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連載:コーヒー男子図鑑

コーヒー通が足繁く通う隠れ名店は、店主が世界一周旅行の途中で惚れ込んだお店だった

Rettyグルメニュースをお楽しみの皆さん、こんにちは。Retty TOP USERで生粋のコーヒーマニア、Kaya Takatsunaです。

コーヒーの世界で活躍する素敵な人たちを特集する「コーヒー男子図鑑」。

第15回目のゲストは、両国駅から徒歩7分の住宅街にひっそり佇むコーヒー専門店「Single O Japan(シングルオージャパン)」の代表、山本酉(ゆう)さんです。

人気のシドニー発のレストラン「bills(ビルズ)」のコーヒーや、「THE CITY BAKERY(シティベーカリー)」のエスプレッソは、Single O Japan(シングルオージャパン)のコーヒー豆を使っているんです。両国のお店に行ったことはなくても、飲んだことのある方はたくさんいるのではないでしょうか。

【コーヒー男子ファイル15】
名前:山本酉(Yu YAMAMOTO)
誕生日:2月24日
出身地:宮城県仙台市
趣味:バスケットボール お酒を楽しむ
会えるお店:Single O Japan http://singleo.jp/

—建物の看板が「株式会社常田工務店」なのにコーヒーショップって、お店が隠れすぎじゃないですか?

そうですね(笑)。ここで焙煎を始めてから4年経ちますけど、いまだに近所の方でもコーヒーをやっていることすら知らないと思います。ましてや土、日、月しか空いてないですし。

—なぜこんなにひっそりとお店をオープンしているのですか?

最初は焙煎所だけだったんです。でも、クオリティコントロールのために、エスプレッソマシンなどが一式全部揃っていたので、せっかくだから皆さんに飲んでもらいたかったし、地域の方達にも知ってもらいたくなって、2017年7月から焙煎所内でテイスティングバーとして週3日だけオープンすることにしました。

定期的にイベントも開催。この日は限定ブレンドコーヒー「シュガープラム」のカッピング体験会。ブレンドを構成している豆を別々に味わってもらい、どのような豆でブレンドが作られているかを知ってもらう目的で開かれた

定期的にイベントも開催。この日は限定ブレンドコーヒー「シュガープラム」のカッピング体験会。ブレンドを構成している豆を別々に味わってもらい、どのような豆でブレンドが作られているかを知ってもらう目的で開かれた

—ここはコーヒー通の人が来るイメージがありますが、コーヒーのこと詳しくなくても大丈夫ですか?

本当はコーヒーを全く知らない人にも気軽に来てもらいたいんです。例えばワインだと、多くの人がコンビニで買えるものと専門店でしか買えないワインの違いをわかってるけど、コーヒーはまだそこまで浸透してないですよね。

でも、コーヒーはワインほど敷居が高くないし、価格も専門店で400円〜500円、コンビニでは100円〜200円と、わずかな違いくらいなのでここで何を頼んでも1万円取られることはないですから(笑)。

—ワインと比較するとわかりやすいですね。

あとは、コーヒーは1種類じゃないこととか、ブラジルのコーヒーと言っても、ブラジルは広大だから地域ごとに味も変わるし、お米のように品種が違っても変わるし、もちろん育てる人によっても違います。そういうことを気軽に知ってもらいたいです。

—お米に例えてもわかりやすいですね。ところで、山本さんはずっとコーヒーの仕事をされてきたのですか?

大学卒業してから3年半は、不動産関係の会社で普通のサラリーマンをしてました。もともと3年勤めたら転職しようと漠然と思っていたんですけど、そのタイミングで当時付き合ってた彼女(今の奥様)に「世界一周旅行に行かない?」って誘われたんです。

—え?それで世界一周行っちゃったんですか?

はい。「じゃあ行ってみようか!」って(笑)。

—フットワーク軽すぎます!(笑)。

最初は、1年間かけて世界一周して、2年目にオーストラリアのワーキングホリデーに行って、帰国したら日本でまた仕事する計画だったんですけど、世界一周中にお金が足りなくなっちゃって。

—え!それでどうしたんですか?

すでにオーストラリアのワーキングホリデーを持っていたから、アジア、アフリカ、スペインを旅した後、まずは働いてお金稼ごうとオーストラリアに入りました。

—オーストラリアと言えばコーヒーカルチャーですもんね。

何よりも2人ともオーストラリアの雰囲気が気に入ってしまい、そこからできるだけ長くオーストラリアで生活したいと思うようになりました。その時に見つけた仕事が「Single O」の皿洗いでした。

Single O(シングル・オー) とは・・・
産地の見える豆を目の前でドリップして淹れる"サードウェーブコーヒー"の先駆け的存在の1つで、オーストラリア・シドニー発の人気コーヒーロースター。シングルオリジンコーヒーという単一品種の豆を使用し、生産地、品種、生産方法、醸造方法、焙煎方法など細かくこだわったコーヒーを提供している。

—たまたまコーヒーの名店で皿洗いすることになったのですね。

そうなんです。「こんなに洗い場にカップが来るとは、なんて忙しい店なんだろう」って疑問に思いながら毎日10時間くらい皿洗いしてました。そしたら、まかないで飲むラテアートは綺麗だし、コーヒーも凄く美味しかったので、だんだんコーヒーに興味を持つようになったんです。

—オーストラリアから帰国して日本で自分のお店を開く方は多いですが、シドニーのお店をそのまま持って来てしまうって、ちょっと特別ですよね。

皿洗いからキッチンやバリスタに昇進してずっと働いていくうちに、「このコーヒーを日本に紹介したい」って思うようになったんです。

最初はボスに「Single Oのカフェを日本でオープンしない?」って提案したんですけど、「それなら焙煎も日本でできなきゃダメだ」って言われて、それから焙煎と品質管理のチームに入って3年半かけて勉強して、ようやく2014年に帰国してスタートできました。

焙煎機は50年代に製造されたドイツ製プロバットUG22。これを間近で見られる焙煎所は日本でここだけかもしれない。

焙煎機は50年代に製造されたドイツ製プロバットUG22。これを間近で見られる焙煎所は日本でここだけかもしれない。

—素晴らしいです!Single Oはシドニーですが、オーストラリアでコーヒーと言えばメルボルンのイメージあります。シドニーはどんな感じですか?

