライター紹介

Kaya Takatsuna
Kaya Takatsuna
Retty TOP USER。美味しいコーヒーがあるだけで幸せな人。コーヒー好きすぎて、コーヒーの味を評価する国際資格”Qグレーダー”まで取得してしまいました。地元で川越コーヒーフェスティバルを主催してます(^^) アイスクリーム、あんこ、チョコレートも中毒レベル。
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