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連載:「脱シェフ」ラーメンを追え!

ふぐの骨100%で出汁を取ったラーメン。革命児「けいすけ」が編み出す比類なきヒットの方策とは

ライター紹介

小林孝充
小林孝充
TVチャンピオンラーメン王選手権第8回優勝。ラーメンWalker百麺人。 歴代ラーメン王によるラーメン大王決定戦で優勝し"初代ラーメン大王”に。累計13000杯のラーメンを食べたラーメン界のトップランナー。

イタリアンやフレンチなど、一流レストランで腕をふるったシェフが独立し、開業するラーメン屋を特集する「脱シェフ」ラーメン企画。
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今回、話を伺ったのは”ラーメン界の革命児”といわれる「けいすけ」店主の竹田敬介さん。

その斬新なラーメンの数々を生み出す根幹には、どのような経歴があるのか。

フレンチ、和食、多彩な料理経験が巻き起こすラーメン革命

竹田さんの料理人としての最初の一歩は1985年、上野の結婚式場から始まった。洋食担当を3年勤めた後、渋谷のフレンチに転職。4年後の24歳の時に、引き抜きを受け、とあるフレンチの料理長に就任した。

その後、イタリアンの料理長やホテルのレストランを経て、150店舗以上を展開する大手飲食企業に転職。7年間、商品開発マネージャーを勤め、フレンチや和食など多彩な料理ジャンルに携わり、様々な調理法、食材に触れた。
そして、いよいよ自分の会社を立ち上げ、独立することになった。

なぜここで、一度も修業したことのないラーメンなのか?というと、元々ラーメンが好きだったことに加え、これまでの経験から、自分ならやれるという自信があったからだという。

しかし、ラーメンのノウハウがなかったため、まず経験のある居酒屋を、神田にオープン。

そして1年後の2005年に初のラーメン店「初代けいすけ」(現在は閉店)をオープンするのである。

これまでの料理キャリアは20年。竹田さんの料理技術の高さは、当然知るところではあるが、若々しい竹田さんの外見と、20年に及ぶ長いキャリアのギャップに驚かされる。

▲竹田敬介さん

▲竹田敬介さん

竹田さんがラーメン店を開くにあたり選んだ味は味噌。これは新横浜で食べた「すみれ」の味に衝撃を受けたからだとか。しかし、単にすみれの味を真似るだけではなく、味噌に竹炭を練り込み、そこに白い生クリームを浮かせるという、見た目も味もこれまでに似たものがない味噌ラーメンを作り上げる。

ここから「けいすけ」の快進撃が始まる。

甘エビを使った「二代目海老そばけいすけ」(現在は閉店)、伊勢海老や渡り蟹を使い麺を片面焼き上げた「つけめん四代目けいすけ」、丸鴨だけを使った「銀座鴨そば九代目けいすけ」など、これまでなかったラーメンを次々に編み出しブランドを立ち上げていく。

遂にふぐ出汁100%のラーメンまで!

そして竹田さん渾身の最新のブランドが、銀座の東急プラザに2016年にオープンした「ふぐだし潮八代目けいすけ」だ。

なんとその名の通り、ふぐの骨100%で出汁を取ったラーメンだ。

スープはほんのりと濁り、軽くゼラチン質の脂が浮いている。飲むと、その見た目からは想像できないほど、重厚なふぐの旨みとコクが広がる。

このスープに合わせる麺は全粒粉入りの極細麺。粉っぽさがなくツルンとした食感で、ふぐの出汁を生かすよう、粉がスープへ溶けださないように仕上げている。極細麺に、ふぐの出汁がしっかりと絡みついてくる。

乗せる具はチャーシューではなく、なんとふぐの昆布〆。熱々のスープに乗せ、ほんのりと熱が通っていく。

麺と具を食べ終わった後は、ふぐ茶漬けが待っている。残ったスープに焼き石を入れて温めなおし、丼の注ぎ口からふぐ飯に注ぐ。

さらに別皿でふぐの身が出てくるので、それも合わせて楽しむ。ここまで贅沢してしまって良いのだろうか、というぐらい至福の時間を堪能できるのだ。

このラーメンを提供し続けるために、山口県のふぐの卸業者に1年先までストックをお願いしているのだとか。ここでしか食べられない、まさにけいすけにしかできないラーメンだ。

客に美味しいと言ってもらいたい、その一心で作る渾身の一杯

これまでなかったラーメンを次々に生み出す竹田さん。

料理人時代に培った、何が今のラーメンに生かされているのか?と聞くと、決して技術とかそういうものではないという。

あえて言うならば、何よりもお客様に美味しいと言ってもらう心構えだという。

その心構えが根幹となっているからこそ、一杯一杯、自身が納得するまで仕上げたラーメンを、日々、提供し続けられるのだ。

その根っこの部分がある限り、これからもけいすけは新たな素晴らしいラーメンを生み出し続けてくれるはずであろう。

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