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連載:コーヒー男子図鑑

マクドナルドのコーヒーも監修!アジア人初のワールドバリスタチャンピオンに輝いた男の今とこれから

皆さまこんにちは。Retty Top Userでコーヒーをこよなく愛するKaya Takatsunaです。

本年も素敵なコーヒー男子にたくさんインタビューしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

【コーヒー男子ファイル16】
名前 : 井崎英典( Hidenori IZAKI)
誕生日 : 3月15日
出身地 : 福岡県福岡市
趣味 : 読書、ジム、犬の散歩
ウェブサイト:
井崎英典公式サイト:http://hidenori-izaki.com/
バリスタハッスルジャパン:https://japan.baristatustle.com/
メニューのないコーヒー相談店:https://www.facebook.com/groups/664722820532851/

24歳でアジア人初のワールドバリスタチャンピオンに!あのマクドナルドのコーヒーも監修

さて、記念すべき2019年最初のゲストは、2014年に24歳という若さで、アジア人初のワールドバリスタチャンピオンに輝いた井崎英典さんです。

井崎さんは、自らがコーヒーの監修をしたマクドナルドのCMを始め、メディアにも多く出演されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

そんな井崎さんがお気に入りのコーヒーショップに選んだのは、神奈川県藤沢市にある『27 Coffee Roasters(トゥエンティセブン コーヒーロースターズ)』。

—こちらをお気に入りのお店に選んだのはなぜですか?

ここはスタッフの皆さんが凄く素敵なんです。オーナーの葛西さんもバリスタのヨッシーもスタッフ同士がみんな仲よくて、その雰囲気が好きでついつい来ちゃいますね。

お店ってどこも自分の店が世界で一番美味しいって自負があるんですよね。そこで違いが出るのは人。僕、やっぱりコーヒーは人だと思うんですよ。

27 Coffee Roastersのオーナー葛西さんと

27 Coffee Roastersのオーナー葛西さんと

—現在はお店を営んでいませんが、どのような形でのお仕事がメインなんですか?

基本的には商品開発や監修、それから教育関係のコンサルティングをしています。最近の仕事のひとつとしては、マクドナルドさんでカフェラテやアイスコーヒーのリニューアルに携わらせていただきました。

—CMにも登場されていましたね。

自分の名前で監修させていただく以上、がっつりゼロベースからスタート。コスト、スピード、一貫性、再現性など、色々と制約があるので大変でしたが、マクドナルドのお客様に「あれ?味わいがいつもと違くない?」と思ってもらえるように一生懸命取り組ませていただきました。

まずはファストフード店を入口としてコーヒーに興味を持ってもらい、次のステップに橋渡しができるような階段を作りたかったんです。

—ファストフード店を入り口とした場合、コーヒー入門者はどうしたらいいのでしょう?

とにかくコーヒーと関わる機会を増やして、いろんなお店で飲んでほしい。そしてたくさんバリスタと話をしてほしいです。そうすることで少しずつ違いがわかってきます。まずはコーヒーを飲む習慣をつけていただきたいですね。

27 Coffee Roastersは豆売り専門店ですが、横のCORNER 27に併設されたカフェスペースで飲むことができます

27 Coffee Roastersは豆売り専門店ですが、横のCORNER 27に併設されたカフェスペースで飲むことができます

絶対にやりたくないと思っていたコーヒー稼業。分岐点となったのは

—ところで井崎さんのお父様は、福岡のスペシャルティコーヒーの先駆けとなった『ハニー珈琲』を営まれていますが、やはり小さい頃からコーヒーの薫り漂う家庭で育ったのですか?

親父はもともと塾をやっていたんですが、僕が小学生の時に突然人から譲り受けて『ハニー珈琲』を始めたんですよ。 そこで随分人生が変わりました。最初の頃は経営が大変で家にお金がなかったので、僕はお小遣いも自転車もない悲しい少年時代を過ごしました(笑)。

—そんな環境で育ったのに、井崎さんもコーヒーをやりたいと思ったんですか?

絶対やりたくないって思っていました。だって両親とも365日仕事していて、家に帰るといつもハンドピック(欠点のある豆を一粒ずつ手で取って除いていく地道な作業)をしてるんです。

—(笑)!ご両親のご苦労はさすがですけどね。

だから、子供心にすごく大変な仕事だと感じてたんですよね。ただ、普通の家庭なら冷蔵庫に麦茶が入ってるところを僕の家は水出しコーヒーだったり、夕食後は緑茶じゃなくてコーヒーが出てきたりしていたので、無意識に刷り込まれていたのかもしれないですね。

—嫌だったのに、なぜ家業に興味が湧いたんですか?

正直選択肢がなかった。バドミントン特待生で北九州にある高校に推薦入学で入ったのですが、中退してしまって。やることがなくて、しばらくはいろんなバイトをして過ごしてました。

—世界チャンピオンにそんな不遇の高校時代があったのですか!