メルボルンの方がヨーロッパっぽい歴史を感じる雰囲気があります。それに比べてシドニーは都市のイメージが強いです。 それに、湾に囲まれていてビーチがたくさんあるけど、30分も車で走れば森や自然も多いので、シドニーの方がゆったりしている印象を持っています。

—私の周りでもSingle Oのコアなファンが多いですけど、何がそんなに人を惹きつけるんだと思います?

焙煎はもちろんですけど、コーヒー豆を選ぶ時から甘みを重要視していているからでしょうか。 果物が持つ自然の甘みを嫌いな人っていないと思うんですよ。コーヒーの酸味とか苦味とかボディって苦手な人がいるけど、自然が持ってる自然の甘みを出していくと、2杯目もまた飲みたくなるのかなって思います。

—スタッフでバリスタの成沢さんは、昨年度のエアロプレス世界大会で準優勝になりましたし、最近は大会でも実力を証明していらっしゃいますね。

大会の成績は彼の実力ですけど、ここで世界2位のバリスタが淹れたコーヒーをお客さんが気軽に楽しめるのはいいですよね。

空気圧で抽出するエアロプレスという器具を使い、美味しさを競い合う世界大会で準優勝を成し遂げたバリスタの成沢勇佑さん。

空気圧で抽出するエアロプレスという器具を使い、美味しさを競い合う世界大会で準優勝を成し遂げたバリスタの成沢勇佑さん。

—私はコーヒー豆のジャケ買いが好きなのですが、Single Oのコーヒー袋からはとてもアートを感じます。

“Random acts of art project”と言って、オーストラリアや日本のアーティストとコラボしたコーヒー袋を作っています。今13人目で、このアーティストは「yoshi47」さんという日本在住の日本人アーティスト。

多少コストはかかるけど、お店に置いてあるとインパクトあるし、他がやってないようなことをやりたいし、才能がある若手をサポートしたいし、アート好きな方がたまたまコーヒーを知ってくれたらいいし、いろんな方面からコーヒーに興味を持ってほしいんです。

—いいですね。山本さんがコーヒーに関わる人として、大切にしていることはなんですか?

エデュケーションて言うと偉そうですけど、教えると言うよりは、「伝える」ってことが重要だと思っています。

コーヒーの情報量ひとつ取っても、英語と日本語の差は凄くあるので、まだまだ未成熟な業界として皆で色々話す機会も必要ですしね。

カフェラテは、ここではミルクコーヒーというメニュー名に。オーストラリアではフィルターコーヒーよりも、エスプレッソやミルクコーヒーを飲むのが主流。

カフェラテは、ここではミルクコーヒーというメニュー名に。オーストラリアではフィルターコーヒーよりも、エスプレッソやミルクコーヒーを飲むのが主流。

ーこれからコーヒーでオーストラリアに留学したい若者もたくさんいると思いますが、山本さんの経験から何かアドバイスをいただけますか?

日本でも学べることはたくさんあるので、“なぜオーストラリアに行くのか”、その理由を明確にしてから渡豪すべきだと思います。

良い国だし楽しく暮らせるから、時間はあっという間に過ぎてしまいますので、限られた時間でオーストラリアから何を持ち帰るのかをしっかり考えてから行けば、より充実した生活が送れるのではないでしょうか。

ー最後に、これからやっていきたいことを教えてください。

コーヒー専門店で美味しいコーヒーを飲めるのはもう当たり前なので、これから力を入れたいのは、レストランとかパン屋さんのように、コーヒーを目当てに行かない人が行くお店のコーヒーを美味しくしたいです。

本当のコーヒーの味を知ったらもう缶コーヒーが飲めなくなった、っていう人が増えたらいいなと思います。

***

とても優しい笑顔で、様々な角度からコーヒーへの思いや現状をわかりやすくお話してくださった山本さん。来年はますますSingle Oのコーヒーを飲めるお店が増えていくと思います。とても楽しみです!

撮影 : Atsuko Tanaka

さて、今年はRettyコーヒー男子図鑑で16名のコーヒー男子にお会いして、素晴らしい経験談をお聞きしました。取材にご協力頂きましたコーヒー男子の方々、撮影に協力してくださったコーヒーショップのスタッフの皆様、そして毎回読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!

新年は、世界を股にかけて活躍するグローバルなコーヒー男子からスタートします!来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ライター紹介

Kaya Takatsuna
Kaya Takatsuna
Retty TOP USER。美味しいコーヒーがあるだけで幸せな人。コーヒー好きすぎて、コーヒーの味を評価する国際資格”Qグレーダー”まで取得してしまいました。地元で川越コーヒーフェスティバルを主催してます(^^) アイスクリーム、あんこ、チョコレートも中毒レベル。
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