お年寄りの家に呼ばれて植木鉢を動かしたり、電球のカバーについた埃を取ってあげたりする仕事から、ここでは言えないような仕事までやりましたよ。

そんな時、親父に「英典、将来どうするつもりなの?」って言われて。それからシール貼ったり、掃除したり、近所に挨拶したりと店の雑用を仕方なく手伝い始めました。でもやり始めたらいつの間にか楽しくなっていったんです。

紆余曲折を経て世界へ

—では、世界を目指すことになったきっかけはなんですか?

きっかけは不純です。「バリスタマガジン」という雑誌がいつも店に置いてあって、かっこよかったのでいつか表紙を飾りいと思うようになっていったんです。それで調べていくと、世界チャンピオンになれば表紙になれるらしいってわかって、やってみようかなって。だって当時まだ16歳ですよ。

親父がいろんなお店に連れていってくれるので、丸山珈琲の社長をはじめ、たくさんのコーヒー界の重鎮達に触れ合う機会が増えていきました。違う世界が見えてきたら、自分がいかにバカだったかということに気付かされたんです。

それにバリスタの世界大会って英語なので、チャンピオンになりたいと思ったら英語喋れないとダメじゃないですか。そもそも僕は英語を喋れなかったし。

—(笑)!でも、井崎さんの英語は流暢ですよね。

僕は一般的な教育システムを通ってきてないから良かったのかもしれないですね。全て自分で考えて決めてやってきました。

—若い頃にたくさんの経験をされてきた井崎さんから見て、世界で活躍できる人って何が違いますか?

難しいですね。いろんな要素がありますけど、やっぱり人間力だと思います。それはつまり物事に対して「なぜ」と考えることができるかどうか。

—なるほど。

海外でいろんな国籍の優秀なバリスタにコーチングをしていても感じますけど、コーヒー業界に限らず世界で活躍してる人は、それが正しいか間違っているかに関わらず「なぜ」を考えてそれを哲学まで落とし込んでる。日本人にそういう人はなかなかいないですね。

—これから世界チャンピオンを目指す人にアドバイスするなら?

固定概念に縛られず、常識を疑った方がいいですね。テクニックは必要だけど、それ以上に自分の哲学や、論理的思考が大切なんです。ほとんどの人はそこが圧倒的に足りない。

—貴重なアドバイスありがとうございます。ところで今コーヒー業界で面白い国はどこですか?

圧倒的に中国ですね。昨年は80日くらい中国出張をしていました。今年オープンしたばかりなのに、すでに中国全土に2000店舗を展開している『ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)』というコーヒーチェーンがあるのですが、僕はそこのコンサルタントをしています。

アプリでしか注文できないキャッシュレスのコーヒーショップとして話題のチェーンなんですが、時価総額が22億ドルあって、スターバックスコーヒーも脅威を感じる規模で成長しています。

—凄すぎて、思考が追いつかないです。

とにかくスピードが速いです。急激に成長していく真っ只中に携われているのは幸せなことですね。

文化も考え方も違うし大変なこともいっぱいあるけど、凄いダイナミクスだし、エネルギーいっぱいあるし、とにかく楽しいです。

これからの活動拠点、そして目指すのは

—将来的には日本で活動される予定はありますか?

今年からは日本での活動が増えていくと思います。数年前から動いてる大企業とのプロジェクトがあるのと、昨年末に「BARISTA HUSTLE JAPAN(バリスタハッスルジャパン)」を日本でもスタートしました。

コーヒーの愛好家やプロのためのオンライン教育システムで、友人でもあり世界的に著名なオーストラリア人バリスタのMatt Pergerと一緒に日本の共同代表として全体の監修などをしています。

27 Coffee Roastersのバリスタ、ヨッシーこと吉野さんが作ってくれたラテ

27 Coffee Roastersのバリスタ、ヨッシーこと吉野さんが作ってくれたラテ

—楽しみです!最後にこれからの夢を聞かせてください。

とにかく一番は人とコーヒーの素敵な出会いをプロデュースすること。お客さんが本当に望んでいるコミュニケーションができる、コーヒーにハズレのない場所を作ることが僕のミッション。

コーヒーは毎日飲むエブリディプロダクトですから、コーヒーを飲む人口や回数を増やしていって、それぞれのレベルに合った次の階段を作ってあげたいですね。

***

井崎さんの活躍はコーヒー業界の未来に大きく影響していくだろうと感じるインタビューでした。

バリスタハッスルはじめ、今年から始まる日本でのプロジェクトの数々も楽しみにしています!

次回のコーヒー男子図鑑もお楽しみに!

(撮影:Atsuko Tanaka)

ライター紹介

Kaya Takatsuna
Kaya Takatsuna
Retty TOP USER。美味しいコーヒーがあるだけで幸せな人。コーヒー好きすぎて、コーヒーの味を評価する国際資格”Qグレーダー”まで取得してしまいました。地元で川越コーヒーフェスティバルを主催してます(^^) アイスクリーム、あんこ、チョコレートも中毒レベル。
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